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中日ドラゴンズ2023年のドラフトを考える~補強ポイント分析編~

みなさんこんにちは。前回に引き続きドラフトnote、今回は2本目です。今回は補強ポイント分析編です。早速見ていきましょう。

↓前回のnote
中日ドラゴンズ2023年のドラフトを考える~選手紹介編~|ばやのり (note.com)

チーム成績はこちら

投手

先発

・柳、髙橋宏斗、小笠原投手の3人が規定投球回に到達、涌井投手が100イニングをクリア
・松葉、福谷投手が50イニングをクリア
・根尾、仲地投手が一軍、二軍でイニングを稼ぐ
・梅津投手が怪我から復帰
・途中加入のメヒア投手が後半からローテに定着

・大野雄大投手が手術でシーズンほぼ全休
・森山投手が序盤順調にイニングを稼ぐも故障で離脱
・垣越、松木平の2投手も二軍で80イニングを投げるが一軍で計算出来るかは怪しい
・上田投手が中継ぎで起用されておりイニングが伸びていない
・柳投手のFA、小笠原投手のメジャー挑戦による流出の危機

元々ローテの柱であった柳、小笠原の両投手に加えて髙橋宏投手が規定投球回に到達、防御率2.53 145奪三振という申し分ない成績を残しました。他の主力投手のことを考えても、彼が来年以降の軸であることに違いないでしょう。
またトレードで加入した涌井投手が100イニングをクリア、一方で大野雄大投手は手術でほぼ全休となりました、2名とも全盛期ほどとは言わずとも来年もある程度計算出来るでしょう。

ドラフト1位ルーキーの仲地投手と根尾投手が順調にイニングを消化しており、彼らも今後のローテの軸になると思われます。後半からは怪我から復帰した梅津投手も一軍で復活と呼べる投球を披露、途中加入のメヒア投手もローテに定着しました。

来年もある程度戦えそうな陣容の一軍に対して、二軍は絶望的と言ってもよい状況となっています。
垣越、松木平の2投手が二軍でTOP2のイニングを投げていますが、どちらも来季一軍のローテ争いに割って入れるような圧倒的な投球は出来ていません。橋本、鈴木博志投手といった面々もイマイチ殻を破れずにいます。

高卒ルーキーの森山投手は開幕から順調にイニングを稼いでいたものの高卒ルーキーに対する起用と思えない登板間隔もあり、怪我で途中離脱してしまいました。
この登板間隔の短さは人員不足によるものであり、他にも一軍でリリーフをしている祖父江投手が先発をしたり、先発を担う涌井投手が中継ぎで起用されているなど、人員不足による影響が決して少なくないのは見逃せない点です。

また一軍で福谷、上田投手といった先発でイニングを稼ぐことの出来る投手を中継ぎにしている点も問題です。こちらについても改善は必須事項でしょう。

昨年のnoteでも言及したように、現状の二軍は「育成環境としての役割を果たしていない」と言っても過言ではなく、これが続くと数年後の投壊は避けられないでしょう。これに関しては2年続けて野手偏重ドラフトを行ったことや怪我がちな選手を残して健康に投げられる選手を戦力外にしていることなど編成側のミスでもあります。
ここの見極めの改善はもちろん、一軍の主力である大野雄大、涌井、福谷投手といったベテランの衰えによるパフォーマンス劣化・柳投手の2024年オフFA・小笠原投手の将来的なメジャー挑戦といった事情もあり今年のドラフトでは質と量の両方を増やしていくことが求められます。

中継ぎ

・中継ぎ転向1年目の勝野、清水、藤嶋投手が50登板をクリア
・マルティネス投手も守護神として健在
・福、田島、祖父江らベテラン勢の奮起
・育成ルーキー松山投手が圧巻のパフォーマンス
・フェリス、齋藤の途中加入組も活躍

・石森、橋本投手らの伸び悩み
・故障者続出

中継ぎ投手に関しては清水、藤嶋、マルティネスといった既存戦力がパフォーマンスを落とすことなくシーズンを完走しました。勝野投手の中継ぎ転向も成功と言って良いでしょう。
新戦力という意味では松山、フェリス、齋藤投手らが躍動、特に松山投手は圧倒的であり、将来トップチームでリリーフをしているのが想像に難くないです。
また田島、祖父江投手といったベテラン勢も奮起が目立ちました。
このようなこともあり、開幕直前に亡命したロドリゲス投手、負傷した岡田投手の穴は埋まったどころか山が出来ている状態です。
ビハインドの時や特定の投手の登板シチュエーションが定まらないなど、疑問符のつく起用方法もありましたが、これを考え直せば一軍のリリーフは問題ないでしょう。

