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「マネジメントが発明された理由」を知ると「成果の質」が変わります。
マネジメントは日常的に聞く言葉ですが、その意味を尋ねられたら概ねこんな答えになるのではないでしょうか?
・方針管理、戦略、戦術で成果を上げること
・メンバーのモチベーションを維持すること
しかし、マネジメントの意味はもう少し深いものがあって、それを知っているのと知らないのでは、成果の質が大きく変わります。
今日は、マネジメントについてお話したいと思います。
1.マネジメントを発明した人は誰?
マネジメントを発明した人を存じでしょうか?
読者の中には
「えっ?! マネジメントが発明された? 発明されるものなの?」
と違和感を感じられた方もいらっしゃると思いますが、発明したのは経営学者であり社会生態学者として有名なピーター・ドラッカーという人です。
ドラッカーは、1909年にオーストリア生まれのユダヤ人で、ナチスのホロコーストの渦中にいた人です。
ホロコーストは1933年から始まりますが、ドラッカーはその情勢をいち早く察知してイギリスに亡命し、その後アメリカで大学教授や、GE,GM社のコンサルタントとして成功をおさめました。
2.マネジメントが発明された背景
皮肉なことに、マネジメントの発明のキッカケとなったのは、ナチスとの関わりが少なからずあります。
ホロコーストが始まったとき、すでに数十万人のユダヤ人が虐殺されていたのですが、ヒトラーはこれに満足せず、全てのユダヤ人を抹殺せよと指示しました。
人類最大の悲劇です!
しかし、戦局は悪化していてナチスは最前線に兵士や兵器、武器弾薬を輸送しなければならず、鉄道局はユダヤ人の移送に充てる余力はないとの態度でした。
これにヒトラーは苛立ち、ゲシュタボ将校のアイヒマンという男を、ユダヤ人輸送の総責任者に据えたのです。
アイヒマンが生来もっていた才能は“話術”、“組織構成力”、“機敏さ”。
彼の人生の目的は出世です。
彼は人生の目的を達成するために才能を駆使し、頑なにユダヤ人移送を拒否していた鉄道局を口説き落として700万人のユダヤ人を虐殺してしまったのです。
その功績によってヒトラーはアイヒマンを昇格させ、ホロコーストの全権を任せるまでになりました。
しかし1945年にナチスは敗戦し、アイヒマンはアルゼンチンに逃亡したのですが、1960年にモサド(秘密警察)に逮捕され、国際裁判にかけられて死刑に処せられました。
3.なぜマネジメントが発明されたのか
さて、ここからマネジメントが発明された理由が明らかになります。
以下は、裁判官とアイヒマンのやりとりです。
裁判官
「貴方は、何百万というユダヤ人を虐殺したことにとに対し、良心の呵責はありますか?」
アイヒマン
「もちろん多少の良心の呵責はあります。」
「しかし、それより私はヒトラーから評価さ
れ、昇進を与えられたことに喜びを感じていました。」
「一人の殺人は犯罪だが、大勢の人の殺人は
単なる統計でしかないと思います」
と述べたそうです。これを見ていたドラッカーは、こう考えました。
トップが目指す姿を間違えると、人は大きな間違いを犯すことになる。
ではトップの目指す姿は何んであるべきか?
それは自分達の成果は、誰かの貢献に繋がる
ものでなければならない。
それを常に結果と目標を照合しながら活動を
するためのマネジメントという概念がなければならない。
ドラッカーは、二度とこのような悲劇を生み出さないために、マネジメントを発明しました。
3.マネジメントの本当の意味
企業に置き換えると、
企業活動が理念に根差したものになるように、マネジメントすることです。
もし、経営トップが理念に根ざした方針、戦略を語らず数値目標ばかり語るとどうなるか?
それは不正、改竄、不祥事に繋がることになります。
出世を目的とした優秀な社員は、アイヒマンのように手段を選ばず業績をあげようとするかもしれません。
経営陣が常に理念を語り、それに基づいた方針、戦略、戦術を実践できれば、例えアイヒマンのような社員がいても、その人の才能(強み)を活かして正しい成果を上げられるようになります。
そうなんです。
マネジメントの本当の目的は、ここにあります。
皆さんは如何お考えでしょうか?
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