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バール
2019年1月19日 07:59
前 目次 ――あの夜。 絶無と脳怪物が死闘を演じ、そこへ重騎士が乱入したあの夜。 公園にはサラリーマンの惨殺死体が残されていたはずだ。もちろんそんなものを黒幕が放置するはずがない。必ず何らかの方法で証拠の隠滅にかかるのは確実だ。黒澱さんを家に送ったその足で調べに向かうと、案の定そこには不自然に掘り返された地面だけがあった。恐らく、黒幕は秋城風太以外にも何体か堕骸装を従えているのだろう。そ
2019年1月17日 07:27
前 目次 彼女はいそいそとノートに書き込み始める。『おつちいてください』「落ち着いています」『きゅうにこまります』「あなたを困らせるつもりは一切ありません。これは僕の勝手な決意表明です。あなたは何の義務も負っていません。ご不要なようでしたら、僕はいないものとして扱ってください」『そんなことしません』「素晴らしい。お仕えし甲斐があるというものです」 絶無は口の端を吊り上げ、ふたた
2019年1月16日 07:58
前 目次 体が、重い。いくら呼吸をしても、体に酸素が廻っている気がしない。 絶無は立ち上がろうとし、膝から崩れ落ちた。四肢に力が入らない。 ――後悔は、ない。 この一生を何度繰り返そうと、あの場面で「逃げに走る」という選択肢は絶対に選ばない。 とはいえ少々難儀な状況には違いない。 ――人通りのある場所まで這って進めれば…… 頭に血が行き渡らないせいか、そんな程度のことしか思いつけ