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【1週間短歌ごはん生活】4月に旬を迎える食材と短歌

Nobu Shimizuさん撮影

春が旬の食材はどのようなものが挙げられるのでしょうか。

春の訪れを感じられる、4月に旬を迎える食材たち。

春野菜は、旬の期間が短いため、新鮮でみずみずしさを感じられます。

寒い冬の間に溜まった老廃物を排出させる効果や、新陳代謝を高める効果が期待できます。

また、春が旬の魚介類は、産卵期を迎えていることが多く、うまみ成分を多く含んでいて、おいしく頂けるものばかりです。

と言うことで、そんな4月に旬を迎える食材を詠った短歌に食指が動いてしまわない、かな?(^^)

■さわら

■メバル

■しらす

■たけのこ

「砲弾のごとく両手に運ばれてならべられたり春のたけのこ」

「道の駅の棚にならびて親のない春のこけしはみな前を向く」
(松村正直『風のおとうと』より)

■新玉ねぎ(玉ねぎもOK)

「特売の幟ゆれたる店先に新玉ねぎは芽を出してをり」
(濱松哲朗『翅ある人の音楽』より)

「戻り鰹のたたきの下のつましなれば玉ねぎのうすらうすら甘かり」
(山下翔『温泉』より)

「たまねぎを二つに切れば今まさに芽吹かんとせし芽のみどり色」
(千葉優作『あるはなく』より)

「自転車の籠にたまねぎ躍らせて俺も畑も夕焼けている」
(奥田亡羊『亡羊』より)

■フキ

「ちと一本拝借するぜ蕗の葉を傘に旦那は雨の花街」
(八木幹夫『青き返信』より)

「蕗の葉がテニスコートの北側のフェンスの下に押し寄せている」
(嶋稟太郎『羽と風鈴』より)

■さやえんどう

「さやえんどうの筋をとりつつ背中じゅうで義眼の視線を感じている」
(沖ななも『衣裳哲学』より)

■春キャベツ(キャベツもOK)

「キャベツ色のスカートの人立ち止まり風の匂いの飲み物選ぶ」
(竹内亮『タルト・タタンと炭酸水』より)

「手遅れの傷をわたしに向けながらキャベツ半玉売られてゐたり」
(千葉優作『あるはなく』より)

「夕ぐれをさえぎるために紐をひく昼のキャベツを消化しながら」
(嶋稟太郎『羽と風鈴』より)

「厚切りのベーコンよりもこのキャベツ、甘藍(キャベツ)愛しゑサンドイッチに」

「それでキャベツを齧つて待つた。焼き鳥は一本一本くるから好きだ」

「ざく切りのキャベツちり敷く受け皿にまづバラが来てズリ、皮、つくね来(く)」
(山下翔『温泉』より)

「袋詰めのキャベツを食めばさきの世の馬のたましいさめてゆく夜」
(北辻一展『無限遠点』より)

「三月のキャベツ畑に霧ふかく眠れ失声症のアンドロイド」
(安井高志『サトゥルヌス菓子店』より)

「キャベツのなかはどこへ行きてもキャベツにて人生のようにくらくらとする」
(渡辺松男『寒気氾濫』より)

「青空に満ちくる声を聞きながらバットでつぶす畑のキャベツ」
(奥田亡羊『亡羊』より)

■マンゴー

「熟れてなほ青々として芒果(マンゴー)はレインボーフラッグとならんでゆれる」
(小佐野彈『メタリック』より)

「きりわけしマンゴー皿にひしめきてわが体内に現れし手よ」
(江戸雪「佐藤弓生『うたう百物語』」より)

■グレープフルーツ

「グレープフルーツがどうしても食べたくてローソン100で買った包丁」
(伊舎堂仁『感電しかけた話』より)

「たましいが果実であればこのくらいグレープフルーツ迷ってかごへ」
(工藤玲音『水中で口笛』より)

「グレープフルーツ切断面に父さんは砂糖の雪を降らせていたり」
(穂村弘『楽しい一日』より)

