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相手の心を掴んで離さない行動論 #A02

貴方の話に、人が耳を傾ける瞬間を知っていますか?

私が大学生のとき、古橋君という友人がいました。彼は決してイケメンでもなく、お金持ちでもないのにナンパの達人でした。

ある日、古橋君からナンパに誘われたときの話です。
古橋君「飯田さぁ。。。デパガの女子寮にナンパ行くから、行こうぜ!」と言われました。

当時、私はそれほど社交的でもなく、ナンパなんてやったこともない大人しい学生でしたから、女子寮にナンパなんて想定外。まったく気が進まなかったのですが、彼がどんなことするのか見てみたいという好奇心もあり、付き合うことにしました。

女子寮は、鉄筋造りの5階建。しかも入り口は管理人室があって厳重にガードされているので、とてもじゃないけど中に入るわけにもいきません。

私「やっぱり無理じゃん。。。帰ろうよ・・・」
と言ったとき、すでに古橋君は女子寮に面した道路に立って、大声を発していたんです。

古橋君「鈴木さぁーーん! 早く行かないと”ヴィトン”売り切れちゃうよぉ」

すると2、3室の窓が開いて、女の子がこっちを見ているじゃありませんか!

古橋君は、開いた窓を全てを見ているような絶妙な視線を投げかけて「あっ!鈴木さんだぁ! 早く下りてきなよ! ヴィトンの話しようぜ!」
とたたみ掛けて、なんと2人の鈴木さんをゲットしたという話です。

人は自分が得すること、興味があることは、聞き取る能力を持っている。

皆さんはカクテルパーティー効果って聞いたことありますか?
どんなに混雑している中にいても、自分の名前や、自分が一番興味のあること。。例えば好きなタレントの名前を耳にしたとき、思わず振り返るというような。。そう。。あれです。

古橋君は、このカクテルパーティー効果を使っていたのです。もっとも意識してかどうかは定かではありませんが、もし意識してやっていたとしたら、奴は相当悪党ですが。。。苦笑

「鈴木」という名字は日本で一番多い名字だそうで、沢山の女の子が住んでいる女子寮ですから、一人や二人は必ず鈴木さんはいるはずです。古橋君は
そこを狙って「鈴木さん」を連呼していたのです。(やはり悪党です!)

「ヴィトン」は、どんな女性でも興味を持つブランドです。

「売り切れ」というワードは誰でも反応する言葉です。古橋君は「鈴木」、「ヴィトン」、「売り切れ」というキーワードでカクテルパーティー効果を誘導してナンパしていたんです。

これはビジネスでも同じことが言えます。お客様の困っていること、欲しがっていること、憧れていること、これを知っていれば商談を進めることはかなり有利になります。

さらにもっと効果的なワードがあります。それはお客様自身が気づいていない困り事、欲求を言語化してあげると、これは最強のキーワードになります。古橋君は、見事にこれもやっていました。見た目がアクティブな女の子には、

「君はヴィトンのようなすぐ傷つきそうなバッグより、ハンティングワールド(当時流行っていました)の方が、テニスとか行くときはよく似合うよ」
というと。。。「あぁ やっぱり? 私そんなにアクティブに見えるぅ?」

っというように、顧客?(苦笑) が気づいていない、かつ言語化できていない欲求を見事にキーワードにして、がっちり彼女の心を掴んでいました。

ビジネスに話を戻すとお客様自身の「環境、行動、能力、信念」などは、意外に言語化できていない場合が多いのです。ここを見極めて、お客様が抱えている問題、課題を見出して解決していけば、必ず成果があがるはずです。
※例えば「あなたの強みはなんですか?」と問うと大抵答えられない。

ここを理解して日頃のコミュニケーションを図っていくと、貴方の伝えたいことが伝わるようになり、お客様の困り事や、欲求をうまく引き出すことができます。

次回は、お客様の困り事、欲求をどうやって探り出していくかについてお話したいと思います。



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