教師のリフレクション


教師のリフレクションについて、千々布(2021)は実践的リフレクションや批判的リフレクションに取り組む大切さを次のように示しています。


授業研究を含めた、教師が授業について構想するあらゆる場面において、技術的リフレクションにとどまることを避け、実践的リフレクションや批判的リフレクションに取り組むことで、教師は子どもの主体的・対話的で深い学びを実現する授業ができるようになる。


そもそもリフレクションとは何でしょう?

田中(2018)は次のように定義し、千々布(2021)は3つのリフレクションの具体を次のように示しています。


子どもと自分の間で起こった会話や出来事を現象学的に記述することによって振り返り、あとからその場面を考察することによって新たな気づきを得ること


技術的リフレクション:汎用的な技術や手法を授業に適用していくこと
実践的リフレクション:教師が授業場面に応じて行っている即興的な意思決定
批判的リフレクション:授業において意識すべき目的自体を常に見直す姿勢と考え方


上記のようなリフレクションの種類があることはわかりましたが、いまいちどのように取り組めばよいかピンときません。

以前、参加したとある学会で教師のリフレクションについて学ぶ機会があったので、それをもとに具体を考えてみたいと思います。


その実践では、コルトハーヘンのALACTモデルを活用した授業研究の方法を提案されていました。

8つの問いを活用することで、教師と学習者の視点から授業を振り返ることができるようになります。

確かに勤務校の授業研究は教師が主語で語られることが多く、子どもが主語で語られることは少なかったように思います。

教師が主語で語ることが悪いと言うわけではなく、偏っていることが問題であると考えます。

8つの問いの活用には2パターンあるのではないでしょうか。

授業研究会でそれぞれが教師と学習者の視点から授業を振り返るパターンと、授業参観者は学習者の視点・授業者は教師の視点に限定するパターンです。

どちらが良いというわけではありませんが、授業参観者は学習者の視点・授業者は教師の視点に立つ方が授業を振り返りやすいのではないかと思います。

ついつい「ここはもっとこうすればいいのに」と教師目線で見てしまう研究授業も、学習者の視点に立つと授業の見方自体が大きく変わり、授業から学ぶ・考えることも変わってくると思います。


参考文献

千々布敏弥(2021)「先生たちのリフレクション」教育開発研究所

田中雅浩.”教育現場でのリフレクションの活用~「本質的な気づき」を得るための思考法~”.先生のための教育事典EDUPEDIA.2018/8/10.https://edupedia.jp/archives/23610,(参照2023-1-13)

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