世界はささやく。

気がつけば、歩いていない。
そんな日が続いていたら、動くべきところが動かなくなった。

おなか。

正確には、動いていないことに気づいていなかった。
口から入れたものを、お腹で消化吸収して、お尻から出す。
この一連の動きの途中が機能していないということは
材料は投入したのに、製造ラインが機能していないため
製品は出来上がりません、みたいなこと。

製品は、この場合はエネルギーだとしよう。
生命活動に必要なエネルギー。副産物が、あれ、である。

どうも頭が回らないな・・・と思っていたが
規則的に副産物の出せる人ではないため(自由な工場?)
全然そこに意識がいっていなかった。

頭をもっとフル稼働させるべく
自分自身のエナジーバランスを整えようと
セッションをお願いしたら
そこではじめて「溜まってますよ」と言われた。

え? 全くもって自覚がなく
いや〜、出てたはずなんだけどな・・・
と思い出すが、昨日だったか、一昨日だったか
全くもってそこに無関心だということが浮き彫りになる。

これは、全くもってよろしくない。
工場の製造ラインがおかしくなっていることに
気づいていない社長さんみたいなこと。。。

エネルギーのバランスが整うと
自然、体も本来の動きをし始める。

感覚も正常に戻ってきたら
「溜まってますよ」と言われたことが
じわじわと体感となってきた。
腹部の重み。
それが他の臓器や骨盤などへの負荷になっている感じがわかる。

お腹のマッサージなどするも
感知できなかったことの代償というか
彼女をほっておいた彼氏のような・・・変な喩えだけど。
何をプレゼントしたら、この子は機嫌を直してくれるだろうか。
プッとか、可愛く笑ってもくれないのだ、この子。

友人たちに聞いてみるが
なぜだか彼女たちは、溜めない人たちで
「そういうことないからな〜」・・・。

マッサージでも笑ってくれないなら
外に連れ出そう。それしかない。

ということで、久しぶりにウオーキングに出た。
よそ見をしない、今日はキミだけを見ているからねと
スマホ持たず。

川沿いをずっと歩く。
わ〜キレイ! わ〜かわいい!は無し。キミだけのために歩く。

はずだったが・・・世界が私にささやく「こっち見てごらんよ」。

川はいつもより水量多く、このゆったりした感じがまたいい。
雨だったせいか、上流からいろんなものが流れてくる。
どんな旅をしてここまできたか。
はてさて海まで行くのだろうか。行けるのだろうか。

草木の流れるのを見ながら
人生の時間もこういう感じなのかなと思ったり。
源流から海へ
今どの辺かなんてこの草木は知らないだろうけど
この時間の流れの中で、海へと向かっている。

不意に「歩くのはいいな!」と思った。

前を向いて、進む。
風を、匂いを、日差しを
眼に映るもの、耳に届く音、足裏の感触
感じながら、前に前に足を運んでいく。

何か、スッキリしてくる。
彼女の顔色をうかがいながら
最初は必死の形相で歩いていたと思う。
でも、歩くうちに、自分の世界が
「彼女だけ」から解放されて
いろんなものが「ささやき」をくれて
だんだんと、だんだんと
彼女のことをもっとリラックスして
感じられるようになってきた。

心地よさの復権。
ふふふ、ふふふ、ふふふ〜♪

そんなこんなでウォーキングを終えて
自宅に戻ると、彼女はすっかり機嫌を直した。
身体が巡り出したのが体感としてわかった。
「あー、よかった!」
これからはキミを感じるようにするからね。

そうそう。
度々登場する、あのネイキッドは
今日も朝からゴロンと横になって
未来少年コナンのような細く
でも元気な足をこんがりと焼いていた。

そして、「彼」はやっぱりいなかったが
風の便りで、京都にいるらしいことがわかった。
(彼に似ているだけかもしれないけどね!)

画像1

「彼」の目撃情報 from Kyoto


画像2

【text by REIKO from Japan】

佐藤礼子 山間地の昔ながらの暮らしが残る環境で高校までを過ごす。高校時代の愛読書は『留学ジャーナル』と『Hi-Fashion』。短大で村田しのぶと出会い、物心両面で彼女と彼女の家族に支えられる。「ここなら合うと思う」と村田が持ってきた会社案内で就職先を決める。そこで宮本ちか子と出会う。彼女はネパールへ。私も結婚・出産を経てフリーランスライターに。タマラと出会い、ライター業と兼務で創始者秘書に。タマラが縁でハワイ島で成田水奈と出会う。その後、宮本ちか子もタマラに参加。そして、約20年ぶりに村田しのぶと再会し、2018年「Beautiful planet」を立ち上げる。


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