行政書士の遠藤さん

行政書士&情報処理安全確保支援士&ウェブ屋&音楽少々 【契約書・利用規約の作成・チェッ…

行政書士の遠藤さん

行政書士&情報処理安全確保支援士&ウェブ屋&音楽少々 【契約書・利用規約の作成・チェック】と【著作権啓蒙活動】をメイン業務にしつつ、【情報セキュリティ】についても発信する、つけ麺と蕎麦好き行政書士。東京都江東区東陽町。ブログ『著作権のネタ帳』『契約のミカタ』も不定期更新中。

最近の記事

情報処理安全確保支援士試験を受けてみて合格してみた話

実はタイミングとしてはかなり今更で、受験したのは令和5年度の春と秋(←ここ重要)なのですが、個人的な備忘録としても残しておこうと思って筆を進めています。 なぜ受けた?私のメインの肩書きは行政書士ですが、PHPを使用したウェブシステム関連は20年以上前から携わっています。しかし、そもそも情報処理分野は本業ではなく、またいわゆるシステムエンジニアとも少し違う業務内容です。 そのため、普通に考えればこの資格を取得する必然性はかなり少ないことは否めませんし、この資格自体に独占業務

    • コンテンツ東京2024に行ってきた

      一昨日7月3日と昨日4日、東京ビッグサイトで開催されている「コンテンツ東京2024」に行ってきました。 約850社が集まる大規模な展示会で、過去にも数回来場したことがありますが、今回もものすごい人の数で、関心の高さが窺えます。 といっても、私の主な目的は、出展企業の製品・サービスを検討することというよりは、ここでしか聞けないカンファレンスに参加すること。 今回は次の3つを拝聴してきました。 【ヒットメーカー対談】生き残るコンテンツの創り方 動画 “カンブリア紀” を

      • 行政書士も情報セキュリティについてしっかり考える必要があるのでは?という話

        行政書士(に限らず士業全般だと思いますが)は、業務において膨大な個人情報や機密情報を取り扱っていますよね。 依頼者の個人情報はもちろん、企業の営業秘密だったり、依頼者の取引先だったり、相続業務であれば依頼者に関係する多くの個人の情報も取り扱ったりもすることは言うまでも無いですよね。 特に依頼者の個人情報については、事件簿への記載・保存義務(行政書士職務基本規則46条)もあることから、業務が完了したからといって簡単に削除できるものでもありません。 そして、法令上も守秘義務(行政

        • 名刺の盗難であっても個人情報保護委員会への報告が必要に?!

          この原稿を書いている日からまもなく、令和6年(2024年)4月1日より、改正個人情報保護法施行規則が施行されます。 いくつか改正点はあるのですが、その中でも多くの企業や個人事業主、フリーランスにとって影響があるのが、個人情報保護委員会への報告と安全管理措置の対象が拡大される点です。 従来は、個人情報保護委員会への報告が必要な事例は、不正の目的をもって行われた「個人データの漏えい、滅失、毀損など」が対象とされていました。 ここでいう「個人データ」とは、データベース化されて

        情報処理安全確保支援士試験を受けてみて合格してみた話

          印紙税って実はめちゃくちゃ難しい、という話

          突然ですが、印紙税って知っていますよね? みんな大好き(※諸説あり)税金の一種で、国税庁さまの説明を引用しますと 印紙税は、日常の経済取引に伴って作成する契約書や金銭の受取書(領収書)など特定の文書に課税される税金です。 (引用:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/inshi301.htm) こんな感じのものです。 一般的には、切手みたいな形をした小さい紙切れを課税文書に貼ることで納税します(印紙

          印紙税って実はめちゃくちゃ難しい、という話

          ”著作権の存在証明”っていったい・・・という話

          著作権には法律(著作権法75条~78条の2)により「登録制度」が定められていて、文化庁(プログラムの著作物については一般財団法人ソフトウェア情報センター、通称「SOFTIC」)に対して所定の申請を行うことで、 ・実名 ・第一発行(または公表)年月日 ・創作年月日 ※プログラムの著作物のみ ・移転や質権の設定など これらを登録することができます。 これらの登録については筆者の別ブログの記事をご参照ください。 https://copyright-topics.jp/topic

          ”著作権の存在証明”っていったい・・・という話

          フリーランスが知っておくべき「下請法」のキホンという話

          本日このようなニュースもありましたが、フリーランスへの業務発注について杜撰な対応となっているケースは決して少なくないのが現状ですよね。 「【独自】口約束で泣き寝入り多発…フリーランスへの業務発注、契約書の作成義務付け事業者拡大」(読売新聞オンライン) https://news.yahoo.co.jp/articles/4d038001c52b509dc6bdd21770d4873a458959dd この記事でいう関連法案というのが具体的にどのようなものになるのかは不明で

          フリーランスが知っておくべき「下請法」のキホンという話

          営業メールを勝手に送ってくるのはどうなの、という話

          職業柄、どうしても自分のメールアドレスを公開することになってしまうのですが、そうなると否が応でも飛び込んでくるのが、一方的な広告宣伝の内容の”営業メール”。 もはや営業メールを超えて「迷惑メール」そのもの、あるいは限りなく近いもののように感じることもあります。 また、このようなメール以外にも、名刺交換しただけで自動的に送られてくるメール、メルマガもありますよね。 これも限りなく「迷惑メール」に近いのではと考えられなくも無いことがあったりなかったり。 特定電子メール法では

