国際部#5:「大手商社の情報収集能力」

今回は「大手商社の情報収集能力」についてコメントさせて頂きます。

「大手商社の情報収集能力」と聞いて、どんな印象を受けるでしょうか?

この収集能力は時に、政府を超えるようです。

最近読んでいる大昔の「ジャパン・アズ・ナンバーワン(社会学者エズラ・ヴォーゲルさんが1979年に書いた本)」を読んでいたところ、さすが日本の商社の情報網と感心する話が出ていました。

1973年まだソ連が健在の時代に、ソ連の外国貿易担当者がなんと米国の大量の小麦を買い付けたことがあったそうです。

これがどうして、大きなニュースかと言いますと:

1.これにより、当時のソ連が不作である事が分かる(ソ連の弱体化)、なんといっても敵国から、小麦を買うということなので、通常ではありえないでしょう。

2.これにより、シカゴの小麦先物が動く。

3.これにより、小麦の供給が逼迫する可能性があり、値段が上がる

などなど、世界経済に影響があるのですが、この情報を前もって知っていたのは日本の商社のみにて(ジャパン・アズ・ナンバーワン p-68当たりのその他の話もあり)。 米国政府も「やられた~」状態だったそうです。

大手商社情報は英国MI6(Secret Intelligence Service)に抜かれている(盗聴されている)と聞いたことがありますが、なるほど~と裏づけされた状態です。

結果的に、商社の情報収集能力は国を超越している可能性大ですね。 ただし、この情報は商社自身の利益捻出の為というのが残念です。 

日本政府にも、もっと頑張って欲しいものです。

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