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【映画】 My Salinger Year

映画マイ・ニューヨーク・ダイアリー(原題:My Salinger Year)を観る。
邦題のタイトルが気に入らないと思って原題で表記した。
内容と合ってないような気がしたのだ。
確かにニューヨークでの日々を描いたものではあるけれど、サリンジャーと文学との関わりがとても重要なのになと思う。
なぜサリンジャーが邦題タイトルからなくなったのか?日本人にとってサリンジャーは馴染みがないからなのか?
時々、海外の映画の邦題の付け方がイマイチなことがある。日本人にわかりやすくしようとしているのだろうが、そのわかりやすさのせいで映画の魅力が半減していることってある。
原題は『My Salinger Year』(サリンジャーと過ごした日々)
観たものにとってはこっちの方がしっくりくる。

原題「My Salinger Year」

この映画は実話である。
映画の主人公であるジョアンナ・ラコフによって書かれた同名の回想録に基づいて,フィリップ・ファラルドーの脚本・監督によって制作されたもの。

ストーリーは…
90年代、ニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ.D.サリンジャー担当の女上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。昼はニューヨークの中心地マンハッタンの豪華なオフィスに通い、夜はブルックリンにある流し台のないアパートで同じく作家志望の彼氏と暮らしている。
日々の仕事は、世界中から毎日大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターを処理すること。小説の主人公に自分を重ねる10代の若者、戦争体験をサリンジャーに打ち明ける退役軍人、作家志望の娘を亡くした母親――心揺さぶられる手紙を読むにつれ、飾り気のない定型文を送り返すことに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナが電話を受けた相手はあのサリンジャーで…。

公式ホームページより

作家志望の女子が出版エージェンシーで働くなんてことはニューヨークではそう簡単にできることじゃないが、ジョアンナはマーガレットに「作家志望は雇わない」と面接で言われ、作家志望であることを隠したりする。
でもやっぱり書くことが諦められないジョアンナの気持ちは痛いほどよくわかって「辛いね」と声をかけながら観た。
上司のマーガレットの厳しさも「わかる、わかる」と頷く。
文学界の「書く人」「読む人」「プロデュースする人」のそれぞれの気持ちがとてもよくわかる作品になっている。

シガニー・ウィーバーを久しぶりに観た。
歳を重ねられて、かっこいいおばさんになられた。若作りしないそのまんまの女性を演じいて実にかっこいい。
シガニー・ウィーバーのかっこよさを観るだけでもこの映画を観た価値があるなと思った。主役のジョアンナ役もキュートで感情豊かで好感が持てる。
彼女が着ている衣装が可愛いと女性たちの間で評判になっているようだ。
確かに1990年台のニューヨークの街角に居たちょっとお洒落な(高価な洋服を着ているという意味ではなく)女子をうまく描いていた。

すごい事件が起こるわけではないが、こういう女子がニューヨークにはたくさんいた時代のお話だ。
冒頭にあるジョアンナのセリフが…

『小説を書き、5カ国語を話し、世界を旅して…
    平凡はいや。
 特別になりたかった』

イカしたセリフだ。
私もそう思っていた。
ニューヨークという街はそういうことをいとも簡単に言わせてしまう魔力がある。

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