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事業再構築補助金の闇⑧重複案件ルールについて

シリーズ7本目の前回は、「国庫及び公的制度からの二重受給(旧:重複案件)」についての具体例として、介護事業について見てきました。

今回の8回目は、前回の続きで、国庫及び公的制度からの二重受給の対象として、障害福祉事業について見ていきます。

財政制度等審議会における議論の状況について

介護事業同様、この財政制度等審議会や予算概算要求の資料でもわかる通り、障害福祉サービスは制度上、国庫負担があることは間違いありません。

令和5年度 障害保健福祉部予算概算要求の概要
令和5年度 障害保健福祉部予算概算要求の概要

よって、国庫及び公的制度からの二重受給(旧:重複案件)に該当し、

障がい福祉系事業を補助事業として採択された第1回の申請者(採択者)から補助対象外となり、交付決定済でも交付取消、補助金を受領していても、補助金返還となってしまいます。

障害福祉系事業の具体例としては、こちらに載っているもの(訪問系、日中活動系、居住・施設系、就労系、障害児通所系)が該当するかと思います。

財政制度等審議会における議論の状況について


もう少し具体的に言うと、事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブックを見るとよくわかります。

下記は2022年10月3日版の事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブックになります。

2022年10月3日版 事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブック
2022年10月3日版 事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブック


そして、次が2023年6月16日版の事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブックになります。

2023年6月16日版 事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブック


2023年6月16日版 事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブック

だいぶスカスカになりましたよね?大きく違っているのがわかるでしょうか?なぜ削除されスカスカになっているか?

理由は、2022年10月に公開された第8回公募要領に追加された「重複案件ルール(現:国庫及び公的制度からの二重受給ルール)」と矛盾が生じてしまったため、事務局と中小企業庁が削除した結果です。

事務局と中小企業庁は、この「重複案件ルール(現:国庫及び公的制度からの二重受給ルール)」は第1回から存在したというスタンスでしたので、当該ルールでは補助対象外となる事業が採択実績の有望度「高」「中」に含まれていては、矛盾が生じます。

その結果、大半の医療・福祉業の事業を削除せざるを得ず、結果的に資料がスカスカになりました。

それでは、削除された事業=事務局が資料に存在していてはまずいと考えた事業の中で介護事業を見ていきましょう。その事業は、補助対象外ということになります。

対象外ということは、これから見ていく事業を、事業再構築補助金の補助事業とすることはできませんので、くれぐれもご注意ください

2022年10月3日版 事業再構築に向けた 事業計画書作成ガイドブック

まずは就労支援事業です。

もう一度確認ですが、今から取り上げる事業は事業再構築補助金では採択されない、補助対象外の事業です。
それも第1回採択者の方から対象外となるので、既に補助金をもらっている方も、補助金全額+加算金をつけて返還する必要があります

ですが、この就労支援事業は医療・福祉業の中で、申請率が高く、申請された中でも、採択率が高い事業として、有望度(オススメ度)「高」とされた2つの事業のうちの1つです。

事業再構築補助金の闇シリーズで説明してきた「重複案件ルール」がなかった(事務局説明では当初からルールはあったが申請者や支援者のみならず審査員にも徹底していなかった)ために、補助対象外の事業が申請率が高く、採択率が高い有望度「高」に選ばれてしまっています。

当然、主に就労継続支援A型、B型の人を主軸において 飲食店や製造等へ支援を実施する内容については、障害福祉サービス等報酬を受けるため対象外となります。


次は、障害者向けグループホーム事業です。これも申請率は就労支援事業には若干及びませんが、採択率は第2位で、多数採択されていた事業になります。


そして3つ目が、放課後等デイサービス。採択率は医療・福祉業の中で断トツナンバーワン。ですが、これも事務局ルールによれば補助対象外となります。


最後はオンライン技術の活用という事業テーマで、一見問題なさそうな感じもしますが、採択事業例の「オンライン障害児児童相談事業と児童発達支援事業所の複合施設」が障害福祉サービス等報酬を受ける事業ということで、最新版では消された理由と推測します。

以上、ガイドブックを参考に、事例を見てきましたが、障害福祉系事業も介護系事業と同様に、サービス提供側のコスト+利益相当額の全額を自己負担いただくことができるケースは極めて限定的です。よって、

障害福祉事業も基本的には、障害福祉サービスの仕組みを通じた国の財源支援を前提とするため、補助事業として採択された第1回の申請者(採択者)から補助対象外(補助金返還対象)となります。

また、交付決定済でも交付取消、補助金を受領していても、補助金返還となります。

以上8回目では「障害福祉事業」についてみてきました。

ここまで、医療系(調剤薬局含む)、保育系、介護系、障害福祉系事業が事業再構築補助金の補助対象外となることはお伝えさせていただきました。
次回は、今までのまとめなどをお伝えできればと思います。


過去記事リンク
事業再構築補助金の闇① 重複案件ルールについて
事業再構築補助金の闇② 重複案件ルールについて
事業再構築補助金の闇③ 重複案件ルールについて
事業再構築補助金の闇④ 重複案件ルールについて
事業再構築補助金の闇⑤ 重複案件ルールについて
事業再構築補助金の闇⑥ 重複案件ルールについて
事業再構築補助金の闇⑦ 重複案件ルールについて


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