縄文海進と古神道、神社、天皇制(17) 神社のお仕事
今回は、神社が普段何をしているのか?を書いてみます。雑用が多いんですよ。お榊とか御幣とか、細々したものを作らなきゃいけない。大きな神社なら外注に出せばいいんでしょうが、中小の神社は、家族でやらないといけない。四季折々に神社の行事で、おみくじとかお守りとか、注文するものもある。それを数ヶ月前に需要予測して注文しないと余ってしまいます。巫女さんのバイト(助勤)さんだって、短期で雇わないといけません。基本、既婚者の女性はダメ、という暗黙のしきたりもありますが、近所の奥さんにお願いしないといけない場合もあります。大変ですねえ。
神社の跡継ぎ
「お姉さま、この家の跡継ぎどうするんでしょうね?」
「そりゃあ、パパが私たちは継承問題考えなくていい、入婿とかもしない、したくないと言っているのだから。親戚から養子を貰うのかもしれないわね。私は申し訳ないけれど、まず、神職にはならないわ。直子も知っているように、神職になるには、國學院大學とか皇學館大学の神職資格課程がある大学を卒業するか、神職養成所や神職養成通信教育の課程を修了する必要があるでしょう?それで、神社本庁から認定してもらって、まず、権禰宜(ごんねぎ)になるじゃない。神社本庁への推薦状はすぐ集まるから宮司になるのは難しくないけど、そもそも女性神職は、神職ニ万ニ千人の内、約三千人ぐらいよ」
「私は、國學院大學とか皇學館大学など行く気はしません」
「私もよ。悪いけど、学生がダサそうじゃない?それに、直子も私も爪は伸ばせない、マニキュアもペディキュアもできない。クリアでもダメだし。お化粧も派手なのは基本ダメでしょ?髪の毛の色もナチュラルじゃないとダメだしねえ。制約が多すぎるわよね」
(第五話 巫女)
「現代の神職の後継者をめぐる問題は、神職の任用や養成、研修の側面も含めて、急速な少子高齢化が進む中で大問題ではあるんだけどねえ。後継者がいるという神社は、全体の七割、いないが三割なんだって。ウチみたいな都会の神社はいいけど、過疎の村の神社なんか、宮司の仕事だけじゃあ食べられないので、兼職率が六割以上だそうよ。
後継者がいない神社の場合、その理由が、継ぐ子供がいないが三割、子供がいる場合で、その子が資格未取得が三割、子供に継ぐ意志がないが二割、宮司があえて子供に継がせようとは思っていないが二割。継がせようとは思っていないの理由が、神職では経済的に生活が成り立たないからというのが半分以上、なんだって」
神職の世襲と女性の場合
「私かお姉さまが神職の資格を取ったとしても、じゃあ、私たちの結婚はどうするの?入婿を迎えるの?氏子の家々が女性の宮司に賛同してくれるの?と、問題は多いですものね」
「困っちゃうわ。もう、神職を代々、その家が世襲するという時代じゃないのかもしれない。第一、ウチも含めて、神社は宗教法人でしょう?宗教法人の資産はあるけれど、これは公共のものみたいなもので、ウチの資産そのものはあまりないのよね。宗教法人の権利ぐらいのものだから。かといって、相撲部屋と同じ、誰でも彼でも資産譲渡できるわけでもないから。東京の中でも足立区は法人の氏子さんが多い方だけど、法人の氏子さんも中小企業だから廃業する企業さんも増えてきたわよね」
神社の経営
「パパに怒られる言葉遣いですが、神社の経営もあまくないですものね」
「宮司の中には、年金で補填して、宮司を続けている人もいるそうよ」
「世間様は、七五三や神前結婚、年末年始のご参詣以外、神社のことは知らない、経営問題なんてわからないでしょう。宗教法人だから税金を収めないでいいわね、なんて言う友達もいます。こちらが営業できるわけもなし、受け身のビジネスなんてわからないでしょうから。ああ、面白いYoutubeがあります。お姉さま、見ますか?」
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巫女装束はコスプレ?