          営業メールを勝手に送ってくるのはどうなの、という話

          2時間で作曲しよう、という話

          突然ですが、実は昨年冬頃から、Twitterで定期的に開催されている企画「#深夜の2時間DTM」に参加しています。 これは、21時頃に出されるお題に沿った曲を、22時〜24時の2時間で作曲して(※参加者の中には作詞・歌唱までおこなう猛者も!)、上記タグを付けて投稿する、というものです。 偶然発見したときに「なんて面白そうな企画!」と思って、早速数曲を聴いてみたのですが・・・ ・・・みんなレベルたけーーーー!!!! え?ほんとに2時間で作ってるの?という傑作揃いで衝撃を

          2時間で作曲しよう、という話

          著作権と墾田永年私財法のカンケイ、という話

          ここ数日、とある画像がとても話題になっています。 渋谷に巨大な「墾田永年私財法」―― 謎の広告にネット民ざわつく 「気になってこれしか情報が入ってこねえよ!」(ねとらぼ 2021年2月4日) それは明治R-1の広告として渋谷駅前や電車内などに掲示されているもので、大きく書いてある「墾田永年私財法」というインパクトが甚大です。 (※上記画像は先述の記事より引用。©2021 ITmedia) さて、そもそもここに書かれている”墾田永年私財法”とは何か? ”こんでんえいねん

          著作権と墾田永年私財法のカンケイ、という話

          契約書には鬼が潜んでいるかもね、という話

          改正民法が施行されてからまもなく1年が経とうとしていますが、いかがお過ごしでしょうか? 私をはじめ多くのフリーランスにも様々な影響のある改正でしたが、特にクリエイター系フリーランスに影響があるのは「契約不適合責任」ではないでしょうか。 簡単に言うと、受注者(=制作者、フリーランス等)が種類または品質に関して契約の内容に適合しない仕事の目的物を委託者(=発注者)に引き渡したときは、改修や報酬減額、契約解除、損害賠償などの請求を受ける場合がある(民法562条など)というもので

          契約書には鬼が潜んでいるかもね、という話

          個人情報、保護してますか?という話

          その存在は知っていても、実は内容まではあまり知られていない法律は結構あると思います。 その代表格が著作権法だとは思いますが、それと双璧を為すと考えられるのが「個人情報保護法」ではないでしょうか。(※私調べ) 個人情報。だいじ。保護すべき。 簡単に言ってしまえばそういうことなのですが、第三者提供や匿名加工情報、要配慮個人情報、そして企業等が保有する個人情報の開示・訂正・利用停止請求等々、個人情報保護法(以下「法」といいます。)には様々な規定が存在するのです。 このような細

          個人情報、保護してますか?という話

          契約書的・甲乙つけがたいかもしれない話

          契約書といえば”読みにくい文章”として有名ですが(※個人の感想です)、その要因の一つとして、当事者を「甲」「乙」と記すこともあるのではないでしょうか。 この「甲」「乙」という表現は日常会話ではほぼ使うことは無いですし、契約当事者のどちらが甲でどちらが乙なのかを見失いやすい、ということもあるかと思います。 なぜ甲や乙を使うのか?まず、契約書では「甲」「乙」を使わなければならない、というルールはありません。 もちろん、甲乙を使わないと契約書の効力がないとか、不正な文書となっ

          契約書的・甲乙つけがたいかもしれない話

          フリーランスが知っておきべき、報酬請求に関する2つの条文、という話

          フリーランスでも中小企業でも、クライアントのために業務を行ったのに、ちょっとした事情があるばかりに費用を請求できないのでは・・・と悩んでしまったケースはありませんか? 泣き寝入りすることの無いよう、役に立つかもしれない2つの条文をご紹介します。 契約書がないから支払わないよ、と言われたら例えばこのようなケースです。 ある日、とある会社A社からフリーランスのイラストレーターである甲山乙子(仮名)さんに連絡がありました。 それはA社が発売する書籍の表紙イラストを描いてほしい

          フリーランスが知っておきべき、報酬請求に関する2つの条文、という話

          海賊版DL違法化だけではない、改正著作権法で知っておくと得するかもしれない話

          2020年6月5日、改正著作権法が成立しましたが、メディア等ではいわゆる”海賊版ダウンロードの違法化”ばかり注目されており、まあ実際これが目玉ではありますが、実は「海賊版なんてダウンロードしないよ!」という健全な方々にも影響のある改正も含まれていることはご存知ですか? 海賊版DL違法化以外の改正点というのはいくつかありますが、ここでは特に関係のありそうな2つを簡単にご紹介します。 写り込み制限規定の適用範囲が広がった!\(^o^)/例えば街なかで自撮りしていたときに、未来

          海賊版DL違法化だけではない、改正著作権法で知っておくと得するかもしれない話

          今こそ小規模事業者にお勧めしたい本、という話

          現在は新型コロナウイルスへの対策として、様々な自粛が求められている状況ですが、そんな状況下だからこそ、特に個人事業やフリーランス、小規模事業の事業主にはお勧めしたい本をご紹介します。 それが、これ。 髙田 明『伝えることから始めよう』です。 著者の髙田明氏、お名前だけではピンとこない方もいるかもしれませんが、誰もが知っているあの分割金利手数料を負担してくれることでも有名な「ジャパネットたかた」の創業者で、独自のテレビショッピングでお馴染みの方です。 現在はジャパネットたか

          今こそ小規模事業者にお勧めしたい本、という話