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価値観差で風邪を引く
上京して2年が経つしもうそろそろ大丈夫だろ、と思っていたけれどたぶんまだ全然慣れていない。
渋谷では永遠に迷子だし新宿ではうまく歩けない、乗り換えが2つ以上あるとほぼ必ず間違えてだいたいの約束に遅れてしまう。
まあでも地理がだめなのはいまに始まったことではないので、いまは人とあんまり約束をせず、せめて迷惑をかけないようにしている。
迷うより ときとしてダメージが大きいのは、たとえば新卒採用での
10/12 : 怒りについて
怒りについて、私は向き合っていかなければいけないと思う。
わりとなんでも受け入れてしまうから、そこまで日常生活の中で怒りを感じるシーンはない。怒りの前に、諦めてしまう。
オーケー、あれができないなら仕方がない、できることで賄おう。
オーケー、あなたはそういう人ね、なるべく触れないようにしよう。
こんな具合で。
だから私が怒りを露わにするときは、自分や大切な人たちに害意が及ぶときが主だ。
反射
3/31 何者でなくても
新卒1年目が終わった。
乗り越えた、という安堵感と、もう甘やかしてもらえないな、という怠惰な気持ちが共存している。
ずっとライターになりたがっていた私は、書くこととはほぼ無縁の仕事に就いた。
いまでもこうして、仕事でなくても書くこと自体は続いているので、大学時代の知り合いにはよく「なんでライターにならなかったの?」と訊かれる。
理由はいくつかある。
いちばんは、「狙って書く」のが苦手になったこ
1/6 : 来るべき憂鬱が来たら
世間が正月を忘れかけている。いい傾向だ。
私自身は、あれーそういえば新年でしたっけ、ああ忘れてましたよろしくですね、くらいの舐めた年明けを送ってはいたけど。
「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします」
ときちんと言おうとしているまじめでかわいい人が、挨拶のタイミングを逃して焦っている姿を見なくて済むようになるのは、とてもいい。
比較的暗澹とした前回の話で、天性の根暗であ
12/31 : 光陰にかまけて
怒りも嘆きも体力を使う、平日は感情をローラーしているから、断続的に不定期の休みを与えられるとそれらの処理に困る。新卒の今年、年末の感想はそんな感じだ。
〆切のない1年だった。
正確には少しあったけど、これまでに比べれば「ない」と断言してもいいくらいの少なさだった。
中学で美術部、高校でも美術部かつ文芸部、大学にいたってはフリーペーパー編集部を2つ3つかけもって、私はどんどん〆切を抱きかかえてい
7/31 : 呼吸のようなものだとして
しばらくここを離れていた。
最近は人と一緒に何かをつくっているので他にも文章を扱うことがあって、自主的に言葉に触れようとしなくてもよかった。
毎日頑張ろうとしなくてもいい、気が向いたときだけでいい、というのが、
いまのところ私と言葉との最適な距離感です。私は義務じゃない場所で言葉と出会いたい。
これが呼吸のようなものだとして、毎秒深呼吸したいときもあれば、息継ぎ程度におさえておいて しばらく潜
6/19 : いつものように朝が来て
私は災いという災いに遭ったことがなくて、ときどきそれが非常におそろしい。
これまで運良く回避してきたぶん、いつか利子を上乗せされて叩きつけられそうでおそろしい。
東日本大震災も新潟中越地震も熊本地震も影響はなかった。それ以前は産まれてなかった。
そのほかの微々たる揺れや危機はあったけれど、
その度に「ああ、いましぬのか」と覚悟をしていたつもりが、どれも致命的な災害には至らなかった。
今回の
5/28 : BGMを切り替える
電車やエレベーターに乗っていて、その場にいる全員とハグしたくなるときがある。
もちろん指一本でも触れたら殺してやる、と思うときもある。
最近は圧倒的前者で調子がいい。
流れるBGMで世界観は変えられる、という考え方がいまは好きだ。
同じ夏を目の前にしていても、ORANGE RANGEを流すか米津玄師を流すかで心持ちは変わる。どちらにも良さはあるけれど、どちらを選ぶかは自分が決める。
誰にも迷
5/22 : かなしいベンチ
こんな文章を読んだ。
公園などにある2〜3人用のベンチはホームレスの寝場所になりうる。
だからホームレス対策として、身体を横たえることができなくなるように肘掛けつきベンチの設置が推進された。
詳細には思い出せない、もう何年も前に読んだ評論で、1950年代のアメリカについて言及していたような気がする。
以来、私は肘掛けのあるベンチに座ると ときどき胸が騒ぐ。
だからといって、何をするわけで
5/20 : 飛ぶように速い
まだ5月は2日くらいしか経過していないつもりでいたら、あっという間に残り1/3になっていた。
毎日時間が溶けるようだけど時計の針にも緩急はあって、休日のゆるやかさに救われている。
昨日から今日にかけて、大学時代住んでいた街に行った。
東京から高速バスで、車窓の田んぼがだんだん増えていって、就活中何度も通った道を逆方向に辿って。
たった2ヶ月離れただけなのに、工事中だったマンションはもう人が住
5/3 : 追いつけなさを楽しんで
洋画を観ていると、いつも感情の起伏に置いていかれる。
人間関係が主軸に据えられた話だと大抵、喧嘩のシーンがあるのだけど、なんでそんなに怒ってるの…と観ながら途方に暮れてしまう。
たった一言で最高の夜が一変したり、直後に腹を割って過去の恋愛を打ち明けたり、
頰を打った瞬間に謝ったり、豪雨の中で激昂しながら告白したり、
せわしないなあと感じるけど、おそらくそれが洋画の文化なんだろうと思う。
初
4/17 : 大人になれたことには、ちゃんと意味があって
気づけば学生を終了してすでに半月が経っていた。
この前ひとつ下の後輩が「◯◯学部の4年生です」と自己紹介しているのを見てはっとした。
当たり前だけどもう私に学年はない。
あっという間に年をとって、高速で灰になるのかなあ。
だとしたら不幸になっている暇なんてない、世を嘆くだけじゃ効率が悪い。
こうも強気でいられるのは、卒業後も続くゆるやかな関係と、職場での新しい関係に恵まれているからだ。
この