【漫筆】ショートショートの練習(その4)「未解決事件:「わたし」連続殺人事件」
co1さん撮影
【ショートショートの練習】
未解決事件:「わたし」連続殺人事件
「わたくし」を全て殺してきた。
その数は、億、兆のレベルではない。
誰も気にもとめない街。
京、垓、穣、溝、澗、正、載、極、・・・へと被害が増え続ける不可思議な現実の世界。
誰が殺したのか。
この事件の謎を、真相を解き、止めなければならない。
これ以上の罪を、重ねさせないために。
「わたし」が抜け出し生き延びた全ての道の先で。
犯人と思しき逃亡者を捉えなければならない。
ぼろぼろになりながら、走る、走る、逃げ続ける。
無実の罪を晴らそうとでも思っているかの如く一心で。
過去の「わたし」を次々に殺されていく前に。
追いかける「わたし」。
ひたすら走る走る!
逃げる逃亡者。
「わたし」の中に潜むシリアルキラーである「私」が逃げ続ける。
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「青き空 わたしの上にひるがえる旗には「壊せ神殿を」とありぬ」
(大島史洋『どんぐり』より)
「どんぐり―大島史洋歌集」(gift10叢書)大島史洋(著)
「長雨の明けてとんぼの高く飛ぶいのち余さず秋空をゆけ」
(久我田鶴子『転生前夜』より)
「久我田鶴子歌集」久我田鶴子(著)
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「再びを調べつつ書く楽しさを吾に給えな越えるべき日々」
(大島史洋『どんぐり』より)
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【ショートショートのお手本】
「妄想銀行」(新潮文庫)星新一(著)
「午後の恐竜」(新潮文庫)星新一(著)
星新一ショートショート『午後の恐竜』の「午後の恐竜」
「抜けてきたすべての道は露に消え連続わたし殺人事件」
(吉岡太朗『ひだりききの機械』より)
「ひだりききの機械―歌集」吉岡太朗(著)
【関連記事】
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【参考記事】
【参考図書】
「季刊文科84号 特集「超短編」のすすめ」津村節子(編)
「季刊文科86号 特集・超短編のすすめ 女性作家編」津村節子(編)
「超短編小説70 Sudden Fiction」(文春文庫)ロバート シャパード/ジェームズ トーマス(編)村上春樹/小川高義(訳)
「超短編小説・世界篇 Sudden Fiction 2」(文春文庫)ロバート シャパード/ジェームズ トーマス(編)柴田元幸(訳)
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