メガドライブミニ２発売記念『Beep21』「LUNAR ETERNAL BLUE」ライナー・ノート シナリオ担当・重馬 敬氏が語る思い出話 -前編-
話題のハード メガドライブミニ２には
メガCDの名作タイトルが収録され
多くのファンを歓喜させてくれましたが
その中には、メガCDを代表するRPG
「LUNAR」シリーズが2作が収録されましたが
30年近くぶりに両作品を楽しんでいる人も多いはず。
「LUNAR」シリーズのシナリオを担当していた
重馬 敬氏には「LUNAR THE SILVER STAR」
についてすでに振り返っていただいておりますが
今回はいよいよその続編である
「ETERNAL BLUE」について
重馬 敬氏に振り返っていただきました。
「LUNAR」シリーズについてのエピソードは
元ゲーム アーツ社長の宮路洋一氏や
キャラクターデザインの窪岡俊之氏、
サウンド担当の岩垂徳行氏らに
それぞれ振り返っていただいております。
▼宮路洋一氏
▼窪岡俊之氏(キャラクターデザイン)
▼岩垂徳行氏(サウンド担当)
いよいよ大トリとなります
重馬 敬氏の振り返りは
なんと前後編にしての大ボリュームでの
お届けとなります！
過去の設定資料集とはまた違った形で
「LUNAR ETERNAL BLUE 」の貴重な資料
にもなっていますのでぜひご覧ください！
では、ここからは重馬 敬氏に
バトンをお渡しします。
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さて、メガドライブミニ２で遊んでいただいている方も多いと思いますが、「LUNAR ETERNAL BLUE」について思い出してみましょう。
かなりバッチリネタバレになります。はじめての方はゲームが終わってから読んでください。よろしくお願いします。
宮路氏からの続編の打診と温泉での合宿
LUNARの続編をゲーム アーツで作成したい、ということを当時の社長である宮路洋一氏から直接要請され、前作でゲームシナリオ作成をお願いした火野峻志氏とともに参加することになりました。
まずは、みんなで合宿ということで群馬県尻焼温泉へ。’92年の梅雨前ぐらいだったでしょうか……？
ちなみに企画の立ち上げでみんなで温泉合宿する、という文化はもともとアニメ業界のもので、わたしがGAINAXからゲーム アーツさんに伝えました。
さらに蛇足ですが、この尻焼温泉はパソコン通信の時代、作家の高千穂遙氏が主催する「茶房てくにか」というＢＢＳがあり、そこの参加メンバーたちお気に入りの温泉でした。普通に流れている川の底から温泉が湧いていて天気や流量によっては冷たかったりそもそも入れなかったりとなかなかワイルドな湯です。
周囲は山しかないので遊ぶ場所もなく企画に集中できると私が場所を指定しました。
その時は、そう考えていたのです……。
参加者は宮路社長をはじめゲームデザイン、プログラム、映像、演出のみなさん。そして、音楽の岩垂徳行氏が参加されていました。
▼岩垂氏のコラムではそのへんのお話も書かれています
企画の最初期に音楽家がいる、というのは大変にすばらしく、味をしめてその後各社、各作品の立ち上げ企画で最初から音楽家に参加して欲しいという要望をだすことになります。（あんまり通らない……）
前作でキャラクターデザインをお願いした窪岡俊之氏は不参加です。これは、まだ窪岡さんに頼むかどうか宮路社長のほうで決めかねていたからだったと記憶しています。結果からいうとじつにもったいなかったですね。結局、この後で文芸による地獄の合宿がおこなわれることになります。
合宿当日、当時わたしはロードスターに乗っていてドライブしたい病だったので練馬で火野氏をひろって尻焼温泉へと向かいました。この車中の３時間ぐらいでもっとも基本的な本作の初期設定が決まりました。
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