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パン と イデオロギー

2024.2.20 (火曜日) Ideologie


網戸に名前も知らない小さな虫がとまっていた。
やっぱり春が来たんだろうか。
その小さな虫は、ふっと息を吹きかけるとヘラヘラっと頼りなげに飛んで行った。
まだ出来立てのほやほやの虫かもしれないな。

出来立てのほやほやといえば、近所にまた小洒落たパン屋ができて、毎日大層な行列ができていたので敬遠していたが、今日の昼前その前を通ったら不思議と行列はなくすぐに入れそうだったので入ってみた。
そしたらやはり中も大層な出立ちで、ひとりの客に対してひとりのスタッフがトレーを持って付いていて、客が「これを2個」とか「あれを3個」とかいうのをトレーに乗せていってくれる形式のようだ。
そしてレジまで案内してレジ係に後を託す…ってな感じだ。
私はいろいろ組み合わせて6個買ったのだが、合計2600円くらいになった。
「高けぇ〜」とびっくりしながらも、ひとりずつスタッフが付くのも料金の中に入ってるのかしら?と思う。
お味はとても美味しかったのだけど、また行くかしらと思うとどうだろう。
お酒に酔って気分がデカくなった時に行くかもしれない。



今日、数人の若者が劇団に見学に来ていた。
どういう理由で見学に来ているのか私は知らないまま稽古を続けていた。
稽古が終わった後で「何か質問ありますか?」と、担当者が見学者に聞いたところ「ストーリーが何が何だかわからないのですが、どういった内容のお芝居ですか?あらすじ教えてもらってもいいですか?」と返ってきた。
その後、担当者がどう説明したかわからないが、私たちがやってる芝居はすらっとあらすじを言えるもんじゃない。
いわゆる、不条理劇とアングラ劇を足して2で割ったようなものである。
『誰がこうしてこうなって、大変でしたが最後は幸せに暮らしましたとさ』
というようなものはない。
観て感性で感じてもらうしかないのだけど。
今の若い人は、本もあまり読まないらし、コミニュケーションはネットが中心だ。不条理なんてなんのこっちゃ?の世界だろうな。

後で担当者に「彼らは何のために来たの?」と聞いたら、
「演劇についてレポートを書くらしいです」だって。
良かった、入団希望者じゃなくて。
と胸を撫で下ろした。

早朝まで降っていた雨はあがって、昼間は少し晴れ間も見えたが、また夕刻になって曇ってきた。夜半やはんにはまた雨になるそうだ。
くわばら、くわばら。

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