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第一章 奈々(絵美)と明彦、閑話 海馬と記憶

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閑話休題です。少々、記憶の仕組みについて說明をしておきたいと思います。

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第二ユニバース
第一章 奈々(絵美)と明彦
閑話 海馬と記憶

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 脳は記憶でできていて、記憶はつねに脳をつくり替えている、などというとイメージしづらいでしょう。
 
 よく比喩で述べられていて、私のこのお話でも書いているのは、脳はパソコンみたいなもの、演算素子のCPU/DPU/GPUやRAM、ROMであるHDDやSSDが装備されていて、その脳にオペレーションソフトのウィンドウズみたいなプログラムが人格のようなもので、人の感覚器官を通じて得られた感覚記憶(五感と考えても良い)があり、それが海馬という器官で振り分けられて、大脳皮質に記憶として保存される、とこういう說明をしてきました。みなさんの持っているイメージもそういうものでしょう。
 
 しかし、最新の研究によると、記憶とは「脳に蓄積される」ものではなく、脳が「記憶そのもの」であり、脳細胞やシナプスなどが「時間を理解」しているのだそうです。
 
 あなたの記憶を思い浮かべてください。高校のスポーツの試合での勝利、自分の子どもの顔を初めて見た瞬間、恋に落ちたと気づいたあの日。

 その記憶は、ひとつの事象ではないでしょう。何らかの関連する記憶事実と共に覚えているはずです。サッカーの試合で優勝した時、あなたを応援した彼女の青いジャージだったり、子供の顔を初めて見た時の新生児室の照明の明るさ、眩しさだったり消毒薬の匂いだった。記憶を再構成する際、人は五感で得られた外部刺激の記憶事実を思い出し、それらに対して抱いたあらゆる感情を追体験します。
 
 あなたの脳は、こうした外部刺激のミリ秒単位の印象をかき集めて、つなぎ合わせモザイクをつくりだします。その能力が、あらゆる記憶の基礎です。
 
 その外部刺激(五感)の記憶事実は、大脳皮質のニューロンの分子に変化を生じさせて、ニューロン同士の接続を再編します。つまり、脳は文字通り記憶でできていて、記憶はつねに脳をつくり替えているのです。
 
 そして、記憶が存在できるのは、脳内の分子、細胞、シナプスが「時間を理解している」からなのです。「時間を理解している」とは、記憶事実と記憶事実の前後関係を(どちらが先に起こったのか?という)理解しているということです。
 
 記憶とは、過去のある時点で活発だった脳の複数の部位のつながり(システム、と呼びましょう)が、再び活性化することでしかないのです。つまり、固定されたCPU/DPU/GPUやRAM、ROMであるHDDやSSDではなく、例えて言えば、レゴブロックのようなもので、感覚刺激データが脳内に入ってくると、レゴブロックである脳内の分子、細胞、シナプスが組み合わさって、脳の複数の部位のつながり(システム)を新たに作り上げます。記憶を思い出すとは、そのシステムを再び活性化する(電子のやり取りが再び起こる)ということなのです。
 
 ニューロンのユニークなところは、何千というほかのニューロンと、それぞれが非常に特異的なつながりを築くことができることです。こうしたつながりをネットワークにするのは、これらの特異的なつながり、すなわちシナプス(ニューロン同士の接合部)が、信号の強弱によって調整されるためです。あらゆる感覚記憶には、ニューロンのつながりの相対強度を変化させる力があるのです。
 
 記憶とは、ハードディスクのあるアドレスに格納されているデジタルデータではありません。記憶とは、シナプスの構成された構造システムそのものなのです。
 
 そして、どんな記憶も単独で存在しているわけではありません。大脳皮質は経験を、同時に経験する複数の時間スケールに分解します。ある音が、異なる周波数のそれぞれに分解されるように、ある経験においても複数のタイムスタンプが同時に記録されているのです。そのタイムスタンプごとの前後関係も含めて、記憶は、複数のシステムが絡み合って存在しています。

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(と、第一の絵美の記憶の仕組み、という記憶域がこう説明しているの)と奈々の脳の中の絵美の記憶部位が奈々の記憶部位に説明した。

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(つまり、絵美の記憶が私の脳に入ってきて、シナプスのつながり構成を持つ新たなシステムが私の脳にできた、ということなの?)
(そうそう、それで、私たちがお互いを共感したりするたびに、あなたのシステムが私のシステムと結合して、新しいシステムを産んでいる、ということなの)
(私の脳って、それほどの容量があるの?)と奈々。

(未来の実験では、人間の記憶をつかさどるシナプスの大きさを正確に測定した結果、これまで考えられていた容量の10倍大きいことがわかったそうなの。平均的なシナプスが4.7ビットの情報量を保持できることがわかって、脳全体の記憶容量は1ペタバイトに達するということ。1ペタバイトは千テラバイト。百万ギガバイトなのよ。でも、人間はその脳の10%以下しか使っていないと言われているのはウソ。パソコンのハードディスクの例えみたいなもので、シナプス構成のシステムは常に更新されている。だから、満遍なく使っているけど、休止しているシステムもあるということ。そこに私の外部記憶が入ってきたので、シナプスはそれを取り込んで再構成したという感じかな。偏頭痛も後頭部の発熱もシナプスの再構成でエネルギーを使ったら発生したのよ。それで、脳内の休止してない、休止してる、というシステムの濃淡があるのね。私たちは28才だから、数テラバイト程度の記憶の容量だから、1ペタバイトに比べれば、まだまだ、余裕があるのよ)

(私の脳内のレゴブロックみたいなものは、いつも組み換えしているってことね?)
(うん、例えば、あなたの脳内の『利害関係があって、見てくれがよければ、好きでもないのに股をおっぴろげてセックスしてしまう』というレゴブロックシステムが組み替えられて『一人を深く愛しましょう』というシステムになってきたのよ。私のレゴブロックの組合せを学習したのよ)
(絵美!ひっどい言い方ね!)
(事実でしょ?)
(・・・ええ、事実でしたね・・・好きでもない相手とするのはあまり楽しくなかったわ、事実として。それをオ◯ンコの刺激で誤魔化していたのね)
(やれやれ、あなたも相当下品よね?)
(言葉に出さないけど、丸見えだから、私がどう下品に捉えているか、あなたにはわかるのね?)
(私だって、あなたから見ると丸見えでしょう?私が自慰していたのもシステムの再活性化をすれば見えたでしょ?もう、こうなると、私たちの間で恥ずかしい、という概念はないわね)
(あなたの人格システムはそうでしょうけど、私はまだ恥ずかしいわ。あ!あなた!アキヒコに私のオ◯ンコを広げて見せたら、どういう感想を持つのかなあ、って今思ったわよね?)
(うん、面白いじゃない?彼が部屋に帰ってきたら、試してみましょうよ)
(絵美、絵美、勘弁してちょうだい!)
(ダメよ!彼があなたの体をグサッとやって、私とあなたが交代する前にやっちゃうからね)
(うぇ~ん、虐めちゃいや)
(あら?虐められて喜んでるじゃない?)



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