「直子、巫女助勤の方がも大変よね。それはわかるわ。巫女装束はコスプレ好きの女子にはたまらないでしょうけど、寒いしねえ。私やあなたは、十数年身近にしているので、いまさら、寒いとも思わないけど、初めての助勤さんは大変よね」
巫女服の着付けの仕方『冬ver』アルバイト巫女向け
巫女助勤さんの時給と神社の懐勘定
「お姉さま、助勤さんの時給、なぜ七百円、八百円なの?安すぎません?日給一万円で拘束十数時間ですよ」
「他の零細神社さんだってあるでしょ?暗黙の了解で、ボトムに合わせてあるのよ。談合よね。それに、短期集中のアルバイトでしょう?ゴメン、助勤ね。数日だもの。それにしては、巫女装束だって、毎年使い回しにできない。新調しないといけない。長時間拘束だから、休み時間もリラックスしてもらうので、副食も用意しないといけない。だから企業のアルバイトに比べて表面にあらわれない副次的なコスト比率がたかいのよ」
「助勤さんはいいですよ。私たち、家族経営の常勤みたいな存在だから、こうして御幣の紙切りもしないといけない。助勤さんに教えてお手伝いをお願いするよりも自分でやった方が速いですものね」
御幣の作り方
御札やお守りの注文
「御札やお守りなんかもかなり前から注文しないといけないし、デザインも毎年違う。ウチは九月からだけど、大手の神社は夏前から年末年始の用意をし始めるものね。それに、お願いする工芸社さんもだんだん廃業が増えてきたから、早めに手配しないといけないし、その年の需要予測も大変だものね。余らしても売り切りセールスできないもんねえ」
髙橋工芸のお札屋さん
お守りをオリジナルで製作するなら御守工房
お守り製造の会社一覧(全国)
お榊の準備
「私たちが、長刃の刈り込みばさみでお榊を切って準備しているなんて知らないでしょうね?」
玉串の榊を採りに行こう!玉串用の榊の選び方
神社の神事に榊!神棚のお供えする榊の見分け方
「お庭仕事は大事よ。お庭掃除は任せてもいいけれど、お榊なんて、どう刈ったらいいかなんてわからないものねえ」
「ウチも八丈島とか注文してくれないかしら?」
「それは、パパがどうしてもイヤだって言うから・・・」
国産榊、生産者の会十周年 | 八丈島
銀行さんにお願いする
「お姉さま、世間様は、お賽銭だって、銀行さんをお呼びして、数えているなんて知らないでしょうね?」
伏見稲荷大社で賽銭開き
「あんなものすごい数の硬貨、機械で専門家の銀行さんに数えてもらわないと、家の人間じゃできないものね。金融機関は大事な氏子さんだし」
バレてる!
「そう言えば、この前、お姉さま、神降ろしされましたね?彼氏さんとお友達に見せていましたね?」
※縄文海進と古神道、神社、天皇制(15) 神道と神職、巫女
「あら?見てたの?」
「神楽鈴の音が聞こえたから」
「そうか。直子が部活でいないと思ってた」
「ええ、部活なくなりましたから」
「久しぶりに神降ろししたから、疲れちゃったわ」
「お姉さま、私、木花開耶姫(このはなさくやひめ)様が降りられて、その口寄せを聞いてしまいました」
「あら?」
「内容を聞きたいですか?」
「いいえ、口寄せの内容なんか聞きたくないわ」
「でも、お姉さまには大事なことよ」
「いいえ、結構」
「いえ、話します。あの二人、できてるみたいです。体の関係があるそうですよ。姫様が言われていましたわ」
※第三章数学と幽霊、第六話 童貞
「・・・直子、それは、姫様に言われなくても、私もアキラと紗栄子の気で感じていたわ。でも、知らないふりをしていた方がいいこともあるのよ。それに、二人がそうなったのは、私とアキラがつき合う前からだと思うから。まだ、二人は続いているけれど・・・」
「あら、気でわかったのですね?私もそういう気をなんとなく二人から感じましたもの」
「いいの、あの二人は私をいたわってくれるんだから」
「ふ~ん、嫉妬しないのですか?」
「二人共、悩んでいるのは感じるから。まったく嫉妬がないわけじゃないけど・・・」
「そう。わかりました。余計なことを言ったようです」
「黙っていてね」
それもバレてる!
