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すぐに、それと結びつける母

異性との交際を知られた際、母に避妊をきちんとするよう言われたというエピソードをnoteで見た。私も、いろいろ思い出したので書く。

まだ独身で実家にいて、帰りが遅い、朝帰りなどが多かった時。「これ、見といてね」母に促され机の上を見ると、新聞の切り抜きがあった。

「性行為による性感染症に注意を」

そんな見出しで、要するにそのまま。性行為すると性感染症になることありますよって内容の記事。他にも性行為による婦人科の病気のリスクとか、そういう記事を見つけてはチョキチョキしてんの。よく置いてあったのは30歳ぐらいの時。遊んで呑んで、終電逃して帰らない時が多かった。別に性行為してた訳じゃないんだけど。母はね、30過ぎた娘でも、してほしくないんですよ!性行為というやつを!!そうやってネチネチしたやり方で私に恐怖心植え付けて、性行為とやらを私が望まないように仕向けるんですよ!ほんと気持ち悪い。

もっと強烈なのが、アレだアレ。バイト先で知り合った人と付き合っていると嗅ぎつけ、別れて欲しかったので度々言ってた。責めたてる様に「何のために付き合ってるの」「これからどうするの」「結婚する訳じゃないんでしょ」時に神妙に「…そんなことしたら、結婚する時バレるのよ。バカバカになっちゃうから…」

…この心配の意味、わかりますか…?母が心配することなんですか?

彼とは、大学卒業後、百貨店で販売のアルバイトをしている時に知り合った。確か1こ上で、納品代行会社でアルバイトをしてる人だった。付き合い始めたのは、私がバイトを辞め、無職になった秋頃からだ。電車に乗って、一人暮らしの彼の家まで通っていた。確かにあまり良い付き合い方ではなかった。

あれは年明けだろうか。新しく始めたバイトも続かず辞めてしまい、2階の部屋で連日ゴロゴロしていた。何となく彼とも会う機会が減り、家にいる時間が長くなっていた。そんな時、階段を降りてきた私を、母は呼び止めた。

「ねぇ、バジルちゃん。あなた心配なことない?最近きてないでしょ。わかるなら早い方がいいから」

必死な形相、その手には妊娠検査薬があった。

当時22歳。避妊の知識ぐらいある。確かに遅れてはいたが、母が勘付き、心配して検査薬まで買ってくる、それがもう何とも気持ち悪い。いや「気持ち悪い」一言では済ませられない。この感覚をどう説明すれば良いのだろう。語彙力が無さ過ぎて、今、この出来事を書いている私は、それがもどかしくて仕方ない。

そういえば結婚した後も…あ、もう止めます。長くなるし、語彙力無さ過ぎて、その時の感情を表すのに、的確な言葉を見つけられない。途方にくれそうだから。

若い女性が妊娠を家族にも気づかれないまま出産に至り、子どもを殺めてしまうような事件を、今まで何度もニュースで見聞きした。ウチの母の過分な勘を、分け与えることが出来れば良かったのに。そう思う。


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