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空港検疫に見る絶望的な生産性とコスト   ~デジタル対応どころの話ではない~

先日、渡航先から2022/5/5 早朝に日本に帰国した際の、検疫に関する
超アナログ対応とそれによるリスク、非効率性にあまりに愕然とし、未来を危惧した件を、受け取った紙類とともに振り返りたいと思います。
尚、かなりのコストがかかっていることが容易に想像でき、あまりに
こみ上げるものが大きく、厚生労働省の指定フォームからフィードバックを送付しました。
※検疫自体が不要という趣旨ではありません。

飛行機に乗り込む前

すでにここから、紙の配布は始まる。
以下のような、Web上に展開されている入国に関する案内、
アプリダウンロードの案内、アプリ内でできる質問票が
印刷されて全員に配布される。(A4×2枚、B4折りたたみx1枚)
アプリで申請できない人や、必要な方だけに配布でよいのでは?

もう済んでいる人は必要ない
見開きの冊子

空港に降り立ってから

成田空港に到着。順番に機内から出ていくと、
空港と飛行機の間の通路で待たされる。
職員が数名いるが、なぜ扉を開けないのか理由の説明はない。
みんな頭に?マークを浮かべながら待っている。
5分くらい、密な状態で待たされた後、急に扉が開いて、空港内に
入っていった。

すると、何やら多くのスタッフがブースを構えて待っている。
登録済みのアプリを表示しろとのことで、ワクチン接種証明書や出国前の
テストの結果など、全てアプリ上で事前申請をしていれば、画面が緑色に
表示がされるようになっており、赤、黄、緑で色分けして対応するとのこと。

私は全て申請済みだったため、緑画面を表示し、案内通りに進むと、どうも全員テストするとのことで、紙に赤ペンで書きこんだ”チェックシート”を
渡される。それと、ケータイ上のアプリ、パスポートを何度も別の窓口で
提示が求められる。


以下のチェックシートがブースを経由するごとに、赤ペンで追記されていく。ここは学校か???ハンコまで、、、

またしてもこれを配布。ここにも赤ペンチェック。これ必要??
この資料の説明なし。


この時点で、スタッフは不特定多数の人の所持品に何度も触れており
スタッフを経由して蔓延するリスクを感じた。

また、ブースを移動するごとに何をチェックして目的が何なのか、説明はない。
本当にたくさんのスタッフ、デスク、PC類が設置されている。
コストかかっているなぁ。本当にこんなに人が必要?
紙に書く運用だから人がいるよね。。。


全員テスト

ついにテストブースにつく。パーティションが設置されており、容器を渡される。唾液でのテスト。日本語説明もごちゃごちゃしており、英語やその他言語はほんとーに小さく表示されている。これ、外国人の方はもう何するやら不安さえ感じるのでは?と思った矢先、パーティションの壁にすっぱいものの写真が張り付けてあることに気づく。

梅干し、とレモン。

梅干し、、、これ外国の方はわからないよね、、、
レモンがそのために追加されてあるのか??

このテスト会場にもわんさとスタッフがいる。
ブースの数より案内役の人数の方が多かった。
2人の人に同時に別のブースに進むよう案内される。もう意味不明。

結果通知

テスト検体を提出すると、広い搭乗口のようなところで並んで座るように
指示される。その両脇にこれまたたくさんのスタッフが構えている。
場所に番号が張っているが、まともに案内はない。
すでにその場所はかなり密状態。

しばらくすると、スピーカーから小さな声で、陰性の方の番号を言う、と言っているのが聞こえる。事前にパスポートにシールが張られており、その下4ケタの番号を読み上げるとのこと。

聞こえない。日本人にも聞こえない。日本語の後、英語になっていない英語でもアナウンスしており、斜め前の白人男性は困惑の表情。
あんなの全く聞き取れない。

結局回りのスタッフに確認する羽目になる。
だから人をたくさん配置しているのか!!


この時点で我慢も限界に達し、聞こえない旨を近くのスタッフに言うと、
スピーカーの調子が悪いようで、とのこと。
いや、それ以前に滑舌も悪いし、聞こえないならどうすればいい?
で、なぜ口頭?

アプリインストールを推奨するならアプリで通知したら早くない?
人も作業量も最小限に抑えられ、かつ分かりやすくない?

クレームは上の階で結果を受け取るときに言ってくれと言われ、
とにかく聞こえない、英語も英語になっていないと伝えてきた。
そんなこと初めて言われました、ぐらいの表情。
これじゃ、入国に時間かかるわ。

陰性だと、以下の紙が渡され、ここでもハンコを押してもらえる。

おじさんが一生懸命ハンコ押してたなぁ。

この紙を持って、次の場所のスタッフに見せろと。
で、終わり。紙を持っている時間、数分。
そのあとこれはゴミとなる。
1日に何枚印刷して、ハンコ押す人を配置しているんだろう。
エコでもない、コストだけがかかる。

はあ、見づらい。英語版もひどいんだろうなぁ、きっと。

つまり、、


大量の紙と人での運用
・密環境
・アナログ運用のためスタッフを経由した感染リスクあり
・日本人以外の方への考慮は無いに等しい
・アプリを最大限活用するというデジタル発想はない


言語対応のためか、日本語がわかる外国人のスタッフが多くいた。
つまりこれも人での対応。
私が外国人なら、二度と来ない。こんな対応する国。

これが、24/365で、日本中の国際線発着空港で行われている。
ものすごい設備投資と、人件費。
税金で。

東南アジアの先進国から帰国したけど、紙なんて1枚も貰わなかったし、
提出も求められなかった。
事前申請を済ませてあったのもあるけれども、入国も出国もスムーズ。
マスク着用の制限はあるものの、それ以外は通常通り。

ただでさえ財政が苦しい中、テストが必要なのであれば、
いかに人を減らし、コストを最小限に抑え、わかりやすい運用に
できないか、頭を絞るのが国の仕事なのではないでしょうか。

完全に、後進国への道をまっすぐに進んでいる感覚を強く受けました。

そして、不快に思いながらも、その場が済んだら何も言わずに去っていく
乗客。よって何も疑問に思わない運営側、という構造も垣間見え、
厚生労働省のHPの意見窓口に書き込みました。



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