見出し画像

7曲目 想定内

イタリアのサッカーの伝統的な守備の事を"カテナツィオ"と言うが、鉄壁でかつ効率的に守りながら勝つスタイルを指す。

なんとなく、今このスタイルの本質が少しずつ理解できる歳になってきた。昔ウイニングイレブンでイタリアをよく使っていた理由は何となくそんなスタイルが好きで使ってたのかもなー。ブラジルも好きな理由はオフェンスのイメージがあるが、実はディフェンスも相当素晴らしい点。ドイツもだから好き。今はその戦術も変化しては言ってるが、カルチャーとして伝統的なこの戦い方は継承されてる。

資本主義社会は全て結果論だーなんて暴力的な物の言い方は好きではないけど、リアルな現実なので理解は出来る。今日の正解は明日の不正解。あくまで伝統的スタイルの勝率みたいな個人的見解な話を、たまには。

今のコロナ禍、大きく言えば日本、小さくみれば町。なんとなく一年、一周してみて思う事。

”戦略なき保守”をご丁寧に貫かれている気がするのは僕の思い上がりか。

戦略で重要なのは、ゴール設定と仮説。どこが一番の責め時で、どこをどの時間に責められたら一番相手にとってしんどいか。逆にどこをどう守り切れば、自分達は楽に試合運びを展開できるのかを設計できてるかが大切だと思っています。

どんだけディフェンスを固めても前半5分でハットトリックされては攻めざるを得ないのと一緒。じゃあ、どうしたら攻められにくく、点が取りにくくするかを対策する。

うちで言えば屋上の天気や気温、天災は忘れた頃にやって来るって、ことわざがあるように、常に自然との戦い。冬はストーブやエアコンでリスクヘッジできても、夏は未だ扇風機以外の解決策はあまり見当たらない。ミスト扇風機やミストレーンなんかもやってはみたが、どれもミストが風で流されてしまし、うちの天井では低すぎて鉄板や人にダイレクトに水しぶきがかかってしまう。これをクリアするには高額な費用を出して、この形状に合うミストレーンをつける他ないが、これがまた非常に高い。コロナ前なら少しは検討したものの、この時期の高額投資はよっぽど勝ち筋が見えてないとトライするのは怖い。6、7、8月だけの為にこの高額投資をするべきか、本当に毎年悩む。

また、屋上で階段であることから酔っ払いや気分が悪くなった人への対応。エレベーターはビルの構造上作れないし、ビルオーナー側もまず絶対にそこに投資するつもりはないだろう。仮に耐震構造上の問題でするにしても、今の家賃に高額な家賃を上乗せされてしまう。これらは、全てリスクなので想定内にしておかなければならない。

例えば、飲ませすぎたり、一気飲みの禁止だったり、こちら側で配慮できる対策はできる限り目を光らせておき、他のお客様への配慮も忘れず少しずつ解決していけたらと思っています。また、酔っ払いすぎて会計に時間がかかるのもリスクなので、次の予約に備えて、回転時の混雑を避けるため、先払い会計にしようかなど、コロナを機に検討している。

その反面、春から夏にかけては開放的に景色も見れて、風も感じて夕日を見ながらのお酒は格別なものだ。これは冬には体験できない魅力の一つ。逆に冬にはグランピングのテントを張り、人と人との温もりを感じやすくなれるのも屋外であるテラスの冬の魅力。

このように、弱点である部分を徹底的にリサーチして改善しながら攻めて行くのと、なんとなくこんな感じで、っと、ボンヤリしたゴール設定では結果は明らかに違う。

”想定外があること”を、あらゆる角度から想定内で動いていけれれば、気持ちに余裕が生まれ、やるべきことが明確に見えてくる。大切なのは、その戦略を考える時間をどれだけ持てるか。

この日本では天災や災害、地震が起こる確率は高く、悲しいかな、その不安に対して答えることが出来るサービスは、きっとビジネスになってしまう。想定内にしたくないけど、備えあれば憂いなしとあるように、こうした準備もこれからはマストになってくると思う。トイレットペーパーやティッシュ、おむつや生理用品や充電器に防寒着など、災害時に欠かせないアイテムはこれから益々ニーズが高まるだろう。釣り道具はいるにしても、ゴルフ道具なんて真っ先にバイバイしちゃうかも。

