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ぼくたちが戦争より好きなもの
早稲田松竹に感謝を。半年ぶりの映画館がここで本当に幸運だった。
ぼくたちが戦争より好きなもの。
そう題して組まれた2本の映画『ジョジョ・ラビット』と『Swing Kids』、選んでくれた方に礼を伝えたい。
最低限の背景知識もおそらく不十分で、半分も理解できた気がしないけれど、それでも4時間あまりノンストップで前のめりだった。
10歳の少年が暮らすドイツの街が舞台の『ジョジョ・ラビット』は、最後
アデル、ブルーは熱い色
人に会えなくて寂しいと、思ったことがほとんどない。だから最近まで恋愛映画にそこまではまらなかった。
けれど22歳の春に観て、以来ずっと暫定マイベストムービーに輝いているのはある恋愛映画だ。その話はここではしない。ただその映画を観てから、優れた恋愛映画は優れた人間ドラマだと言われる所以に納得して、恋愛映画の"人間"部分を観ようとしている。
『アデル、ブルーは熱い色』のアデルは、私が得意ではない熱
マイ・ブロークン・マリコ
地獄の渦中にいる人も惨めだがそれを眺めるしかできない人も惨めだ。だんだんおかしくなっていく大切だったはずの人。少しでも安全な場所にいてほしいのに好んで地獄に戻ろうとしているように見えるその背中に、傷のついた手首に、また何もできなかった、という後悔を積み重ねていく。
どんなに心から心配してみせたって
そんなもんじゃどうにもならない所にあのコはいた
作中でシイノが独白のように呟いた言葉に、相手
エターナル・サンシャイン
感情出力のコントロールがへたな人は苦手だ。
嬉しいでも悲しいでも上下の差が激しい人と長く一緒にいたらつらくなる。
淡々としながら冷たくない人がいい。
だから『エターナル・サンシャイン』のジョエルのことは最初からすごく好きになった。
初対面の奇抜な女の自虐をフォローしようとして「私のことよく知らないでしょ」と一蹴され、
「いい人になろうとした。ごめん」
と呆気なく折れてしまう不器用さ。
人付き合
ぬいぐるみたちがなんだか変だよと囁いている引越しの夜
普段は心動いたことや好きなことについて書いているけれど、これからは少しずつ「わからなかったもの」についても跡を残しておきたい。
年末の吉祥寺で、初めてマームとジプシーの演劇を観た。
名前をあちこちでよく聞く劇団で、今回は歌人の穂村弘さんの生い立ちをベースに据えた、女性の一人芝居だった。
マームとジプシーのことも、穂村弘のこともあんまりよくわかっていない状態で行ったら、やっぱりちょっとよくわからな
沈黙 -SILENCE-
お休みが多くもらえる時期なので、いつもは手が出せないようなものに触れている。
そのうちのひとつが 宗教について知るということ。
無宗教かつどのコンテンツにもいわゆる"推し"がいないので、私はあまり何かを信じたり崇めたりということがない。
だから神様の存在とか、神のように"推し"を扱うことが、すこしばかり見ていて怖くもあった。
小学生の頃に中東の戦争や9.11のテロを見て、「宗教があるから争い
明日もう君に会えない
夢みたいな舞台だった。
踝まで水が張ってあって、役者の方はずっと歩き回っていて、水音が小さく大きくずっと聞こえていた。
幻想的な空間の中で、中絶が禁じられる、という設定だけがいやに生々しかった。
ぐーっと手を伸ばして、めいっぱい掌を広げて、十の指が特別な意味を持つ。
十月十日のカウントダウンに振り回されていく妊婦のそれぞれが波紋を広げる。
あかりの「女は受け身」という台詞が言い訳がましく聞こ
僕が殺した人と僕を殺した人
海外の小説を読むのが苦手になった。
幼い頃はハリー・ポッターやデルトラクエストに親しんでいたというのに。
高校・大学で一度読書から離れて、読む体力が落ちているのかもしれない。
海外小説を読むことは、異文化に丸ごと身を浸し、人の名前や食べ物、ときには感情の機微まで、自分が慣れ親しんだ文化圏を出ることだ(日本のものでも、歴史小説には同じことが言える)。
旅行すらめったにしない私には、ハードな運動にな