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アフリカ系アスリートに学ぶ、腸腰筋と身体機能
僕の記事を読むのが初めてだという方は、先に下の記事の「はじめに」を読んでくださいませ。
高い身体機能と相関がある、として語られることの多い腸腰筋。
有名なのはアフリカ系アスリートの爆発力の秘密であるといった説や、
能楽師であり、公認ロルファーでもある安田登先生
は
「能楽師が90歳になっても華麗に舞える理由はこの腸腰筋の中の大腰筋が秘密である」
と著書、身体能力を高める和の所作
の中で説明されています。
![](https://assets.st-note.com/img/1650109531249-n7zeQSCrWV.jpg)
ボディワーク系メソッドや動ける身体を作るには〜などでは必ずと言っていいほど登場してくる腸腰筋ですが、最近になってその重要性を再確認、
それに関するインプットを増やした結果
色々と点と点が繋がってきたので、
機能は?
鍛え方、使えるようになるには?
強化されると何が変わるのか
などの紹介、
YouTubeやInstagramの動画から
腸腰筋の鍛錬に効果があるものなど
ピックアップしていきたいと思います。
よろしくお願い致します。
1:腸腰筋にどのような作用があるか
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/76420082/picture_pc_0824965808662aea187c88fa926766f2.jpeg)
まず腸腰筋とはなにか、ですが
腸骨筋と大腰筋、小腰筋
の3つを合わせた筋肉の名称になります。
上半身と下半身を繋ぐインナーマッスルで、
人間の様々な動きのコントロールや出力に関与するとされ、スポーツや健康面など、
鍛える、使うメリットが多々あることで有名です。
次に、具体的にどのような作用があるのか
基本的には以下の3つになります。
1️⃣股関節屈曲=腿を上げる
格闘技やサッカーでのキック動作において、
腿を上げる動作です。
股関節屈曲はキック動作のパワー、スピード発揮の大部分を担っています。
また、陸上の短距離走とその要になる筋肉についての研究の歴史では、最重要とされる筋肉が
大腿四頭筋
↓
ハムストリングス
↓
腸腰筋
と移り変わっており、近年では当時日本最速のスプリンターと五輪金メダリストの腸腰筋の発達度合いがなんと3倍も違うという研究が発表されたりなどということもあり、↓
スプリンターの最重要筋肉としても注目されています(無論、大腿四頭筋の中でも大腿直筋は腸腰筋と同じく股関節の屈曲を担っていますし、ハムストリングスも非常に重要な役割を担っており、鍛えなくてもいいなどということでは決してありません。)
このように、脚を上げるフェーズがある競技においてはパワーやスピードを左右する非常に重要な筋肉です。
2️⃣相手に悟られない動きを生む
https://www.instagram.com/p/CbZeyjwNESk/?igshid=YmMyMTA2M2Y=
腸腰筋はいわゆるインナーマッスルで、
身体の奥深くに位置しています。なので手足から動くのに比べ相手に悟られづらいというメリットがあります。
武道などで、理想的な動きを現したものとして、
体幹主導、手足従属
という言葉がありますが、体幹の中でも深部にあり、かつサイズがあって発揮パワーも大きい腸腰筋によるものを表した言葉と言えるかもしれません。
武道だけでなく、サッカーなど一瞬の判断が勝負を分ける対人競技においてはこの辺りの使いこなしが非常に重要なファクターになってきます。
武術系のボディワークメソッドで腸腰筋を重視するところが多いのも、
腸腰筋をベースに使う浮き身と読みづらい動きの相関から来ているのではないかと思います。
古武術や武道の膝抜き、浮き身は立位から股関節屈曲を引き起こし瞬間的な無重力状態から動くものですが、
大腿直筋よりも腸腰筋優位で行う浮き身こそ
悟られにくいそれと言えるでしょう。
以前、浮き身を基本動作とする武道空手 の先生に浮き身に関連する動作を指導して頂いた際、「脚で上げている」点を矯正するよう指摘されました。
これが非常に難しく、
股関節の屈曲のみを、しかも腸腰筋優位で行うというのは日常生活の延長線上にない動作なので苦労しました。
しかしその分「見えない動き」に繋がります。
激しい回転力を持つコマが時に静止しているかのように見えるように、動作の軸が末端でなく中央にあるほど、静かで見えにくいものになるためと考えています。
一部の武術では「腸腰筋を動きに使う為のワーク」を単独で稽古するほどなので、
短距離走のように腸腰筋の爆発力やパワーを動作に加味できればよい、
というようなシンプルな「足し算」の発想ならいいのですが、
格闘技やサッカーなどの対人競技において、大腿直筋より腸腰筋優位の浮き身=股関節屈曲を使った見えない動作をマスターするのであれば、
腸腰筋を
鍛える、利用率を上げるの他に
腸腰筋を上手く使う
練習は必須になってくるかと思います。
欧米でも最近、浮き身、膝抜き動作をトレーニングに取り入れたものが多くなっているのですが、
欧米はやはりオリンピックのモットーのような、
『より速く、より高く、より強く』(: Faster, Higher, Stronger)
という、動作を強化する発想の方が優勢に感じられます。
浮き身(立位での腸腰筋を使った股関節屈曲と定義します)からの動作爆発力を大きく向上させるとして、欧米でも研究され、僕自身もよく行っているのが、↓
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