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風のファイト 作成日記

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2021年1月の記事一覧

集中線をゆがめたい。風のファイト作成日記

集中線をゆがめたい。風のファイト作成日記

集中線というのは、漫画でよくあるキャラの中心に向かって無数の線画走る効果で、動きを出したり、さっそうと登場したりする場面で使われます。

風がパンチを出す瞬間を、集中線にしたいのだけれど、それを中心線が曲線をうならせるように曲げたいと思ったんです。

使っているソフトのmedibangでは集中線が引ける定規はあるのですが、まがった集中線を描く定規がなく、そこで考えたのが、集中線を引いて、それを変形

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目隠しボクシング

目隠しボクシング

風がこれから冒険する競技がブラインドボクシングと呼ばれるものは、視覚障害者のスボーツでバラリンピックの競技ではありません。

目隠しをして行うのですが。ブラインドサッカー同様、少し見える、全く見えないのアンフェアをなくすために、アイマスクで視界を塞ぎます。
相手は、敵というより、視覚障害者ランナーの伴走者という感じて、相手の首についている鈴の音を頼りに、相手がどこにいるが判断して相手に打ち込みます

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キャラの演出 風のファイト作成日記

キャラの演出 風のファイト作成日記

今回の作業ライブ配信は風のファイトの4ページ目、表紙にあたるところを作成しています。

表紙なのですが、3ページ目の終わりで風が失明してしまう病気を持っているということを光太郎にカミングアウトして、それで、ブルースリーみたいに強くなって、みんなのヒーローになりたかったのにと告白するのですが、それを受けた光太郎が「ブラインドボクシング」でチャンピオンになればヒーローになれるよというセリフを吐きます

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難しいものは面白い。

難しいものは面白い。

風のファイト作成日記

風のファイトは、視力障がい×ボクシングでかなり難しいのですが

難しいものは面白いんです。

知らないこと気づくことがいっぱいあって、

漫画の仕事は出版社からこれを描いて下さいと言われることが多く、自由に好きなものを描きたいという方には、とても窮屈な感じがするのですが、この制限の中で自分をどれだけ出せるのかのチャレンジがとても面白いし、また自分の知らない世界のことだと、取

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キャラのウェアのしわまで利用

キャラのウェアのしわまで利用

風のファイト作成日記

キャラを描くときに、コスチュームの下の体から描きます。そしてその上にレイヤーを重ねて、何かを着せるということをしているのですが、中身の体のラインがわかるとその上のコスチュームなどのしわがどの方向に走るかがわかるんですね。

しわの入り方が間違ったりすると、キャラがこっせつしたように見えたり、動きもかっこよくなかったりして、結構僕的にはしわを大切にしています。

しわって材質

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キャラの名前登場

キャラの名前登場

メインキャラの名前を出すタイミングを考えたりします。インパクトのある名前の出し方のほうが、印象を残しやすいからです。スーパーヒーローだったったら、〇〇登場!とか、ミステリーだったら、「ふふふ、じつは私は〇〇だったのよ」みたいな感じです

風は動きを見て憧れてしまった、サクラさんに名前を問われ「音坂 風です」緊張しながらも、勢いをもった演技をさせて言わせています。

ここは主人公が冒険の入り口に立つ

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視線を合わさない 風のファイト作成日記

視線を合わさない 風のファイト作成日記

風のファイトでは、風やサクラさんは視力障がいを抱えています。

作画をしていて、うっかり二人がよく目が見えないということを話捨てれしまうことがあります。

視線を普通に合わせてしまうんです。

漫画を描くときに、キャラの演出として、誰と話しているか誰とアクションしているかなど、キャラの視線がを合わせることによって、そのシーンを成り立たせることが多いのですが、今回は、視線を互いに外すことで目が見えな

