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【開発】カジュアルゲーム開発でのビジュアルスクリプティング使用について

こんにちは。
Black Beard Design Studioカジュアルゲーム開発部署のプログラマーチームです。

開発チームからはリリース裏話を主に投稿していましたが、
今回は、先日リリースの「ピザ・キング・ファイト」で
初めて使用したツール【ビジュアルスクリプティング】の、
実際の使用感等お伝えしていきます。

ピザ・キング・ファイト

ビジュアルスクリプティングについて

今回はデザイナーの方にもロジックの実装を担当して頂くことなり、
この体制を実現するにあたって、C#での開発に加えて使用したのが
UnityのVisual Scripting(以下VS)です。少し前まではBoltという名前でした。
プログラムに余り馴染みの無い方でもコードを書かずにロジックを実装出来る良い機能だと思い使用することにしました。

▼UnityJapan様のYoutubeチャンネルでもどのようなものかを見ることができます

使用してみての発見・メリット

なによりもやはり作業の分担が可能となったことが一番の良かったことでした。
デザイナーの方に先にインゲームのたたきを作っていただいた事で
合流後も比較的スムーズに担当部分の作業をこなすことが出来ました。

ノードベースの処理とコードでの処理、どちらかではなく、
両方が標準で普通に使える、というのは意外と少ないような気がします。
また、完ぺきとは言えないまでも、VSとC#の行き来ももちろん可能ですので、
どちらかが忙しくて手が回らない時や、コードで書いた方が手間が少ない(またはその逆)時など、
VS側にプログラマーが処理を施したりと、柔軟に対応することが出来ました。

UnityとVSを使用することでデザイナーとプログラマーがそれぞれ得意な言語で開発が進められた、
という事が今回の発見であり、このツールを使用するメリットに感じます。

使用にあたり難しかったこと・工夫したこと

今回、初めての導入という事もあり、全てが上手くいったわけではありません。
C#で定義した関数をVSから呼び出すといった場面がいくつもあったのですが、
ノードからC#側の定義に直接飛べるような機能を見つけることが出来ませんでした。
なのでC#の関数の実装を確認したい場合、表示されているクラス名からC#のソースコードを探して開く必要がありました。
どうにかならないかと思いましたが、いい解決策が見つからず、
今回は、探す、という手法を取らざるを得ませんでした。

ノード(+ノードからのアウトプット)の数が増えるとノードとラインが被ってしまい視認性が悪くなってしまうのですが、
間に空のノード(リルートピン的なもの)を打てなかったので、
こちらも今回はなるべくレイアウトを気にして作業をするように心がけました。

リルートしたい!

また、他の方がVSで開発した部分を修正したり、機能追加するといった場面がありました。
私の場合は、以下のように進行するようにしています。

 1.該当の関数で使用している変数の扱いの確認
 2.呼び出している関数の実装の確認
 3.「1」と「2」を踏まえて該当の関数の処理の流れを確認
 4.修正、機能追加する箇所の特定
 5.実装

この時、変数や関数を使用している箇所を一覧で表示し確認したかったのですが、そういった機能を見つけることが出来ませんでした。

今後実装されると嬉しい機能

前述の通り、VSは大変便利ですが、まだ少し足りていないなという部分も少なくなかったです。
使ってみて感じたのは、参照や検索機能がもう一声、というところで、
VSで呼び出しているC#ノードをダブルクリックして該当のC#のソースコードが開いて、関数がフォーカスされたり、
もしくは右クリックのメニューに「定義へ移動」のようなコマンドがあるとより開発が捗ること間違いなしだと思います。

また、変数がどこで使用されているか確認したい時などに
Visual Studioの「すべての参照を検索」のような機能が実装されるととても有難いです。

また、VSはバイナリデータのため、Gitでの扱いが少々難しいです。
作業がコンフリクトを起こさない様に声掛けをし、
SVNを採用する場合は、必ずロックをかけて作業をすることをお勧めいたします。
可能であれば、VS内に差分ツールが実装されると最高です

上記の理由などにより、規模が大きくなってくると、
他の方が実装した箇所を修正したり、リファクタリングするといったことの難易度が高くなっていく感じがしました。
複数人での開発で使用する場合はコメントを細かくの記載したり、
手間はかかってしまいますが、別途ドキュメントを作成するなどするとより効率的に開発が進められると思います。

なによりもVSは実装されてまだ日も浅いので、
これからもっと機能が充実して、
より柔軟なゲーム開発が出来るようになる事を期待しています!

まとめ

最後までご覧いただきありがとうございました。

今回の記事がこれからビジュアルスクリプティングの使用を検討している方のご参考になれば幸いです。

今回の記事でご興味をもっていただけましたら、
下記より「ピザ・キング・ファイト」で遊んでみていただけますと大変うれしく思います。
▼iOSの方はこちらから▼

▼Androidの方はこちらから▼

先月にアップデートを行い、さらにお楽しみいただける要素が増えておりますので、たくさんの方に遊んでいただきたいと思っています!

今後ともVoyageeをどうぞよろしくお願いいたします。


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