見出し画像

【3DCG/2D】三面図ってなあに?~3Dモデル制作に必要な要素を盛り込むには~【Tips】

2Dセクションマネージャーの安藤と申します。
今回のテーマは「三面図ってなあに?」です!

ゲームグラフィックにおける2Dデザインは多岐にわたります。
デザイン画・設定資料・三面図・コンセプトアートなどゲームのキャラクタデザインで必要な資料はいろいろありますが。。。
今回は「三面図」って何のために必要なの?実際どうやって描いてるの?というところにフォーカスしてみたいと思います!

※注 今回はモデル制作目的の三面図についてまとめています。
モデル制作目的以外にも三面図を制作することもありますが、その場合は目的に沿った内容で制作します。


最初に:「三面図って?」

まず、色々なデザイン画の種類について、ざっと思いついたものを軽く調べてみました。
※正解があるわけでなく、会社やゲームジャンル、プロジェクトによって定義は変わってきます。

改めて「三面図とは何か?」を考えて
ちょっと悩んだのですが、下記のようにまとめてみました。

三面図とは 
デザインを3方向(正面、側面、背面)から描き、
必要な情報を整理し、視覚的にわかりやすく並べた、
3Dモデル制作のためのデザイン画 
です。

一方向のみのイラストでは描くことが出来ない部分や、
デザインや構造の位置関係など、詳細情報を明確にします。

アイディア出しの段階で背面や整合性を気にしすぎると
良いデザインが作りづらくなってしまうこともありますが、
三面図として起こす場合は、構造や細部の模様や詳細、衣服の裏側や正面と背面のつながりなどの情報を立体的に想像し、構築する必要があります。

なんとなく三面図についてわかったところで、普段の制作の流れに沿って作ってみます!

その1・構造や素材を調べつつ描く

前回作成した、魔女っ子3案を使用して実際に三面図を描いていただきました!
※前回に引き続きKさんご担当(ありがとうございます・・!)

▼前回の記事はこちら

また、社内でも評判が良かった、真ん中の女の子(魔女見習いの女の子)を採用いたしました!

こちらの中央の魔女っ子です

バッグの金具はこんな感じかな~?
うさちゃんは羽一個がいいかな~?
髪のグラデの色はこれだよね~

なんて感じで考えながら、調べつつ三面図を描いていきます。
背景に横線(ガイドライン)を引くと、作成する側も見る側もわかりやすいです!
ガイドラインからズレないように
側面から見たらこんな感じ??など想像力を働かせて描いていきましょう~

初稿の完成です!カワイイ~

その2・気になる箇所のピックアップと検証(FB)

一見問題ないように思えますが、気になる部分もあります・・!
そのため、FB(フィードバック)画像を作成し、三面図の調整をしていただきます。
※デザイナーさんと三面図を描く人が別の場合では、出てきた疑問点はデザイナーさんへ伺ったりもします。

調整箇所は、
①三面図自体を調整したほうが良い部分
 ⇒ミス、別角度からの補足、不足箇所など
②写真補足だけで良い部分
 ⇒素材、参考写真、写真やテキスト補足の方が伝わりやすいものなど
③モデラーさんに託したほうが良い部分
 ⇒絵だと整合性が取りづらい部分、モデル作成時に考えた方が良いものなど
のように3点に分けてご対応いただきます。

初稿FB画像が出来ました!

三面図の段階で、3Dモデルを完璧に想定したイラストが描ければ苦労はありませんが、
2Dイラストは、モデルで再現しづらい矛盾やデフォルメ、誇張などが含まれており、それが可愛さの根幹だったりもします。
※今回はデフォルメ強めなので特に。

「どうやってその可愛さを表現するか?」はモデラーさんのお仕事でもありますので、(方針によりますが)プロジェクトの方針に従い、チーム内でモデル側へ委ねる・委ねないを決めていくと良いと思います!

注意:あえてパースを崩したデザインなどは、その旨補足を入れておきましょう!そうでない部分は、見た人が混乱しないようしっかりパースを合わせて描くように努力することが大切です。難しい場合はテキストや写真で補足しておきましょう!

その3・調整作業

だいぶ情報が充実してきました!
(参考写真にはモザイクを掛けさせていただきました・・)
でも本当にこれで良いのかな?モデルが作れる3面図になってるのかなあ・・

ということで、モデラーさんから、一般的に「迷いやすい箇所」や「イメージを教えてくれると嬉しい」という部分を教えてもらいました。
BBDSはモデラーの多い会社です
再現の難しい箇所は、モデラーさんにおまかせしたい箇所として補足文章を入れておくのが良いと思います。

知っておくと、気をつけやすくなりますね。

その4・最終調整

2D三面図はあくまでも理想図となりますので、モデル制作時には整合性が取れない部分が出てきます。
どこを活かしてどこを変更するかをあえてモデラーさんに託したり、お互いコミュニケーションをとりつつ調整をしていきます。

※たとえば、スカートのシルエットや、帽子の形や角度は、モデルではこの通りにはなりません。

出来ました☆

デザインの意図がしっかりと伝わる内容になっていること(こだわりやポイント、モデラーさんにお任せしたい部分など)がより良いモデル作成に繋がるのではないかと思います。

おわり:やっぱり「コミュニケーション」が大切!

今回三面図についてまとめてみて、
2Dデザインと3Dモデルの間で理想と現実のギャップを埋めるためにも、コミュニケーションが大切だな~と改めて感じました・・!

あとは、
・デザイナーさんへのリスペクト
・三面図の役割の定義と理解
・モデラーさんへの信頼

も大切ですね!

三面図はデザインの精度を高め、チーム内の理解を深めることができます。
意図や重要なポイント、モデラーさんに委ねたい部分などを明確に伝え、スムーズにモデル制作が出来るよう留意して三面図を制作していきましょう!

仕事で三面図を作成する場合は、最低限の3Dの知識や視点が必要ですが、
最近は、2Dイラストが描けて、モデル作成もできる!という方も増えてきていますので、区別せずどちらにも興味を持って勉強していけると
デザイナーとして大きな武器になるかと思います!

三面図制作は、次の工程(モデル作成)へ繋げていくとても大事な調整役であり、大切なお仕事です。
作成の際はぜひ、参考にしてみてください。

▼過去の【Tips】記事もぜひご覧ください



広報からのおしらせ

ここまでご覧いただいた皆さまに、プロモーション担当からお知らせです🌼

BBDSでは3DCGデザイナーを積極募集中です!
募集要項&エントリーは↓こちら↓からご確認いただけます☺

皆様にお会いできるのを心よりお待ちしております。

==================================================

●BBDS公式HP https://www.kurohige.jp/

●BBDS公式X(旧Twitter) https://twitter.com/BlackBeardDS



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?