「ハイ、黙っています。でも、もうひとつ。お姉さま、彼氏さんに処女、差し上げましたね?」
※第三章数学と幽霊、第十一話 処女以後
「あちゃあ、バレてたの?」
「そのくらいのお姉さまの気の変化、わかりますとも」
「どう気が変化したのか、教えて。自分ではわからないもの」
「そうですね、下腹の子宮のあたり、丹田のあたりの放つ光が以前よりもクッキリして見えます」
「あれ?そうなの?直子、立ってみて・・・あ、ホントだ。ママと違って、丹田の放つ光がボンヤリしている」
「注意してみればわかります。お姉さまはそういうところは抜けてますね」
処女じゃなくなる意味
「直子がしっかりし過ぎなのよ!でも、これって何なのだろう?処女じゃなくなるというのが、丹田のあたり、子宮の部分が放つ光がクッキリするって?私、処女膜自体に意味はないと思っていたのよ。単にヒダが破れるだけだもの。それよりも、オ◯ンチンが入ってきて・・・子宮がアクティベーションされたってこと?」
「その説明には一理ありますね、お姉さま」
「だけどよ?オモチャ使ってもオ◯ンチンが入ったと同じようになるわよね?」
「・・・お姉さま、もしかして、避妊なさらず、生でやられました?精液が子宮に入ったとか?」
「え?そういうこと?」
「お姉さま、『え?そういうこと?』って、生でやられたんですね?はしたない!妊娠されたらどうなさるおつもりですか?」
「いや、その、安全日を狙ったの」
「もう、はしたないお姉さまです。でも、そうですね、処女を失くすの本当の意味は、精液があそこに入って、子宮がアクチベーションされたってことかもしれません」
「おお!姉妹でなんて話をしているの!しっかし、ヤバい、ヤバい。こうお互い気が読めるのって、隠し事できないわね?」
「お祖母様の訓練の賜物でしょう」
「直子、それも黙っているのよ」
「わかりました。沈黙は金です」
「第一、私たちの巫女の技能は、知られたらいけませんから」
「私だって、ボーイフレンドに知られたくないですもの」
「困った技能だこと」
娘に『困った技能』を伝承させる
「お互い様ですわ、お姉さま。それにしても、私たちの代から後、どうなってしまうのでしょうか?」
「私と直子が子供を作って、娘だったら、伝えればいいんじゃない?」
「自分の娘にですよ?この『困った技能』を伝承させるんですか?」
「それは直子の自由。しかし、たぶん古代から伝わったんだから、私たちの代で廃れさせるのもなんだな?なんて思うわ」
「私は考えます」
「直子の自由になさい。他の神社でも私たちのような娘がいるはずだけど、まさか、神社本庁がそんな調査をするはずもないし。家ごとで秘密に伝えているんでしょうね」
死靈の処理方法
「それはそうと、今度もあの危険なことをするんですか?」
「どうしようもなくなったらね。どうも、これは霊道からはぐれた死靈のような気がするのよ。霊道に戻してあげるか、成仏させるか」
「あれは大変危険ですからね?」
「ママは他家の女(ひと)でそれも一般の家、パパはそもそも男だから、私たちがやるしかないでしょ?」
「でもですよ、結界の張ってある神社の中ならともかく、結界のない外でですよ?お姉さま」
「結界の外でする他ないじゃない?姫様の神降ろしを神社の結界の外で行って、姫様が死靈にしがみついて、神社の結界内に私の体ごと入る。これは姫様の力なら簡単でしょ?」
「でも、お姉さま、問題は、神社の結界内に入って、お姉さまの体に憑いた姫様と死靈の周りに私がさらに結界を築いて、お姉さまから姫様を出した後、私に姫様を神降ろしして、お姉さまの体から死靈を追い出して、成仏させるんですよ?タイミングが狂ったら、お姉さま、死靈が憑いたままです」
「そうなったら、そうなったで、直子が私をなんとかしなきゃあ」
