プロジェクト・コミュニティに関わる時の原則 vol.2
できる人が、できる時に、できることを
コミュニティなど、金銭的な報酬や明確な上下関係が発生しない関係性の中で関わる時は、この考え方を主催者・参加者側の双方が持っておくと、お互いに変な期待をしないので、健全な関係性の中で物事を進めることが出来る。
以下、「プロジェクト・コミュニティに関わる時の原則 vol.1」からの続き
「貢献出来る時間」
そして2つ目。具体的に何で貢献出来るのかわかったところで、じゃあ、どれぐらいの時間をコミットできるのか。会社であれば平日9時-5時、週5日など、その人に働いてもらう時間が明確になっている。
でも、ボランタリーな形だと、当然だけれども人によって関われる時間帯・時間の長さ・タイミングが異なる。
週1時間はリアルで、オンラインで
場には参加出来ないけど、何かしら1時間ならPCでの作業なら
週3時間は関われるけど、時間帯はなんとも。。
隔週であれば2時間ぐらい
平日は無理だけど、週末なら
朝なら大丈夫だけど、夜はちょっと。。
正直、時間は確約出来ない
この3か月はOKだけど、仕事の繁忙期は…
本当にこのコミットできる時間は人によって異なる。なのでまずはどれぐらいコミットできるのか、双方が理解すること。
一方で本業やプライベートもありながら関わってくれることが基本だから、急に忙しくなり、優先順位が変わることは往々にしてあるので、それをお互いに理解した上で進められると、変に期待せず、また変に気負わずに進めることが出来る。
とはいえ、どれぐらいの時間、関わることが出来るのかは双方が理解した上で、関われる時間を決めて、お願いをすることは絶対に必要であり、本当に大切。これが曖昧になってしまうと、なあなあな関係性になってしまうし、依頼された側も責任が伴わなくなってしまうので。
そしてその関われる時間がどれぐらいなのかの見直しの必要があるかを定期的に確認し合うことも。見直せると思うことで、過度な負担にならないし、相談出来る体制があることでの信頼感も生まれる。
「貢献出来る範囲」
貢献出来るスキルと時間が明確になったところで、最後にするのはそのスキルをその組織のどこの活動やプロジェクトにおいて発揮出来るのか可能な限り明確にすることである。
主催者側も「〇〇が出来るのであれば、どこどこの活動で貢献して欲しい」と伝えることが重要だし、参加者側も自分のスキルをどこで発揮出来るのかわかると貢献実感がわき、組織に対するコミットメントが高まる。
(当然だけれども、最初から欲しいスキル・関わってもらう時間・範囲を明確にする。つまり必要なポジションを明確にして、人を募る。というやり方もある。もちろんそうすると、関わってくれる人が限定的になる、というデメリットはあるけれど)
また、上記のように関われる時間は時には想定通りにはいかないから、主催者側はある程度バッファを持って依頼することも大事だし、「最低限お願いしたい範囲」「MAXここまでやってもらうと嬉しい」等、上限と下限も伝えられるとお互いが気持ちに余裕を持って出来る。
もちろん、あくまでもボランタリーなので、お願いしたものがやってもらえていなくても、主催者側は最後は自分で責任を取る、というある種の覚悟も必要である。
さらに言うと、「この組織のどこどこを〇〇さんに任せている」と見える化することで、任された側も「任されている!」と思えるので、良い意味での責任感が増すし、組織の活動がお手伝いではなく「自分事化」されるので、より継続的に且つさらに自主的に関わってくれるきっかけになる。
当たり前のことを当たり前に如何にできるか
「できる人が、できる時に、できることを」つまりは、貢献出来る「スキル・時間・範囲」を双方が理解すること。
文字で書くと、一見、どこの組織でも行われていることだし、誰もが経験したことがあることだ。
一方で、これがプロジェクトやコミュニティなど、普段とは異なる形での関り方になると、当たり前のことにも関わらず、確認を怠ってしまうことが往々にしてある。
そして、気づいたら途端にお互いへの無意識な期待だけがふくらみ、すれ違いが発生する。「〇〇だったはずなのに」「〇〇だと思っていたのに」等々。。
当たり前のことをどこでも当たり前にやることこそが実は最も難しいことではあるが、日常と異なる関係性の中で実施されるプロジェクトベースの組織やコミュニティでは、この「できる人が、できる時に、できることを」という考え方を持てると、お互いに変な期待をしないので、健全な関係性の中で物事を進めることが出来る。
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