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④/⑥「デキる人、頭の良い人」は『人間偏差値が高い人』_失敗を成果に変える技術

多くの企業は、成果主義のマネジメントを採用しています。

読者の中には、成果主義のもとで日々追い詰められ、辛い思いをされておられる方もいらっしゃると思います。

その理由は乱暴な言い方ですが、目標を達成すれば「良」、失敗したら「悪」と評価し、「失敗は悪」であるというマネジメントをされるからです。

しかし、社会環境や人間関係の概念が大きく変わった今、そのような成果主義でこのまま成果を上げ続けていけるのか、いささか疑問を感じます。

例えば、環境、グローバール、情報の概念の変化です。

1)環境の概念が変わった。
・コロナ禍以後、リモートワークが進み、働き方が大きく変わった。
・人間関係の機微が変わった。(人と関わりたいという欲求が強くなった)

2)グローバルの概念が変わった。
・世界のどこかで戦争や感染症が発生したら、あっという間に私達の生活が一変する。
・頭の中の地球儀が、バスケットボールからピンポン球くらいに小さくなった。

3)情報の質が変わった。
AIは、次のようなことを担ってくれるようになりました。

・DXによって、新しいUXを創出する

・新しい知識と過去の知識を体系化して、新たな概念を創る

・チャットGPTは、ビッグデータから欲しい情報に加工して提供する。

  ※DX デジタルトランスフォーメーション
  ※UX ユーザー体験

これらを踏まえると、今後人間とAIが各々役割を持って学習し、イノベーションを起こす学習マネジメントをしていく必要があります。

今日は、成果主義の後に来る学習マネジメントとはどういうものかについてお話します。

まずはロジラテ思考のファーストステップ Whatから分析してお話します。

1.What_「失敗を許さない」マネジメント


私にも覚えがある失敗です。

部下がミスしたとき、再発しないように話をしていた筈が、知らないうちに叱責や非難に変わっていき、業績、効率性、行動を求める「失敗を悪」とする行動マネジメントをしていました。

しかし、このようなマネジメントは今後AIの出現で変わらざるを得なくなります。

過去に起こった失敗から学習し、再発防止策を導きだす作業はAIが得意をすることで、過去の事例をベースとした行動マネジメントは今後AIが担うことになるでしょう。

では、私達人間がやるべきマネジメントとは何でしょうか?

それは、AIができない分野を担うことです。

例えば多様な人達を集め、沢山実践し、失敗し、そこからイノベーションを起こしていく学習マネジメントですが、失敗を期待するマネジメントはAI(※1)にとって苦手とする分野です。

※1 今のAIは、人間が考えた論理的な失敗を繰り返して学習していますが、人間がやらかす気まぐれな失敗はAIはできません。

【学習マネジメント】
・多様な人達を集める
・多様な人達と行動(実践)する
失敗と学習を繰り返してイノベーションを起こす

次はロジラテ思考のセカンドステップ Why、何故そうなるのか?について分析します。

2.Why_許される失敗と、許されない失敗

読者は、
「失敗を肯定したら、いい加減な仕事をする人が出てくるはず」
「そんなマネジメント。。。できるはずないでしょ?」

と思われる方もいらっしゃると思います。

確かにその通りです。
わたしは全ての失敗を肯定し、そこから学習すれば良いと言っているのではありません。

失敗にも許される失敗許されない失敗があります。

許される失敗の事例としてIBMの話をご紹介します。

IBMのトムワトソンJRと1000万ドルの損失を出した担当者との会話(以下要約)

ワトソン「なぜ君が呼ばれたのか分かるかと聞いた。」

責任者 「クビを言い渡されるためだと思います」

ワトソン「まさか?君に学んで貰うために1000万ドルもかけたんだぞ」
    「これからもリスクを恐れず思い切ってやってくれ。」
    「積極的に失敗しないなら、イノベーションに真剣に取り組んでい
     るとは言えない。」
    「成功する最短の道は失敗率を二倍にすることだ。」


 『チームが機能するとはどういうことか』エイミーCエドモンドソン著

つまり許される失敗とは、学習と実践ができて、そこからスキルや暗黙知だった常識を資産化できる失敗です。

メンバーが、これまでに直面したことのない困難な仕事や、不確実性の高い仕事や、仮説の間違いによる失敗は、良い失敗として評価するマネジメントです。

逆に許されない失敗とは、行動・スキル・注意力の散漫、怠慢から生まれた失敗です。この場合は、信賞必罰です。

次はロジラテ思考のサードステップ How、どうするのか?を考えてます。

3.How_どうやれば、成功する失敗をするのか?


一番目にやること
許される失敗許されない失敗の定義を、コミュニケーションの中で話合うことです。

二番目にやること
メンバー同士が成果を念頭に置いた会話なら、なんでも話せる「心理的安全」環境をリーダーが創ることです。

次はこのふたつを実践するにはどうすればよいかについてお話します。

それはロジラテマネジメントです。

常日頃から、メンバーからあがる情報をロジラテ マネジメントで、時系列に記録しそれを元にメンバーと話しあうことです。

ロジラテマネジメントとは、上がった情報を時系列にWhat,Why,Howに分解して時系列に記録する方法です。

What(現状把握)  何が起こったのかを、主観を交えず聴き切る
Why(仮説設定)  何故それが起こったのか、一緒に考える
Why(課題設定)  解決しなくてはならない問題を一緒に見出す。 
How(戦術設定)  課題を解決するための戦術を一緒に考える。

このプロセスのなかで、リーダーはメンバーに「心理的安全」環境を提供し、新たにチャレンジを皆で考えて実践します。

実践が失敗に終わっても、それは「失敗は悪」ではなく、「失敗は資産」とするようなマネジメントをすれば、いずれ失敗が成果を生み出す源流となります。

皆さんはいかがお考えでしょうか?


【ロジラテマネジメントについての記事】
ロジラテマネジメントのご興味がありましたら、是非お読み下さい。

【「デキる人、頭の良い人」は『人間偏差値が高い人』連載記事】
この記事にご興味頂けましたら、是非①~③もお読み下さい。


【最後に】
この記事は、全ての物事をWhat~Howに分解するロジラテ思考で書いています。ご興味ありましたら、是非ロジラテ マネジメント マガジンお読み下さい。

What(現状) 何が起こって
Why(仮説) 何故それが起こって
  (課題) 仮説から解決すべき問題を見出して
How(戦術) どうすれば、その問題が解決できるのか?



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