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【読書感想】わかる!使える!デザイン
どうも地方公務員のばたやんです。
今回は、デザインに関する本を読んでとても参考になったことがありましたので感想を書いていきます。
💠わかる!使える!デザイン
著者:小杉幸一
宣伝会議
💠どんな本?
著者の小杉さんはアートディレクターとして、サントリー「特茶」、SUZUKI「HUSTLER」、日本郵政グループ「進化するぬくもり」などたくさんのプロジェクトにおけるデザインを担ってきました、そこでは「コミュニケーション人格」でプロジェクトを明確にするクリエイティブディレクションやアートディレクションを行なっており、本書にはこの「コミュニケーション人格」とはなんなのか、ディレクションを行う際のポイントなどがたくさん書かれています。
💠ビジュアルデザインはコミュニケーションツール
本書の「はじめに」では、“ビジュアルデザインは、今を人たちの共通言語” と書いています、私は「はじめに」をよんんで、デザインすることはビジュアルコミュニケーションをきちんとディレクションするということだと理解しました。
本書ではデザインするときに悩んでしまうことを減らすために「コミュニケーション人格」というメソッドを紹介しており、それは先ほど述べたビジュアルコミュニケーションをきちんとディレクションするということなのだと感じました。
💠コミュニケーション人格
さっきから登場している「コミュニケーション人格」について、本書ではコミュニケーションプランにおける指針そのものだと書いています。
私たちはビジュアルからさまざまな情報を“無意識”のうちに受け取り、その情報たちを頭の中で編集し人格化して捉えています。
本書では携帯キャリアの大手4社のビジュアルデザインを人格に置き換えて紹介されていました。
docomoはビジネスパーソンのイメージ
SoftBankはユニークでオリジナリティのある人のイメージ
auは親しみやすい女性のようなイメージ
Rakuten mobileは現代的で主張のはっきりとした人のイメージ
どうでしょう?
皆さんもなんとなく近しいイメージを持ったのではないでしょうか。
このように、私たちはそれぞれの企業のビジュアルデザインの要素から人物像を無意識のうちに作り上げているのです。
本書ではこの習性を逆手に取ってデザインしていくときにコミュニケーション人格を詳しく設定することで迷わず制作を進めていけると書いています。
💠コミュニケーション人格の要素
◯色は性格
例えば、温和そうな性格の人ってどんな色してると思いますか?
なんとなく明るいオレンジ色や黄色、ピンクなんかを思い浮かべますし、逆に冷静で切れ者の人は暗めの青やグレー、黒のイメージがしっくりきますよね、このようにデザインを人格としたときにどんな性格の人かを決定づけるのが色(配色)です。
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◯書体(フォント)は声色
明朝体はおしとやかな声色がしそうですし、ゴシックは力強い中低音が聞いている声色がしてきそうな印象がありますよね、書体はコミュニケーション人格が発する声色と捉えると分かりやすいです。
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◯文字間は話し方
文字感がぎゅっと詰まっている文章は早口で喋ってそうですし、文字感に余裕がある文章は一音一音ゆっくり話していそうです、文字の間隔はコミュニケーション人格の話し方を表します。
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◯文字サイズは声量
文字の大きさは声の大きさを表します、大きい文字はインパクトがあり大きい声でしゃべっているように見えますよね、逆に小さい文字はひそひそ話しているような主張しない印象を持ちます。
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◯レイアウトは姿勢
レイアウトはコミュニケーション人格において生き方の姿勢を表現します。
要素がきっちり整列されているレイアウト→何事もルールに沿ってきっちり生きていく姿勢
情報量が多いレイアウト→情報を間違いなく確実に伝える姿勢
余白が多いレイアウト→ゆとりや思想を持ち余裕がある姿勢
立ち姿からその人となりが見えるなんて言うこともあるので、レイアウトはコミュニケーション人格の人となりを表しているとも言えそうですね。
◯イラストレーションはファッション
ここで言うファッションとは服飾ではなく、【流行・風潮・様式】のイメージです。
その時代その時代で受け入れられるイラストのテイストは変わっていくもので、本書では「時代をとらえる力=ファッション」としています。
日頃からどのようなイラストやトーンが流行っているのか意識しましょう。
◯写真は視点
最後は写真、これはコミュニケーション人格が見ているもの、つまり「何を見ているか」「何を見せたいのか」を共有するためのイメージです。
受け手にこのようなイメージを持ってもらいたい、あるいは何を見せてくれるのかと感じさせる要素なのです。
💠ペルソナとコミュニケーション人格
チラシやポスターの広報物を作るときに「ペルソナ設定」が大切だ、というのは親の顔より見た文章だと思うのですが、私は常々本当にそれだけで読んでくれる見てくれるのだろうか?という疑問がありました。
本書と出会って「コミュニケーション人格」を知ってなんで「ペルソナ設定」が大切なのかをしっかりと理解することができました。
それは、ペルソナとして設定するターゲットの”行動変容”を誘うには「コミュニケーション人格」を作りこむことが非常に有効と感じたからです。
〇類似性の法則
心理学用語で「類似性の法則」というものがあります、簡単に言ってしまうと「類は友を呼ぶ」、人は自分と共通点を持つ人に親近感を覚え影響を受けやすくなる、というものです。
これを先ほどの「ペルソナ」と「コミュニケーション人格」に当てはめて考えると、「ペルソナ」はターゲットであり受け手、つまり行動変容してほしい人なわけで、デザイン=「コミュニケーション人格」をその人と近しい人物に設定してあげることで先ほどの「類似性の法則」が発動して行動変容しやすくなると考えました。
他にも、憧れからくる行動変容などにも応用が利きそうです。
結論、我々がデザインして届けたい相手は、どんな人から話をされたら素直に聞いてくれるかな?を考えていくとより解像度の高い「コミュニケーション人格」を設定できると考えました。
まだまだデザインの経験が浅いので的はずれかもしれませんが、本書はいろんな気づきを与えてくれた良い1冊でした。
この記事の内容が誰かの力や気づきになれれば幸いです。
それでは、地方公務員のばたやんでした。