窓を開ければ、蜘蛛の声がする
spiderweb
蜘蛛の巣に悪戦苦闘する。
ベランダの北側にある常夜灯に、数週間前から蜘蛛の巣が張られている。何度も何度もほうきで取り払っているが、また次の日になると張られている。でもその巣の住人は見たことがない。昼間はどこかに出稼ぎにでも行ってるのだろう。夕刻に帰ってきてまたいちから巣を作っている姿が目に浮かぶ。やるせない人生である。私はこの巣の住人にはなんら恨みもないが、蜘蛛の巣というのは見るに忍びない侘しさがある。それが嫌だ。私の目の届かない場所に糸を張ってくれればいいのにと思う。
今日も「ごめんよ」と言いながら蜘蛛の巣を取り払う。
朝早く宅配便が来た。私があまりに肩が凝るだの首が痛いだのとしつこくここに書くもんだから、遠くに住む友人が巻くタイプの首枕を送ってくれた。ムチウチ症の人が首に巻くようなのに似ているが、それより少し柔らかくておしゃれなやつだ。パソコン作業をする時に付けると首が楽だよと言っていた。今はそれを付けて書いている。楽だ。いろいろと肩凝りグッズが揃ってきた。だからといってすぐに治るわけではない。そこがもどかしいところだけど工夫して乗り切ろう。
「午後からオンラインでセミナーをやるから部屋に入らないでね」と夫に言われた。本当にそんなのやってるのかなと思って静かにドアを開けて隙間から覗いてみた。画面は確かにセミナーを映し出していたけど、夫は居眠りしてた。
「あぁ...」と思うが何も言わずにドアを閉める。
巻く首枕をしたまま新聞を取りにエントランスまで行ったら、管理人さんに見つかってしまい「首、どうしました?ムチウチ症ですか」と心配される。説明するのがめんどくさいから「まぁ、軽いんですけど...えへへ...」と答えておいた。こういう時、とてつもなくめんどくさくなる私だ。
空が青い。青すぎやしないか...
読んでいただきありがとうございます。 書くこと、読むこと、考えること... これからも精進します。