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「世界中の女性が子供を産まなくなっている」地球規模で進行する少子化の衝撃シナリオ

「世界中の女性が子供を産まなくなっている」地球規模で進行する少子化の衝撃シナリオ

過去少子化に関しては色々取り上げたが、アフリカも含め、全世界的な少子化のピクチャーを想像したことはなかった。

毎日新聞: 少子化考:先進国最高の出生率でも人口政策は不十分 専門家がみたイスラエル - 毎日新聞.

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「世界中の女性が子供を産まなくなっている」地球規模で進行する少子化の衝撃シナリオ

世界の人口はこの先どうなるのか。作家・ジャーナリストの河合雅司さんは「地球規模での少子化がすでに進行している。最後の“人口爆発”が起こるアフリカでも、これから合計特殊出生率は下がっていく」という――。

■全世界の合計特殊出生率は下がっている

スピードは緩やかであるにせよ、多くの国・地域で人口減少が進み始めた背景には、合計特殊出生率の長期低迷がある。地球規模で女性が子どもを産まなくなる傾向にあり、少子化がすでに急速に進行しているということだ。

背景には技術の進歩による経済発展がある。暮らしが豊かになるにつれて、多くの人々が教育を受けられるようになり、公衆衛生も普及してくると社会は「多産」から「少産」へと向かう。「少産」に転じる要素の1つは、子どもの死亡率の改善だ。

国連の資料によれば、5歳未満児の死亡率は国によってバラつきはあるが、「1990~1995年」には出生数1000人当たり91人だったが、「2015~2020年」は40人にまで低下した。

すでに開発途上国の多くで経済的な発展が成し遂げられたため、全世界の合計特殊出生率は「1985~1990年」は3.44だったが、「2015~2020年」には2.47へと低下したのだ。

1950年以降の合計特殊出生率の推移を見ると、ほとんどのエリアで著しく下落している。「2015~2020年」では4.72と最も合計特殊出生率が高水準にある「サハラ砂漠以南のアフリカ」は、「1950~1955年」には6.51であった。「北アフリカ・西アジア」は現状2.93だが、「1950~1955年」には6.57であった。

■「最後の人口爆発の地」アフリカですら少子化が急速に進む

世界の合計特殊出生率が今後どうなっていくかと言えば、国連の中位推計では「2045~2050年」は2.21と置換水準を上回るものの、「2070~2075年」になると2.05となり、「2085~2090年」には1.98と「2」台を割り込む。その後も下げ止まらず、「2095~2100年」には1.94となる。多くの国・地域で社会が豊かになっていくことの裏返しであるが、世界人口の減少は止まらなくなる。

21世紀前半の人口増加の“立役者”となる「サハラ砂漠以南のアフリカ」の合計特殊出生率は、「2015~2020年」の4.72から「2045~2050年」には3.17となる。

「2065~2070年」はさらに下がって2.62となり、「2085~2090年」は2.28とほぼ半減する。そして「2095~2100年」には2.16になる。「サハラ砂漠以南のアフリカ」は置換水準を下回るわけではないが、21世紀後半は世界人口を押し上げる力を急速に失っていくということだ。ちなみに、米国ワシントン大学の研究所チームは、2063年に「サハラ砂漠以南のアフリカ」も、2.09となって置換水準を下回ると予測している。2100年は1.73だ。このように、最後の「人口爆発」が起こるアフリカでも少子化が急速に進んでいくので、世界人口は減少に転じていくことになる。

■経済発展は“若すぎる出産”も減らしていく

なお、15~19歳での出産は、妊産婦および乳幼児の死亡の大きな要因となるが、「2015~2020年」の15~19歳の出生率(この年齢の女性1000人当たりの出生数)は、「サハラ砂漠以南のアフリカ」、「中央・南アジア」、「ラテンアメリカ・カリブ」における一部の国々で依然として高水準にある。

この間に同年齢の女性が出産した子ども数はおよそ6200万人と推計されるが、「サハラ砂漠以南のアフリカ」(46%)、「中央・南アジア」(18%)、「ラテンアメリカ・カリブ」(14%)が8割を占めている。これらのエリアでも合計特殊出生率は低下していくが、出産する母親の平均年齢が上昇することも影響を及ぼす。経済発展は医療態勢の充実をもたらすだけでなく、“若すぎる出産”を減らす。それらは乳幼児の死亡率を下げ、妊娠件数そのものを減少させていく。

■2050年、世界の6人に1人が高齢者になる

他方、21世紀は少子化の進行と並行して地球規模での高齢化が進む。65歳以上人口は2018年に初めて5歳未満の子どもの数を上回ったが、21世紀を通じて増加していく。2045年には15~24歳の若者の人数も追い越す。

高齢者人口と高齢化率の推移を見ると、2020年は7億2760万6000人(9.3%)ですでに世界の11人に1人は高齢者だが、2050年には15億4885万2000人(15.9%)で、6人に1人が該当するようになる。2080年には2020年の3倍にあたる21億5490万8000人(20.2%)となり、「20%」台に突入。2100年は22.6%で、24億5666万3000人となる。

2050年にかけて「北アフリカ・西アジア」、「中央・南アジア」、「東・東南アジア」、「ラテンアメリカ・カリブ」の各地域では割合が倍増する。特に進むのが「欧州・北米」だ。2050年には26.1%となり、4人に1人が65歳以上となる。日本を含む「東・東南アジア」も23.7%である。

■各国で平均寿命が延び、高齢化が進む

75歳以上の高齢者も増加傾向をたどる。2020年には2億6928万5000人(総人口の3.5%)から、2100年には13億4762万9000人(12.4%)に膨らむ。

80歳以上は2020年の1億4550万4000人から2050年には4億2636万7000人へ3倍増となる。2100年には8億8110万7000人だ。

90歳以上は、2020年には2138万7000人、2050年には7670万6000人、2100年には2億3253万9000人となる。2100年になると、100歳以上も1909万3000人(2020年は57万3000人)を数える。

世界規模で高齢化が進むのは、各国の平均寿命が延びていくからだ。「1990~1995年」に64.56歳だった世界の平均寿命は、「2015~2020年」に72.28歳にまで伸びた。世界の平均寿命は、「2050~2055年」は77.35歳だ。

■少子高齢化が進行すれば、勤労世代も年々減っていく

少子化と高齢化に因果関係はない。子どもが減ったから高齢者が増えたわけではないし、高齢者が増えたから子どもが生まれなくなったわけでもない。少子化が始まる要因の多くは経済の発展とともに未婚化や晩婚化が進むことにあり、高齢化が進んでいくのは経済的豊かさや医療技術の進歩で多くの人が長生きするようになったことが大きな要因だ。「少子高齢化」と一括りにして呼ぶが、全く異なる事象なのである。

ただし、この2つの異なる事象が同時に進むことで起きる変化もある。勤労世代の減少である。多くの人は、加齢に伴いどこかの時点で現役を引退する。一方、若者が減って新たに働き始める人が減るのだから、少子高齢化が始まった社会においては、勤労世代が年々減っていくのは当然の帰結である。

国連の中位推計で世界の生産年齢人口(15~64歳)の推移を見ると、2020年の50億8354万4000人から、2050年に61億3052万3000人となって10億5000万人ほど増える。2090年に65億3630万7000人でピークを迎えるが、2100年は65億2102万6000人なので大きく減るわけではない。

しかしながら各国を見ていくと、大きく減少する国もある。世界人口第1位、第2位の中国とインドもそれに含まれる。

フランク・ロイドのエッセイ集


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