行動心理学: 「ノーシーボー効果」

今回は久々行動心理学を言って見ましょう。テーマは「ノーシーボー効果」です。

日本語風には「鰯の頭も信心から」?

「ノーシーボー効果(Placebo effect)」: 主に医学や心理学の分野で見られる現象のことを指します。これは、実際には治療効果を持たない偽薬や無効な治療を行ったにもかかわらず、患者が薬や治療に対して良い結果を報告するという現象を指します。
つまり、患者が思い込みや期待によって、治療に対する信念や期待が作用して自己回復力が働き、偽薬や無効な治療でも実際の効果が得られるように感じるということです。この効果は特に、主観的な症状や心の状態に対して顕著に見られます。
ノーシーボー効果は、治験(臨床試験)や新しい薬の開発など、医学的な研究においても重要な要因です。比較試験を行う際、偽薬群(プラセボ群)と実際の治療を受ける群を比較することで、薬の効果を客観的に評価することができます。
ノーシーボー効果のメカニズムは複雑で完全に解明されているわけではありませんが、患者の期待や信念、精神的な要因が身体的な反応に影響を与えることが示唆されています。脳内の神経伝達物質やエンドルフィンの放出、および不安やストレスの軽減などが関与していると考えられています。しかし、この効果は個人差があり、すべての人に同じように効果が現れるわけではありません。
なお、ノーシーボー効果は偽薬のみに限らず、実際に効果のある治療法でも期待や信念によって効果が増幅される「ノーシーボー効果の補強(ノーシーボー・エンハンスメント)」という現象もあります。

一言では: 何の効果もない薬(極端な話片栗粉)を与え、この薬はこの病気に高い効果があるというと、なぜか薬として効果を発揮するような効果です。 

いろいろな利用法がありそうです(笑)。


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