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2024/07/08

ねむい。いたい。こわい。

この三拍子がぼくの脳内を走っていた。
薬を飲んでしまっていて、父親の暴力をいつもの様に交わせなくて、見事に直撃し背後にあったタンスに背中を強く打ってその勢いのまま畳で足を擦った。
ジリジリとくる痛みに困惑する。

(あれ、なんでこんな、いたいんだろ…)

父親から目線を逸らさないように必死になって顔を見詰める。
此奴は少し血の気が引いたような様子になっていた。
視線の先はぼくの左足。
気になって目線を一瞬落とし足を見る。
天の川か!といいたくなるくらいの大きな擦り傷。
畳にはぼくの血液が数液滲んでいた。
“ お前の体が弱過ぎるのが悪いんだ ” と吐き捨てぼくから離れていった父親。
数分後母親が保冷剤を持って寄ってくる。
いつもと同じ、母親の心配そうな顔。
関節が少し歪んでぐにゃりとしているぼくの左足と血まみれになった皮膚を見てリビングから消毒液とガーゼ、テープを持ってきて渡してくれた。
あとは全部自分でやる。
母親がやってくれることはここまで。
今日は痣にならなかった喜びと傷になってしまった嫌気がぼくの周りを渦巻く

やっぱりさ、ぼく、要らないんじゃない?

関節を入れ直しながら思う。
なんというか、もう人間、辞めた方がいい気がした。
成るなら死神になりたいなーとか馬鹿なことを考えて。

ぼくの体がこんなにもぼろくて壊れやすいのは人間で在るからでは?と思う
本当にばか。

明日、プールあるのになあ
やっと入れるのに
傷、できちゃった
今年もプール、入りたかったのに
海には入れなくても、水に浸かりたかった

あははと笑う
そのまま床に突っ伏す。
わたしがわたしでいる以上、テンションは戻らないだろう
ぼくでいたいと思い続けているんだから
きっとそう

無意味なこと頭に過ぎって煩いと思ってしまって
耳を塞ぎたくなるんだ

それがいまのぼくで、わたしなんだ

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