二軍については石森、森、橋本投手といった中堅投手の伸び悩みが目につきます。特に石森投手はいい時はものすごい投球をするものの、安定してこないのが課題です。故障者が多く、満足に投げられる投手がいないのも先発と同じ課題です。

来季の陣容についてですが、今季とほぼ変わらず、岩嵜投手や岡田投手の復帰もあり盤石と言って良いでしょう。
しかし、ベテラン勢の衰えや来オフに控えるマルティネス投手のメジャー流出など不安要素もあります。マルティネス投手の後釜についてはおそらく松山投手が筆頭でしょう。
先発や野手比べて優先度は落ちるものの、可能であれば下位指名や育成などで継続して獲得したいポジションです。

野手


捕手

・木下が故障離脱
・宇佐見選手の
・石橋選手が打撃で頭角を現す

・山浅、味谷らが経験を積めていない
・郡司選手の放出

捕手について、怪我による離脱はあったものの来季以降もあくまで木下選手が軸となることは変わらないでしょう。
トレード加入した宇佐見が打撃面では活躍を見せましたが、捕手として見るには控えでも厳しい状況であり、ファーストのポジションを守っていることも踏まえると捕手としての出場は減っていくと思われます。
若手では石橋選手がプロ初ホームランも打つなど後半から打撃成績を伸ばし侍ジャパンにも選出されました。スタメン起用が少ないのは気になりますが、木下選手の後釜筆頭と見てよいでしょう。

山浅、味谷選手は一軍帯同していたこともあって思うようにマスクを被る機会を得ていません。来季以降二軍でまとまった出場経験を積みたいところです。

大野奨太選手の引退や味谷選手が捕手以外のポジションを守る機会が増えてきていることを考えても、下位指名や育成で枚数の確保はしたいところです。

内野手(一塁、三塁)

・石川昂弥選手が自身初の規定到達、2桁本塁打
・ビシエド選手の年齢的な衰えによるパフォーマンス劣化

石川昂選手が自身初の規定打席に到達し2桁本塁打をマークしました。攻守に課題はあるものの来季以降のレギュラーとしてチームを背負う存在になっていくでしょう。
一塁についてはビシエド選手の衰えが目立ちます。来季から日本人選手とっして登録されるため起用は今までよりしやすいですが、宇佐見選手や細川選手と併用していくことが考えられます。

それよりも深刻なのが二軍。引退する堂上、福田選手がコーナーを守っており、レビーラ選手の亡命などもあって打撃が重視されるポジションに人がいない状況です。
この問題については鵜飼や福元、ガルシア選手らを回して機会を増やすことも考えられます。
しかし、年齢を問わず将来中軸を担える選手の獲得はマストでしょう。また石川選手の膝の状態は懸念材料のひとつであり、取るならサードを守れるかどうかも基準のひとつになってきます。

内野手(二塁、遊撃)

・龍空選手がショート、村松選手がセカンドの守備で高いパフォーマンスを発揮
・福永、カリステ選手がユーティリティとして活躍
・田中選手がシーズン全休
・全体的な打力不足

レギュラーの放出により新戦力中心で挑むこととなりいい意味でも悪い意味でも注目の集まるポジションとなった二遊間ですが、懸念されていた事項が案の定現れてしまいました。
中心となったのは龍空、村松、福永ら3選手。いずれもいい面と悪い面がありました。
龍空選手は一級品の守備については健在であり、そのすごさは数字にも現れています。村松選手も守備で光るものを見せており、打球の処理などに課題があるものの、守備範囲は広いです。福永選手の持ち味は複数ポジションを守れることと長打力です。
その反面、龍空、村松選手は打撃で、福永選手は守備で課題があります。
2人ともフォームにバラつきがあったりしてなかなか打撃成績がついてきていません。本来は強く振れる選手であり、時折見せる強い打球を見ても打撃のポテンシャルは高いでしょう。将来のことを考えてもこの2人が来季も一軍で出場し続けるような事態は避けたいところです。
福永選手の守備については二遊間では苦しそうなため、ポジションを定めつつ打力を磨きたいところです。
カリステ選手については打撃である程度貢献を稼げるので引き続きバックアップ要員としての活躍が望まれます。
濱選手や支配下に登録された樋口選手は様々なポジションを守ったりしていますが、もう少し強みが欲しいところです。

来季からはOP戦や日本代表との試合で爪痕を残していた田中選手の復活があるとしても、病気の影響でシーズンを通してスタメンの計算はしづらく過度な期待は禁物です。更には今オフ濱選手が外野に完全コンバートとなり枚数が足りない状況です。
将来的のレギュラーとして龍空、村松の2選手を負担を減らし二軍で育成するためにも二遊間の獲得は必須です。
タイプについては意見が分かれるところですが、個人的には二択。スケールの大きな高校生かまず守備がある程度通用する大学生・社会人が挙がります。

