一雄

使いみちのないカードを
背中に泳がせていた
一雄は今、何を考えているだろう
もつれ合ったあの夏のシボレー

フレンドのベル、チョップスティック
名前は変わったけれど
君にまた会えるかもしれないなんて
弱い男の悲しいエゴさ

風の中で汚れたパラシュートを畳んでいる
象牙の塔からクックのハットを探している

ルーレット係のロイドは
ブルースをまき散らす
誰かが迎えに来るまで
県道沿いに立つだろう

日の光が差し込み
いつかまた影を落とすなら
夜におびえるトルソーの
膝に毛布をかけたい

テントの外はいつでも
喋り詰めたあとのセンチメンタル
求めていた自由を手にしたら
穴を掘ることばかり

叩きながら叩くためのルールを守っている
守りながら自分のヘルメットを叩いている

回転扉の向こうに
何かが待っているらしい
アルの歌が聞こえる
低い気持ちのいい声さ

使いみちのないカードを
背中に泳がせていた
一雄は今、何を考えているだろう
もつれ合ったあの夏のシボレー

風の中で汚れたパラシュートを畳んでいる
象牙の塔からクックのハットを探している

叩きながら叩くためのルールを守っている
守りながら自分のヘルメットを叩いている

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