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Netflix:ペーパー・ハウス - 面白かった海外ドラマ感想 -※ネタバレ注意


 少し前にシーズン3の8まで全て視聴したのを振り返り、何が面白かったのか考えつつ、適当に書いていく。

・犯罪首謀者と刑事との距離感

 変声器つかって会話するわ、直に会うは、恋愛するわと、これ以上ないというレベルで近い。自分の追っている人間が身近にいることを知らない刑事ラケル。一方で、彼女を騙し通す首謀者。バレるかバレないか? 紙一重のギリギリを攻めるシーン展開は、非常に緊迫感があった。そして最終的に、ラケルが立場より自分の感情を優先させる=寝返ることを決断する流れが心地よく共感を抱いた。

・弱者が権力者・立場の強いものへ反旗を翻す展開

ジョーカー見た際に書いた部分と重なる。

・"思想・使命感"からの犯罪

 単純に金儲けがしたいわけではなく、教授の父親の夢を引き継ぐ形で犯罪が行われる点が個人的に好み。根っからの悪人ではない教授だからこそ、用意周到に犯罪計画が練られ、下準備として数ヶ月もの間、仲間への講義が行われたのだと自分は解釈している。

 彼にとっては「犯罪を起こす」というより「やるべきことをこなす」という意志のもとに行動をしているため、計画は、冷静さ・丁寧さを帯びていた。何より「人質を殺さない」という点や刑事と交渉する際の口ぶりから、彼の穏やかな人柄が感じられ、そのギャップからますます犯罪意識以上の"意志"が感じられる内容となっていた。

・教授と仲間との信頼関係

 教授にとっては、完全犯罪が目標である以上「共犯者との信頼関係」は必要だったろうと思う。そして、それと同時に、彼らが自分の夢を一緒に叶えてくれる協力者である、という認識も強くあったのではないかと思う。

・犯罪計画

発想が素晴らしい。これだけで十分面白い。

・好きなシーン シーズン3-8 迷い道

 ちょうど今配信されている最終パート、仲間になったラケル(刑事)が撃たれたと勘違いした教授が戦意喪失しかかった状況で無線から連絡を受けるシーン。描いていた思想がぶち壊され、激情に駆られた彼がいう

「パレルモ 強盗でもーー抗議でもない」

「これは戦争だ そのつもりでいけ」

ここで初めて理想主義を捨て、極悪な犯罪者に成り下がった感が最高。

・その他/てきとう雑感

 シーズン1、2は教授の理想を貫く物語。それに対して、シーズン3は捕らわれた仲間のリオを助け出す救出劇であり、その手段として"強盗"を行うストーリーなので「何のために計画し実行するのか?」という動機に違いがある。まぁ、だからなんだという話であるけど。もっとも、こちらも元ネタがあってそれに教授が乗っかる流れなので、「誰かの犯罪計画を実行する」という点では全く同じ性質の内容ではある。

 あと面白さに直結しているかどうかの説明ができないけど、要素として、「教授が完全な指示役で、現場にいない」という点。単純に教授サイドと現場サイドの視点から物語を見られるわけだけど、視点が複数あればなんでもかんでも面白くなるのか?っていうのは考えるべきポイントだと思う。

 1つの物事を複数の視点から見つめることで、違った側面が出てくる。そして、それぞれの行動が繋がりあって新しい結果をもたらす。等 それだけで面白くなる要因にはなる感じはする。※もっとも役割として必要な立ち位置なのは事実。教授のポジションがいないと物語(計画)が成立しないので善し悪し以前に必要な要素であることは間違いない。

・嫌いだけど、いいキャラ

 アルトゥーロ


<配信が楽しみ>



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