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“ほどほど”って大事じゃないですか?

「ぼちぼちいこか」マイク・セイラー(著)ロバート・グロスマン(イラスト)今江祥智(訳)

「ぼちぼちいこか」マイク・セイラー(著)ロバート・グロスマン(イラスト)今江祥智(訳)

「ぼくは○○になれるやろか」

次々になりたいものに挑戦するかばくんのお話で、今江祥智氏による関西弁の訳がピタリとはまった、ゆかいな絵本です。

どうも今の世の中、せっかちになりすぎだと思いません?

クレーマーに、モンスター・ペアレンツ、果ては暴走老人までもご登場する現代、日本!

大人も子供もやっぱりせっかちです。

大人も子供も「やりたいことを見つけなさい」とさんざん言われて追い立てられ、なんだか、逆に息苦しくなって、閉塞感漂う始末。

せっかく会社に入っても、最初から、やりたい仕事ができるわけでもなく、若者の転職率は高まるばかりで、なんだか負のせっかちスパイラルがそこかしこで渦巻いているような・・・・・・そんな世の中で暮らしている感じがします^^;

皆さんも経験があると思いますが(もちろんリアルな方も)自分のキャパを越えたような大きな物事や失敗に対面した時、何も手につかず呆然としたり慌てたり・・・・・・

そんな時こそ「ボチボチいく」ように考えるとプラス思考100%になります。

思い切って休憩するも目の前の事を一つ一つ片付けていくのも自分次第で自由!!なんですよね(^^)

ってことで、たまにはこんな絵本を眺めてリラックスしましょうよ、ってお誘いです。

主人公は、ヤル気満点な夢追いカバ。

このカバさん、消防士、船乗り、パイロット、バレリーナ・・・・・・と、夢の職業に次々チャレンジしていくものの、どれもこれもダメ。

体が重くてハシゴが折れたり、船が沈んだりで、「なれへんかったわ」と関西弁でギブアップする始末・・・・・・

何をやってもうまくいかない。

どうしたらええのやら・・・・・・と悩み、普通なら落ち込んでしまう所を最後には、そや、ええこと思いつくまでハンモックでちょっとお休み。

あわてず騒がず、一気に脱力モードにシフト・チェンジできるところがスゴイところですね。

カバの身体だけではない度量の大きさに心打たれると同時に随分と楽な気持ちになる感じがします。

そう言えば、関西、特に大阪では「最近は調子どうですか?」の問いかけに対し、絶好調でもそうでなくても、おそらくほとんどの人が「ボチボチですね~」と答えます。

この言葉が結構好きで、唐突に相手の景気を伺うこの不躾な問いかけに対し、「ボチボチですね」の一言で軽くいなしてしまう大阪人にワザを感じます。

「柔よく剛を制す」一本背負いを狙う相手を身のこなしで「支え釣り込み脚」で一本とってしまう柔道に似た感覚でしょうか?(爆)

「訳者のことば」で、今江祥智さんもこんなふうに書いています。

「とにかくせちがらく、あわただしい世に、じっくりと自分をみつめ、ぼちぼちと自分について考えてみることも、たいせつではないでしょか」

うんうん、まったく同感ですよね。

ま、ぼちぼち行こか、ということ(Take it easy! )やね。

のんびりとおしまい。

やってみる仕事はすべて失敗するのだけれど、主人公カバくんの顔がなんともとぼけていて楽しいですから(^^)

「ガマン」という言葉が嫌いな人は、「待つ」と言い換えてみたらどうでしょうか?

昔から言うじゃないですか。

「果報は寝て待て」と。

これ、やることをやったら、後はジタバタせずにゆったり生きることを説いたことわざです。

カフカさんも「人間のあらゆる過ちは、全て焦りから来ている。」と言っていたので、状況を冷静に見て、焦らずに、落ち着いて考え行動するようにしないと、ね。

焦りが出てくると、余計な情報まで気になってきて、冷静に物事が見えなくなるから、そうならないためにも、危機管理の意識を普段から持つように心がけないと^^;

焦らず、騒がず、スローな気分で生きましょう、か、ねぇ~♪

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