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肩に演技をさせる

肩に演技をさせる

作者がキャラを愛すると、キャラが立つのではないかと思うんです。するとキャラがいまどんな感情でいたいのか、どうしたいのかがキャラ自信がこちらに語り掛けてくるんです。最初ネーム(漫画のラフ)で描いたときはキャラの配置を考えてたりするだけだったのですが、ネームからキャラを描きこんでくると愛着が生まれます。〇〇君や〇〇ちゃん、〇〇さんなどキャラに敬称をつけたり、親友に呼びかけるようになったりするんです。そ

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誰も振り向きもしないことに人生をかけるのが挑戦だと思う。風のファイト作成日記

誰も振り向きもしないことに人生をかけるのが挑戦だと思う。風のファイト作成日記

漫画家をやっていますが、売れっ子になったことがありません。プライベートでマンガを作っていて、作業ライブ配信サイト00:00studuiさんで毎日作業ライブをして先月の合計時間が70時間くらいでしたが、それでも、漫画の売り上げは400円くらいかな。時給にすると5.7円ですね。自分で書いていても悲しくなります

今は名作になったあの映画やアニメも、最初はどこも取り合ってくれなかったり、映画にかけても大

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時間がない朝のタイムプレッシャーがすごい 風のファイト作成日記

久保大輔さんの記事にとても共感してしまいました。時間がない時こそアイデアが湧くというのはよくわかります。

僕が漫画「風のファイト」は朝に描いています。

なぜ朝なのか

朝は時間がないからです。

社会人のほとんどは仕事を持っていて、平日の朝というのは、仕事に行かなくてはいけないので、朝はとにかく時間がない。そこで朝を創作の時間にすると、何時までにこれを仕上げなくてはということでタイムプレッシャ

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キャラの手が開いているか握っているか

キャラの手が開いているか握っているか

前にキャラの走って逃げるシーンのアニメーション練習をしていて思ったのですが、確信犯的に逃げている時は、手のひらを握っていて、本人も予想外の展開の時、例えば逃げてて勢いついてこけそうになった時などは手のひらを広げたほうが雰囲気が出るかなと思ったのんです。

格闘シーンなどのファイティングポーズでは握ると開くの間あたりを描くと、これから攻撃するぞ、でも相手を軽くかわせるぞ見たいな表現ができて、かっこい

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プロセスエコノミーはアイディアを盗まれる?風のファイト作成日記

プロセスエコノミーはアイディアを盗まれる?風のファイト作成日記

漫画「風のファイト」は00:00studioによるライブ配信をしています。

ライブ配信とは、色々な作家の作業風景をリアルタイムで見れるサイトで、僕はパソコンの漫画作成画面をライブしています。

これはキングコングの西野亮廣さんが提唱しているプロセスエコノミーというものを実践しています。

プロセスエコノミーは作品ができる過程を有料公開にしてファンによる資金を増やし、作品が公開されてあまり売れず赤

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誰も見たことのないエンターテイメントはだれもみたくないエンターテイメント?

だれも見たことのないエンターテイメントは、誰も見たいと思わないエンターテイメントなのではないかというのが僕の中でのジレンマになっています。前にホームレスの漫画家というキャラクターを作ったのですが、彼は段ボールに漫画を描くんです。300ページも描いたら、厚さが半端なくて誰も読みたがらない。でも誰も見たことのないマンガです。ストーリーが始まらない映画、騒音にしか聞こえない音楽、どれもみんながそっぽ向き

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風のファイト作成日記 ブラインドサッカーにヒントを得る

僕が漫画「風のファイト」のお話を作るのに、ブラインドサッカーの選手のインタビューなどとてもヒントになりました。目が見えないということはどういうことか視覚障がいのアスリートがどうやってゲームをしているのかなど、調べてとても面白かったです。

風は少女ですが、ブラインドサッカーで、女子のチームを作りたいという記事を見つけて、遊びに行ってみました。

ブラインドサッカーの女子はパラリンピックの種目になか

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