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不良になるんじゃない?磯野家の間取り

日曜お茶の間の定番、サザエさん。磯野家の間取りをご存知ですか?

磯野家の間取り

諸説ありますけど、概ねこんな感じです。今回は子供部屋に注目してみましょう!わかります?四畳半で二人です。地獄のような間取りです。昔の日本には個室の概念がなく、基本的に居間のような大空間を活用したフレキシブルな間取りでした。
ちゃぶ台を置けばダイニング、布団を引けば寝室、座布団を用意すれば客間のような活用方法で上手に活用していました。そもそも戸建ての文化がなく、住性能が著しく低かったのです。

思春期になったら家抜け出さないか?

よく、子供部屋が狭いと、リビングに集まりコミュニケーションがとりやすくなるなんて言われますが、実際にはどうでしょう?もし自分が子供だったらどうしていましたか?私なら部屋で漫画読んでいる気がします。
しかも、玄関の隣、親の寝室とは異なる環境では、夜中の出入りが自由です。狭くてストレスが溜まる環境であれば、なおさら非行に走る可能性が大きくないでしょうか?
実際にはマンションを思い出していただけると、部屋の広さはともかくほぼこんな間取りです。もしカツオがグレるのであれば、世界のマンション世帯の子供は全員グレているはずです。

間取りに多大な期待を寄せ無いことが重要

では、どうすればコミュニケーションが取れるおでしょうか?
お客様の希望で「リビング内階段」というものがあります。一時は子供の出入りが確認できるので、子供とコミュニケーションがとりやすくと言われていましたが、最近は間取りの希望も少し下火になっています。原因として
1)間取りが取りにくい。せっかくの開放感がなくなる
2)寒い、暑い。吹き抜け空間がリビングにありエネルギー効率が悪い
3)子供の友達をリビング経由させるのが嫌。
そんな理由が想像できます。リビング内階段ブームが一巡して、間取りさえなんとかすれば子供がフルオートで非行に走らないという願望が迷信だったと理解が進んだためと推測されます。
コミュニケーションは重要です。でも間取りさえ良ければ勝手にコミュニケーションが取れるわけではありません。間取りに責任転嫁したり過大な期待を寄せるわけではなく、きちんと家族で挨拶できる、話せる習慣が大切です。

プランニングは想像力が重要です

お客様にプランを出した時に多いのが「せめて20畳はリビングが欲しい」などの謎のこだわりです。半分ならともかく、0.5畳でも足りないと騒ぐお客様がいるのが事実です。その0.5畳大きくした場合のメリット、デメリットが想像できているでしょうか?実際に空間で感じる広さと、紙面上で見る広さは全く違います。当然ですが前者の方がだいぶ広く見えます。きちんと想像力を広げ、そこでの生活をイメージすることが必要です。


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