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幼少期の記憶なんてない。

大切だからこそ、傷つけ合うんじゃないかな〜…
って、私は思うなあ…w

お姉ちゃんなら、こう言ってくれたのだろうか。
実際はこの言葉を言ったのはぼくの友人。先輩。
ぼくの、もう居ないお姉ちゃんによく似た先輩。

お姉ちゃんが居なくなっちゃったのはもう10年近く前のことで。
歳の差があり過ぎて、姉の記憶なんて殆ど無いに等しい。
けれど、優しくて、面倒見がよくて、笑顔が眩しかったことだけは覚えてる。
ぼくがお友達と喧嘩した時も、大丈夫だよって慰めてくれて
お父さんに怒られた時はぼくを庇ってくれていた。
薄らだけど、記憶にはあるんだ。
お姉ちゃんのこと。
11歳差の姉妹なんて、滅多に居ないのではないか。
兄とは大して歳の差は無い。数年だけ。
お姉ちゃんがまだ生きていたのなら、お姉ちゃんは25くらいだったのかな。
そうだとしたら、一人暮らししてたり?
なんてことをたまに考える。
虚しくなるけど、悲しくなるけど、考えてしまう。
煙草もお酒も窘める年齢。
正直、少し羨ましい。
羨ましい、はずなのに。
お姉ちゃんの最期の年齢は16歳だっただろうか。
覚えてないや、
成人すらしていなかった。
年上の恋人様が居て、その方のバイクの後ろに乗せてもらってドライブ?していた時。
事故に遭ってしまった。
恋人様は無事。軽傷。
バイクは壊れた。
衝突した衝撃で後ろから落ちて車に轢かれ、お姉ちゃんは心肺停止。
病院に着く前に心臓が止まった。
本当か否かはぼくにはわからない。
見ていないから。知らないから。
もしもそれが本当なら、お姉ちゃんの恋人様は今頃どう生きているのだろう。
姉のことを忘れて、のうのうと生きていると思うと少し嫌になる。
ぼくが干渉していい話ではないのに。
わかっているけど、姉のことが好きだったから。
なんて言ってしまえば、ただの言い訳。
心の中に置いておく。
姉の写った写真の殆どはどこかへ隠されてしまった
両親は姉のことなんてもう記憶の片隅にしかなかった。
「 お姉ちゃんはどんな人だったの? 」 なんて尋ねてしまえば、決まって「忘れた」と返される。
実の娘を忘れた。って、親として最低だと何度も思う。
だから保護者のことは嫌いなんだ。
兄貴に至っては姉なんていたっけ程度にしか思っていない。
それもあり、ぼくの大切な人達を侮辱したこともあり、兄貴のことも大嫌いになっていた。

思い返しても、思い出せるものなんて大雑把で。
幼少期の記憶は、どうしてこんなにもあやふやで朦朧としているのだろうか。
自分を殴り殺すくらい殴ってでも、思い出したいのに。
それでもぼくの脳内メモリーは1部溶けていて。
損傷していて。
思い出せない。
結論、幼少期の記憶なんてない。
思い出そうとするだけ無駄だった。
淋しくなるだけ
苦しくなるだけ
メリットなんてなくて、
デメリットとしか存在しなかった。
そうしているうちにぼくは
何かを思い出すことすら面倒だと思えるようになってしまって
何もかもがあやふやになり始めている気がした。
そんな自分に苦笑する。
思い出せるように、遺しておくべきだった。
姉から貰ったものも、大切な人たちとの出会いの思い出も、
思い出せることは細々していて、全く役に立たなくて。
今日も結局、諦めてしまったんだ。

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