矢野ミチル『夢意識のオラクル』短詩(解説詩)
画家、矢野ミチルさん発行のオラクルカード『夢意識のオラクル』で、解釈文ともなる、ショートポエムを書かせていただきました!
ミチルさんの世界を妖しく跋扈する、麗しい不思議な生き物達と対話して、彼らは一体何を言ってるのかなあ‥‥と耳を澄ませて発想しました。
カードは全部で四十枚。
そのうち、五枚をミチルさんの絵とともにご紹介します。
ミチルさんのHPはこちら「アトリエ可視光線」。
コマ撮りアニメも必見です!
「時間」のカード
金色の曙光に乗り出せば
風はセピア色の写本をめくり
新たな彩色で書き変えていく
希望のさざ波はとこしえに煌めき
絶えず船べりに打ち寄せる
「空腹」のカード
蝋燭の体を地に滴らせ
墜落して来る堕天使は
悔恨の翼で風を切りながら
金色の虚空(すくい)をかき抱く
「回転木馬」のカード
二頭立ての遊び心が駆けるとき
海と太陽は幼い鼻面を揃え
泥を跳ね上げながら道を踏み固めていく
「水晶」のカード
観想とは氷の息吹を吹きかけること
運命は炭酸の気泡となって
隕石の放つ光線となって
手の平の上で静かに煌めいている
「遊び」のカード
真昼の月の下 夢見たまま踊る
長い耳の者が叩く太鼓に合わせて
筋肉も骨もほぐれていき
体はゴムまりになる 心は野にはずむ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?