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#95_【対馬旅行】数字で見る観光客の動向

対馬を旅行するのにオススメの時期はいつですか?

よくお客さんから、こんなことを質問されます。
離島は、悪天候による交通リスクが高いこともあるので、聞きたくなる気持ちもよく分かります。
しかし、目的が先にあって旅先を決める私からすると、回答に困る内容でもありますf^_^;)。なぜなら、島に来る「お目当て」によって、いい時期が変わってくるからです。

とはいえ、何も「お目当て」がないという方もいらっしゃることでしょう。
だいたい、離島を旅先に選ぶ人に対して、来る理由だの目的だの、合理性のある説明を求めるのは、野暮がすることです(゚∇゚;)☆\(-_-;)。

と、堂々巡りになってきましたので、真面目に回答します。
アクシデントが起こる確率の低さと過ごしやすさで考えれば、10月下旬~11月上旬がオススメの時期となります。
対馬では、小茂田のお祭り(11月の第2日曜日)が終わると、季節風が強くなって冬が訪れる、なんて世間話もします。

私の主観で話すよりも、お客さんの動向を見れば、どの時期が好まれているのか分かる、という話もありますので、最近5年間の月別入り込み客数をグラフにしてみました。

【2018年~2022年の、対馬の月別入込客数です。】
※出所:長崎県観光統計
※2021年の数字はグラフの見やすさの都合上、割愛しています。

この数字は、国際航路からの入り込みも含みます。
2019年下半期は日韓関係悪化による不買運動、2020年3月以降は新型コロナウイルスによる移動制限(国際航路は運休)がありますので、あまり参考にならなそうですがf^_^;)、コロナ前の2018年で見てみますと、傾向として海が穏やかな時期にお客さんが多い、という印象です。
国内のツアーでは壱岐・対馬がセットになっていることが多いですが、船って珍しい乗り物になってしまったのでしょうか、厳原港からガイドをしますと、ジェットフォイルでもフェリーでも、お疲れのお客様が目に付きますので、なんとなく納得です。
余談ですが、1~3月は、北西からの季節風が強く、海も荒れるので、船を中心に欠航が増えますし、それを見越して、船会社はこのあたりの時期にドック配船(※)期間を充てます。

(※)ドック配船
旅客船には、定期的に法定点検が義務づけられているため、その期間中、代替の船を充てたり、運休したりするなど、変則の運航体制を組む対応。

記事を書きながら、忙しさにかまけてグラフの更新を失念していたことに気付き、年間の入込客数のデータも、ついでに更新しましたf^_^;)。

【2010年~2022年の、対馬の年間入込客数です。】
※出所:長崎県観光統計
※国内客、外国人客、合計の数字。

少し補足です。
グラフの起点が2010年と中途半端かもしれませんが、対馬ー釜山航路が、東日本大震災の風評を契機にした運休と、運航会社の新規参入をきっかけに、入込客が爆増したため、そのようにしています。
その後、リーマンショック、セウォル号の沈没事故など色々あったものの、2018年までは右肩上がりで、最大年間41万人の入り込みがありましたが、2019年下半期から、先述の事情により激減しました。

最新の統計は2022年までとなりますが、2023年2月に対馬-釜山航路が再開しています。そして、2018年と2023年の違いとして、前者は団体ツアーというと韓国一辺倒だったのに対し、後者は日韓関係悪化による影響を教訓に、国内の旅行会社のツアーも催行されています。
次回発表される数字は、コロナ前と少し違った出方になりそうですので、興味深いところです。

こうして改めて見てみますと、お盆は別としても、ハイシーズンとローシーズンの差は、相変わらず埋まっていないですね…。
しかし、私の感覚的には、ここ数年冬の対馬はイイ!と感じますので、次回は冬の対馬を推す理由を紹介したいと思います。


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