【飲食(おんじき)の歌】
「「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」俵万智
「うちつけに割つてさばしる血のすぢを鳥占とせむ春たつ卵」高橋睦郎
「ガードマンは天丼に対うすぐ裏の工事現場の土をこぼして」柴善之助
「コンビニの麵麭と水だけ口にしてとがらせてゆく秋の結末」安田茜
「サキサキとセロリを噛みいてあどけなき汝(なれ)を愛する理由はいらず」佐佐木幸綱
「しかれども飲食清(すが)し魚汁は頭蓋、目の玉、腸(わた)もろともに」村上きわみ
「そこはだめあけてはならぬ芽キャベツの親戚一同が待ち伏せているから」肉球
「てのひらに卵をうけたところからひずみはじめる星の重力」佐藤弓生
「ねるまえに奥歯の奥で今朝食べたうどんの七味息ふきかえす」岡野大嗣
「ハムカツにしょうゆを垂らす舌にもうざっくりとした食感がくる」山階基
「ほろほろと肝臓(レバー)食みつつふと思う扱いにくき人の二、三を」村上きわみ
「ほんとうにおれのもんかよ冷蔵庫の卵置き場に落ちる涙は」穂村弘
「めきゃべつは口がかたいふりをして超音波で交信するのだ」鶯まなみ
「飲食[おんじき]の最後にぬぐう白き布汚されてなお白鮮[あたら]しき」錦見映理子
「永遠にきしみつづける蝶番 無精卵抱く鳥は眠れり」錦見映理子
「夏至の日の夕餉をはりぬ魚の血にほのかに汚るる皿をのこして」小池光
「芽キャベツはつやめきながら湯にうかぶ<生まれる前のことを話して>」東直子
「芽きゃべつも靄でしっとり緑色おやすみなさいいつも寂しい」吉野朔実
「殻うすき鶏卵を陽に透かし内より吾を責むるもの何」松田さえ子
「寒鮒の肉を乏しみ箸をもて梳きつつ食らふ楽しかりけり」島木赤彦
「交(あざ)わらず愛遂ぐるてふいろくずの累卵のせて今朝の白米(しらいひ)」高橋睦郎
「口中に一粒の葡萄を潰したりすなはちわが目ふと暗きかも」葛原妙子
「死者一切近づくなかれ哄笑しわれらかがやく葡萄呑みたり」小池光
「取り落とし床に割れたる鶏卵を拭きつつなぜか湧く涙あり」道浦母都子
「女学生 卵を抱けりその殻のうすくれなゐの悲劇を忘れ」黒瀬珂瀾
「真昼 紅鮭の一片腹中にしてしばし人を叱りたり」高瀬一誌
「生(あ)るることなくて腐(く)えなん鴨卵(かりのこ)の無言の白のほの明りかも」馬場あき子
「鮮麗なわが朝のため甃(いしみち)にながれてゐたる卵黄ひとつ」小池光
「鳥の卵ひとつのみほすあけぼのへ冷え冷えと立つをとこののみど」小池光
「童貞のするどき指に房もげば葡萄のみどりしたたるばかり」春日井建
「突風に生卵割れ、かつてかく撃ちぬかれたる兵士の眼」塚本邦雄
「箸先に生きて身をそる白魚をのみこみし夜半ひとりするどし」松坂弘
「悲しみをもちて夕餉に加はれば心孤りに白き独活食む」松田さえ子
「壁ぎわに影は澄みゆく芽キャベツがこころこころと煮えるゆうべを」佐藤弓生
「味噌汁尊かりけりうつせみのこの世の限り飲まむとおもへば」斎藤茂吉
「無理矢理に肥大させたる肝臓を抗ひがたく生きて味わふ」本多稜
「卵ひとつありき恐怖(おそれ)につつまれて光冷たき小皿のなかに」前田夕暮
「卵もて食卓を打つ朝の音ひそやかに我はわがいのち継ぐ」高野公彦
「卵黄吸ひし孔ほの白し死はかかるやさしきひとみもてわれを視む」塚本邦雄
「冷蔵庫にほのかに明かき鶏卵の、だまされて来し一生(ひとよ)のごとし」岡井隆
「冷蔵庫ひらきてみれば鶏卵は墓のしずけさもちて並べり」大滝和子
「鵞肝羹(フォワグラ)のかをりの膜にわが舌は盲(し)ひゆめかよふみちさへ絶えぬ」塚本邦雄

【参考記事】

【おまけ】

【愛知県】ヤマトパンの「愛知のたけのこパン」

「もう一軒 おつまみ横丁-さらにおいしい酒の肴185」(池田書店の料理新書シリーズ) 瀬尾幸子(著)


うれしいことに、本書には例の「玉ねぎリングフライ」も載っている。
その「衣」について、こんな一言アドバイスが添えられている。
〈衣の「卵1個+水」は、計量カップに卵1個を割り入れ、 1/2カップ(100cc)の目盛りまで水を注ぐという意味〉

日本原産と考えられている野菜は、セリ、ミツバ、フキ、ウド、サンショウ、ワセビ、ジネンジョなどがあります。
どれもこれも山野に自生しているものばかりで、野菜というよりは山菜といった感じです。

山崎まさよし「One More Time One More Chance」

自ら主演をつとめた映画「月とキャベツ」の主題歌です。
柔らかなメロディーとストレートな歌声は、時を経ても輝きを失わず、新鮮に響いてきて、すごく印象的で物語を感じますね。

「キャベツにだって花が咲く」(光文社新書)稲垣栄洋(著)

中原めいこ「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね。」

柑橘類:みかん・グレープフルーツ・レモンなど。
クエン酸やビタミンも豊富。
整腸作用や老化防止作用もあります。
香りにリラックス効果もあります。

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