外野(中堅)

・岡林選手が自身初のフルイニング出場を達成、初ホームランも記録
・二軍ではブライト選出が大きく数字を伸ばす

・鵜飼、福元選手が起用されている

昨季レギュラーを勝ち取った岡林選手が今季も不動のレギュラーとしてフルイニング出場を達成、初ホームランも記録するなど順調です。オフにはU24にも選出されました。このまま成長していってくれるでしょう。

二軍についてもブライト選手が打撃で圧倒的な成績を記録しています。守備面がどうかというところですが、来季以降この2人によるセンターのレギュラー争いは苛烈を極めるでしょう。

特に不安要素もないですが、あえて挙げるとすれば両翼ですら守備に不安のある鵜飼、福元の2選手が努めていた点。もちろん出場機会を増やすためと捉えることも出来ますがこの2人は両翼やコーナーで打撃に専念して欲しいところです。

濱選手が来季センターでの出場が増えそうなため獲得の緊急性は低いですが、外野の選手を獲得する場合はセンターを守れるかも考慮する必要がありそうです。

外野(両翼)

・細川選手が主砲としてチームをけん引
・大島選手は健在
・鵜飼、福元選手も二軍で好成績

・アキーノ、アルモンテら助っ人が奮わず
・鵜飼、福永選手が一軍に定着しきれない

なんといっても大きいのは現役ドラフトで移籍した細川選手の存在。ライトのレギュラーに定着し24本塁打をマークし得点力不足にあえぐチームに欠かせない存在となりました。
大島選手も併用などでパフォーマンスを維持し8月には2000本安打を達成しました。

一方で大型補強として活躍を期待されたアキーノ選手が思ったような結果を残せず、再獲得となったアルモンテ選手共々来季の構想から外れることとなってしまいました。鵜飼、福元の2選手も二軍では好成績を残していますが、一軍には定着できていません。大島選手の衰えもあるのでこの2人には奮起を期待したいところです。

獲得すべきか否かという点についてですが、ファーストのレギュラー候補がいないことを踏まえると鵜飼選手、福元選手の内野コンバートを視野に入れて獲得も考えられますが、余程の大物でもない限り優先度は低いでしょう。

補強ポイントまとめ

優先度:大


将来先発ローテを狙える投手
一軍のローテ候補を見れば安泰、といいたいところですが二軍やFAも踏まえると投手の絶対数が足りていない状況。先発が多ければ先発ローテから溢れた選手を中継ぎに回すという選択肢も出来るため、複数枚獲得はマストでしょう。
具体的な話をすると上位3枠のうち2枠は先発が出来そうな投手に割きつつ下位や育成でも枚数を確保したいところ。高校、大学、社会人のカテゴリ問わずスケールの大きな投手が望ましいです。

将来の中軸候補
得点力不足は長年の課題でありここを解決しないことには強いチームは出来ません。外国人選手の活躍が難しくなってきており、生え抜きで育てるに越したことはないでしょう。
上位3枠のうち最低1人は確保したいところであり、選手の打力とポジションによっては1位を割くことも考えられます。

優先度:中


一年目からある程度守備面が計算できるショート
ショートの獲得も急務でしょう。どのようなタイプを取るかという点ですが、あくまで龍空、村松選手を二遊間のレギュラーとしてチームを組み立てるならば彼らのライバルになり得るショートを獲得して競争を促したいところです。去年3人獲得していることなどを踏まえても中~下位での獲得が望ましいです。

守備面に優れたキャッチャー
キャッチャーについても前述した様々な背景があり枚数がいないので獲得は必要です。
2年続けて高校生の捕手を指名していること、打撃がウリの石橋選手にハッパをかけるという意味でも、可能性が高いのは守備型の大学生・社会人ではないでしょうか
他の選手との兼ね合いにもなりますがこちらも中~下位での獲得をしたいところです。

優先度:小

リリーフ投手
盤石な布陣のため緊急度は低いですが、起用に幅を持たせ既存の選手の負担を減らすという意味でも可能なら獲得したいポジションです。
球場関係なく速いストレートと絶対的なウィニングショットで三振を取れる松山二世になれる存在が良いでしょう。

強打の外野手
こちらも優先度は低いですが、ブライト、鵜飼、福元の3選手が来季揃って一軍に帯同する場合には二軍の外野手がいなくなります。
獲得するならセンターが望ましいでしょう。

補強ポイントまとめ

・1位はスケール重視で投手か将来の中軸候補野手
・上位は投手2:野手1
・捕手、二遊間も欲しい
・バランスの良い指名

やや投手に寄せつつ今年もバランスの良い指名をしたいところです。

では3本目に続きます。



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