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𝘚𝘩𝘢𝘮𝘱𝘰𝘰
2024年6月19日 23:57
私は、太宰治の作品を読むのが好きだ。痒い所に手が届くように、心のパズルにピースがすっとはまるように、冒頭の一文がありがたくて思わず天を仰ぎ、胸の内は拍手喝采、声に出して読めば心は夜の海のように静かになって、あるいはうっとりとした気持ちにさせてくれる。そういう、不思議な魅力がある。私にとっては、物語の内容というよりも、言葉の並びがそうさせているのだと思う。もはや、物語を読んでいる感覚ではない。