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今こそ小規模事業者にお勧めしたい本、という話

現在は新型コロナウイルスへの対策として、様々な自粛が求められている状況ですが、そんな状況下だからこそ、特に個人事業やフリーランス、小規模事業の事業主にはお勧めしたい本をご紹介します。

それが、これ。
髙田 明『伝えることから始めよう』です。

著者の髙田明氏、お名前だけではピンとこない方もいるかもしれませんが、誰もが知っているあの分割金利手数料を負担してくれることでも有名な「ジャパネットたかた」の創業者で、独自のテレビショッピングでお馴染みの方です。
現在はジャパネットたかたの社長職を辞任し、新会社を起こされています。

その、テレビショッピングでお馴染みというところから、本のタイトルだけを見ますと、きっと

『あー、商品を売るためにはどうやって消費者に伝えれば良いのか、というノウハウ本だな』

...などと思うかもしれません。

確かに、その側面はあります。

実際に、わかりやすい伝え方で消費者の心をつかみ、大きな利益を上げているわけですから、その”伝え方”に対しての髙田氏の考えはしっかりと述べられています。
そして、それは”物を売る”事業者にとっては、参考になるところも多いのではと感じています。

ただ、今回この本をお勧めする理由は、それではありません

髙田氏の考え、そして実践してきた経営論こそが、この本の真髄だと感じています。
”伝え方”は、その一部であって、すべてではありません。

「今を生きる」

髙田氏はカリスマ経営者と呼ばれることもありますが、この本を読んでいくと、決して天才的な発想と才能によって会社が大きくなったわけではないようです。

例えば、自己の前向きで絶え間ない努力によってなされたものであること。
そして、(これは意外でしたが)目標を立てなかったこと。
これらの”特別ではないこと”が、会社の成長に影響を与えていたようです。

この”前向き”と”目標を立てない”ことは矛盾するように感じるかもしれません。
しかし、前を向いているからこそ、前に何があるのかはわからないことを知っており、売上などの数値目標に縛られるのではなく、またできない理由を考えるのではなく、今できることを最大限努力することが、未来へとつなげるために大切であると述べています。

そのためには、従来のやり方を変えること、自分が変化していくこと(自己更新)も大切であると説いています。

髙田氏の言葉を借りれば、とにかく「今」できることに最善をつくすことで、次のステップが見えてくる。
大切なのは、過去にとらわれることでも、未来に翻弄されることでもない。

「自己更新」

今、営業自粛が要請されるなかで苦労している経営者は多いと思います。
突然大きく状況が変わったのですから、苦労するのも当然だと思います。

でも、だからといって、続けてきた商売・経営という「過去」に固執してしまうと、その先にある「未来」は明るいとは限らないと私は考えています。

社会環境は大きく変わりました。
もう元に戻ることは難しいのかもしれません。
でも、元に戻ることが正解であるとも思えません。

自粛するから補償してくれ、という要求も重要ですが、そこで自粛だけに留まってしまうのではなく、自分を、自分の店の一部を変えることで、この難局を乗り越える術が生まれるのではないでしょうか。

髙田氏も、世阿弥の言葉から「自己更新」の重要性を述べておられますが、私は大いに賛同しますし、また実際にそのように生きてきたつもりです。

田舎の高校を卒業後に上京して音楽専門学校に入学。そして音楽制作会社に業務委託として所属しますが、会社の状況が芳しく無くなり退所してフリーの作編曲家として活動。それ1本では難しいと考えてウェブデザイン・ウェブ系プログラミング言語を習得。それに加えて行政書士の資格も取得して現在に至っています。
そして、今後状況の変化を感じたならば、私も何らかの変化をすると思います。

変化できる者だけが生き残る。
変化を恐れてはならない。

私は常にそう考えています。

当然いろいろな考えはありますし、私の意見は間違っていると感じる方もいるでしょう。
せいぜい個人事業歴20数年程度のペーペーが偉そうに言うな、と思う人もいるでしょう。

でも、そうだとしても、私を批判しても何も変わりません。

とにかく、一人でも多くの事業者が、今できることに最善を尽くし、未来へと生き延びることを切に願います

そして、この書籍が、その参考になると思っています。

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