日本人としての真面目な私。
はじめに
私は現在スコットランドの野菜工場でパートとして働いています。
主な仕事はベルトコンベアに乗って流れてくる大量の人参から、形が悪かったり傷んでいたり、短く切れていたりするものをピック(拾う)する、という単純作業。
その他にも野菜を切ったり、種を取ったり、袋詰めにする作業もします。
野菜工場で一緒に働く同僚たちのほとんどは、外国から出稼ぎにきた外国人労働者たち。英語もほとんど話さない仲間たちは、ポーランド、ルーマニア、アフリカ、インド、パキスタン、ブルガリア・・・と世界中からきていて、私もそんな中に加わって身振り手振りで会話しつつ、楽しく働いています。
そんな私の以前の職業は看護師です。
日本で約10年、イギリスで16年、今まではずっと病院で仕事をしてきました。今回スコットランドに移住してきたんですが、引っ越しする前は何の疑問もなく、私はこれからも病院で仕事をしていくものだ、と思っていましたね。
ところがです。こっちではなかなか仕事が見つからない。病院に何度も何度も応募して、面接にもこぎつけるけれど、雇ってもらえない。あれれ?なんでやろ。病院は人手不足で、私は経験も豊富で言葉も不自由はないのに、何故だか雇ってもらえません。うーん、困った。なんとか働かないと暮らしに困ってしまいます。
ということで病院での仕事が決まるまで、近所の野菜工場で働くことにしたんです。
イギリスで働いてきた日本人のおばちゃん看護師、そして様々な国から来た外国人労働者たちと一緒に野菜工場で働く私の仕事のポリシーはこれです。
・時間を守ること
・真面目に、一生懸命働くこと
・自分の頭で考えること
・チームとして働くこと
・環境を整えること
・親切に、笑顔で接すること
時間を守ること
これは私たち日本人にとっては「あたりまえ」なんですが、外国ではなかなかそうはいきません。
「何時に行くよ」と約束していてもその時間に現れることはほとんどないし、指定の配達時間もあってないようなもの。
始業時間に遅れることも当然のようにあります。
それでも中にはきちんと時間を守れる人もいる。私がその人を信用できるか判断する基準は、その人が時間や約束を守れる人かどうか、が第一のチェックポイントです。
時間にきっちりしている人は、他の部分でも、何事もきっちりしている場合が多いです。
そういう意味から、まずは私自身も時間はきっちり守るようにしています。
真面目に、一生懸命働くこと
これも当然です。
でも世界レベルでは、日本人のように真面目に、一生懸命働く人は多くはないです。ずる賢く自分の仕事を押し付けたり、隠れて休んでいる人も当たり前のようにいます。
でも私は私。自分は気持ちよく、きちんと真面目に、一生懸命働くことを基本にしています。他の人は見ません。笑。
自分の頭で考えること
看護師として働いていた時は、その患者さんの状況に応じて臨機応変に対応する能力が求められていました。
でもそれがただ人参をピックする、という単純作業であっても、どうすれば効率がいいか、どんな風に身体を動かせばやりやすいのか、自分の頭で考えて工夫するように心がけます。
何か問題が起きた時には、報告すると共にどうすればいいのかを自分で考えるようにします。
この時代、コンピューターに聞いたりマニュアルに沿ったり、自分で考え、判断する機会が少なくなりました。だからこそ、自分の頭で考える。それは大切なポリシーです。
チームとして働くこと
必ずチームの一員として働くことにしています。たとえその仕事を自分だけに任されたとしても、一人では抱え込まない。怠け者の仕事仲間が仕事を押し付けてくるときも、まずは自分の目の前にあることを済ませ、余裕があれば手伝う。個人の責任ではなく、チームの一員として責任を果たすように心がけています。
チームで働くということは、視野を広げるということでもあります。広い視野で、チームとして働くこと。そういう意識は自分のためにもチームのためにも大事なことだと思います。
環境を整えること
働く場所は’整理整頓し、整えることもポリシーの一つです。掃除に整理。とにかくきちんと整理整頓。
ただ私はまっすぐのものがちょっとでも斜めになっていると許せない、やばいタイプの几帳面さを持っているので、そこのところは他人には要求しないように、自分が満足する程度に働く環境を整えることにしています。
親切に笑顔で接すること
誰にも親切で、笑顔で、機嫌よくいること。顧客にも同僚にも、そして私自身にも常に親切で機嫌よく、笑顔でいたい。
それは簡単なようで、一番難しいことかもしれません。
’
おわりに
看護師であろうと、野菜工場のパートであろうと、私の仕事のポリシーは同じです。働く場所が日本であっても外国であっても変わりませんね。
私は私。日本人の真面目で良く働く私として仕事に取り組んだとき、それは必ずしも受け入れられないときもあるし、結果につながらない時もある。自分だけが損をする場合もあります。特に外国では損することの方が多いかもしれません。仲間に入れてもらえないことだってあります。でも「自分はここに仕事をしにきているんだ。友達を作りにきているわけではない。」と自覚することで、自分が何をすべきかが見えてくる。
まぁでも、こんな風に私が掲げる仕事のポリシーは、日本人にとっては当たり前のことばかりですよね。でもそれは世界レベルで見れば決して当たり前のことではなく、本当に誠実で大切なことばかり。やっぱり日本人はすごい、と長年外国で働いてきた私は思います。
私は私。日本人としての真面目な私。それが私の仕事のポリシーです。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?