チキカングー
むすめが三歳ごろ出会った絵本
樋勝朋巳さんの『チキカングー』
今二歳のむすこもお気に入りで、図書館で見つけるとつい借りちゃう一冊である。
ある日の夜。
まっくらにしたのに子どもたちは寝そうになかったので「くらやみチキカングーでもしようかな」
と言ってみた。何も見えなくても子どもたちがわくわくしている気配を感じる。
お話がシンプルな上、何十回と読んでいるのでもう覚えていた。頭の中でページをめくりながら、
「チキカーン グー」と繰り返す。
あれこの次なんだっけ…と言うと、も〜と言いながら五歳むすめがフォローしてくれる。
おしまい、と言うと、満足げなふたりの呼吸音が聞こえてきてそのうち静かになった。
それから毎晩、くらやみチキカングーをしている。
寝転んでいられるしページもめくらなくていいし、目を閉じていられるし超楽なんだけど、それすらもかあかは限界です…という日もある。
でも、こどもたちがそっと
「くらやみチキカングーの時間だよ」
とささやくと、自然と口ずさんでしまう。
チキカーン チキカーン
チキカーン グー
チキカーン チキカーン
チキカーン グー
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