「他人事みたいですね。まったく、ゴーストバスターズのゴースト捕獲の保管装置を自分の体を使って行うんですから、私ならやりたくないです。これじゃあ、シガニー・ウィーバーみたいな状態になるでしょう?」
「あなたにそんな危険なことはさせません」
「もっと、他にいい方法がないのかしら?」
「お祖母様に習ったのはこの方法だけなんだから。もっといい方法があったら、教えてくれたわよ」
「私、これイヤです。できればやりたくありません・・・」
五芒星
木は火を生み
火は土を生み
土は金を生み
金は水を生み
水は木を生み
木は土に克ち
土は水に克ち
水は火に克ち
火は金に克ち
金は木に克ち
「直子、内結界の法は覚えているわね?」
「大丈夫です。まず、お姉さまが作らせた五芒星の二間✕二間の黒シートを広げる」
「そうそう」
「各頂点に鏡をおいて、対角の頂点に向けて72度の角度で五箇所に設置する。トップの頂点に光源のレーザー装置を置いて、光源の光が無限に各頂点を走るように調整する。ねえ、レーザー光源って、ロウソクの方が気分が出ませんか?」
「直子、古代じゃないんだから。ロウソクの光は揺らぎがあるでしょ?揺らいだら死靈は逃げることもあるわよ。結界の境界がわからなくなるから。だから、古代では失敗例がある。今は現代だからレーザービームを使った方が確実よ」
「レーザービーム自体には意味はないんですよね?境界を示す以外に?ルパン三世とかミッションインポシブルみたいなセンサーみたいなものですよね?」
「ヴィジュアルエフェクトよ。結界の境界線がハッキリわかればいいもの。大事なのは、結界を維持する強い意志と姫様との結びつき。それが弱いと結界も弱くなって、死靈は閉じ込められないわよ」
「なるほど。わかりました。次に、お姉さまの体を五芒星の中心に置く。これがいつも大変なんですよ」
「そんなに大変?」
「憑かれたお姉さまは暴れるもの。引っ掻くし、蹴ります。ものすごい力なの。姫様が死靈を押さえつけても、お姉さまの体はその小さい体とは思えないほどの力で暴れます」
「それは私は覚えていないから。姫様が憑いていてもそうなんだ。じゃあ、憑かれるのが私でなく体格のいい直子だったら、私は抑えておけないでしょう?うん、それで?」
「姫様が出られる状態になったら、光源を一旦切る。姫様が五芒星の外へ出る。光源をつけて、お姉さまと憑いている死靈を五芒星の中にまた閉じ込める。私が姫様を呼び込んで憑かれる。姫様が五つに別れて、五芒星の頂点に立って、死靈に引導をわたす。死靈がお姉さまの体を出たら、姫様が知らせてくれる。光源を切って、お姉さまの体を五芒星の外に出す。光源を再度オンして、死靈が消えたか、様子を見る。こうですわね?」
いよいよとなったら紗栄子
「毎回、真剣勝負だからなあ。直子の役目も大変だよね。今回は、なんとなく、紗栄子とアキラが私を運んでくれる、ってそういう気がする。もしも、何かあったら、直子、紗栄子にお願いしてね」
「もしも、何かって、何が起こるの?何か起こったら、紗栄子さんって、彼女、普通の人でしょ?」
「わからないわよ。そんな気がするだけ。でも、紗栄子は頼りになるって。彼女は『普通の人』じゃない」
「お姉さまが言われるなら、その通りにしますとも。でも、今回はますます私はあまり良い気がしませんわ」
「直子、私だってそうよ。ひどく嫌な気分。誰がこんなものを放ったのかしら?」
「また、どこかの土木工事で、道祖神様とかお稲荷様とか、移設するか、壊してしまって、お手当もせず、移したんじゃありません?」
「・・・平将門様だけは止めてほしいわね。将門様を放ったら、大変なことになる」
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