だが、現実的に、その戦略に時間を持つことがなかなか難しいのも事実。コロナ禍でどこにアクセルを踏めば良いのかを見極めるのが本当に難しい中、どこをストロングポイントにすべきか、自分のやりたいとやりたくないをきちんと整理しつつ、地域の課題やニーズに耳を傾けなければならない。何よりモチベーションキープが極めて難しい。

風の時代なら、ゆらゆら生きていたいが、ゆらゆら生きてられるほど、状況は穏やかではない。街の一等地では貸店舗の看板がポツポツチラつき始める。コロナが落ち着いたと思えば、都心での感染者が増えれば地方も停滞する。補償があればまだしも、我が街、岡山には何の保証もされないまま。

守ってばかりでは点数が入らないし、どこまで行っても負けはあっても勝ちはない。コロナが代表的なように、周りを気にしながら、世論や世相をとても気にするこの島国。感染以上に怖いのが、感染後の周りへの対応や世間の目。メディアに左右されながらも毎日予約台帳と通帳と睨めっこする日々は相変わらず続く。守りを続けながらも僕らの弱点を克服しながらの攻めはそう簡単なものじゃない。

お隣の中国や海外の先進国に比べ、日本にもワクチンなど、新しいものが入っては来るものの、安心安全が認可されるまでには、かなりの時間を要する。

しっかり吟味し、成功することより失敗したくないこの島国では、店選びも県の方向性も、国の方向性も、ワクチンに対しても、新しいものに対して大なり小なり警戒心は強い。

正解は結果論な部分はあるけど、結果論を出すにはそこに行き着くまでの立て付けがしっかりされてるかが重要。僕らで言えば、今日の予約に対して、どんなお客様がくるか分からないので、予約してくれた幹事さんの声や対応、ネット予約なら名前やメモから判断して紐解いていかなければならない。もっと言えば自分たちの来てもらいたい層への発信からまずはしていくことからが重要。最大限にリスクヘッジしながら、自分達の弱点をどう克服しながら、チームやブランドを強くしていくかを僕らは常に考えていかなければならない。

コロナを期に働き方もガラリと変わり、副業なんて悪ぐらいに捉えられてた数年前とは違い、みんな今になって転職やダブルワークを模索している。

僕自身15年も前から海外では当たり前のダブルワークをずっと続けているが、音楽時代は、音楽業とアパレル業を並行しながらやっていた。今は飲食業とアパレル業、不動産業。当時は、あいつは服屋なのか、ラッパーなのか、オーガナイザーなのか、全部中途半端だ!なんて頭の固いおっさん連中に言われたもんだが、今はそれがベーシック。

僕が正しいと主張したいわけではなく、そうした時代が来ることを想定内にしておけるかが大切。たまたま結果論として、功を奏した部分はあったが、上にも書いた通り、ウチもまだまだ弱点だらけ。本当に未熟だ。

そんなダブルワークを目の当たりにしたのは、約10年前に相方のDJとハワイのクラブにプレイしに行った時、ハワイでクラブ経営してる友達が僕たちにとある人間を紹介してくれた。彼は、昼間銀行員でバリバリのビジネスマン。見るからにカッコ良く仕事が出来そうな雰囲気。ナイスガイで、感じも良い。そんな彼がサラッと口にしたことが今でも記憶に残っている。

なんと、彼は今、そのBARで夜はバーテンダーをしてるんだと。

え?、、、なんで朝から夜まで大変な銀行業務して、夜まで働く必要あるの?

そんな疑問から、あっ!そうか、将来自分で独立するんだな。

彼に聞いてみると答えはそうじゃなかった。

どうやら、銀行員はもう詰まれた職業でこれからはキャッシュレスな時代で、銀行員は有能なスタッフ以外はある程度AI化されてく。

ここから先は

2,944字

¥ 309

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?