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【秘密の鍵】うまく期待をコントロールできるようになるには?

上田晃司さん撮影(その1)

[テキスト]

本記事の中で、安達さんは、

「仕事ができる人は、おしなべて「人に期待しない」というイメージがあります。

悪い意味ではなく、いい意味で「過剰な期待が身を滅ぼす」と知っているからです。」

と指摘しています。

[ポイント]
商売で成功した人が、傲慢な政治家になったり。

スポーツで記録を残した人が、無能の経営者になったり。

名前の知られた学者が、専門外で的外れの論客になったり。

これらはすべて、

「自分は優れているのではないか」

という誤った期待が引き起こしたものです。

でも、

「できた大人」

は、少なくとも、自分が優れていないことを、知っています。

だから、人に期待せず、他者の力を借りようとする。

そう言う人が、周りを幸せにしていくのです。

[トレーニング]
本記事に依ると、彼らは、次のような、

「トラブルを生みやすい期待」

を一切、持たないがゆえに、幸せなのではないかと、考えられるそうです。

1.「話せば、お互いわかりあえる」という期待を持たない。
⇒まず、ちゃんと相手の思いを受け取るところからスタートする。

2.「他者は困っていたら手を差し伸べてくれる」との期待を持たない
⇒人は「文句ばかりのやつ」より「頑張っているやつ」を助けようとする。正しいかどうかなんて、問題じゃない。

3.「人は成長する」との期待を持たない
⇒大人はたいして成長しないし、多分必要なのは「成長」じゃなくて「適応」。

4.「努力は報われる」との期待を持たない
⇒真に重要なのは、「どこで努力するべきか」を見極めること。

5.「成功者は人格者」との期待を持たない
⇒彼らの発言の真偽は「成功の度合い」とはほとんど関係がない。

6.「自由は素晴らしい」との期待を持たない
⇒「自由」は、常に「責任」とセット。

7.「人は合理的に判断できる」との期待を持たない
⇒合理性とは程遠いのが人間。

8.「正義が存在する」との期待を持たない
⇒結局、多様性を認めるかどうかは、崇高な理念ではなく、コストとリターンの兼ね合いで決まる。

9.「自分は優れているのではないか」という期待を持たない
⇒自分が優れていないことを、まず、知るところからスタート。

[期待せずに生きるためのトレーニング]
人に期待することが、普通の状態の場合、注意していても、なかなか思考の癖が直らないことがあります。

その場合、できることから、少しずつ、チャレンジすることが、お勧めです。

[チャレンジ1]まずは相手を尊重する

相手を尊重できていないと、自分の意見を押し付け過ぎてしまうことがあります。

どんなに親しい間柄であっても、考え方は、人それぞれです。

まずは、相手を尊重することから始めてみる。

人を尊重するには、広い視野を持って、相手の意見を、

「必要なものかもしれない」

と思うことが大切です。

違う意見を持っていることを否定せずに、

「そういう考え方もあるんだ」

と、受け入れることがポイントですね。

違いを認めることをせずに、間違っていると決めつけるのはやめる。

そうすれば、期待値を下げることがなくなるだけでなく、人の話を、よく聞いて、必要だと感じるものだけを取り入れることができるため、自分の成長にも、繋がるのではないかと推定されます。

[チャレンジ2]できることは自分でする

自分でできることは、人任せにしてしまわずに、挑戦するようにしている。

できるだけ、自分でやってみることを心がけると、だんだんと、習慣が変わってくるはずです。

常に、苦手なことを、人にお願いして、代わりにやってもらっていては、成長がありませんよね。

自分でできる範囲を、少しずつ広げていくと、楽しみが増えて、人生が豊かになると考えられます。

幸せを身近に感じられるようになるには、周囲に対してだけでなく、良い意味で、自分自身に、大きな期待を持たないことも大切なんですね。

「できたらラッキー」という程度の気持ちで、様々なことに、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。

[チャレンジ3]なすべきことを為せ(面倒は見るけど)。あとは放っておけ(期待はしない)。

「もしも美しいまつげの下に涙がふくらみ溜まるならば、それがあふれ出ない様に強い勇気をもってこらえよ。

通る小道があるいは高くなり、あるいは低くなって、正しい道を見極めるのが難しいこの世のおまえの旅路において、お前の歩みは確かに平坦なものではあるまい。

しかし徳の力は、常に正しい方向へお前を前進せしめるだろう。

常に行為の動機のみを重んじて、帰着する結果を思うな。

報酬への期待を行為のバネとする人々の一人となるな。」(『一日一言 -人類の知恵-』桑原武夫編 岩波新書から)

とは、ベートーベンの言葉です。

「聖書」には、こうもあります。

「施しをする時、右の手で行う事を左手に知らせるな。」

物理的には不可能ですが、自身の善行を、他人に知らしめ様とする振舞いを、戒めたものであると、一般的に解釈されています。

ベートーベンは、周囲からの賞賛にしろ、将来の物質的見返りにしろ、そこに、何らかの受け取る期待が存在すれば、いかなる行為であれ、それは一つの取り引きに、駆け引きに、政治になる事を示したかったのかもしれませんね。

考えさせられる言葉です。

約束の期待というバネや乗り物には、秘密の鍵をかけておくことができるのか?が課題なんでしょうね。

上田晃司さん撮影(その2)

【復習】
良い意味で、

「期待しない」

って、大事です。

実は、人って、普段から、色んなことを、期待して生きています。

色んな形の期待があるけど、全部、叶わなかったときに、

■怒り

■落胆する

■傷つく

といった負の感情をもたらします。

期待が、大きければ大きい程、負の感情も大きくなります。

それは、誰もがわかってることだと思うけど、だからこそ、期待というものが、自分を縛る重荷になってしまうことがあるんです。

良い意味で期待しないとは、

「諦める」

ことではなくて、物事は、悪い方に転ぶこともあると、

「受け入れる」こと。

良い意味で、

「期待しない」

ができると、悪い方に転んでもすぐ受け入れられるし、良い方に転んだらラッキーとすら感じます。

良い意味での期待しないっていうのは期待を持つな!っていうことではなくて"期待しすぎないでね"っていうこと。

だから、なにか落ち込むことがあったときは、

「期待しすぎてなかったかな」

って考えてみるといいです。

上手く期待をコントロールできるようになった時、すごく心穏やかに生きられるようになるはずです。

【反面教師的な短歌】

「裏庭に日向ぼこする狐おり教師に銃を持てという国」
(西岡徳江)

「ああ犬は賢くあらず放射線防護服着る人に尾をふる」
(小島ゆかり)

「止まったら強制的に電源を切って再び入れれば直る」
(相原かろ)

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