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こすっても落ちない優生思想

先日、優生思想について考えました。
きっかけは、映画「月」を観たことでした。
相模原の事件を題材とした同名小説が原作で、
俳優陣も豪華でした。報知映画賞も受賞されてました。

映画を観た後、相模原の事件について調べ直していると
優生思想という言葉が何度か出てきました。
優良な血統を増やすとか
悪質な遺伝的形質を淘汰するとか
ものすごい学問があるもんだと思いました。
優生思想の定義自体はこの時初めて知ったものの、
そういう考え方が今までの自分になかったわけではない
と思いました。もちろん恐ろしい思想だとは思います。
また、日本は他の国に比べて優生思想が強いということも
初めて知りました。
ただそこにいるだけであなたは尊い存在なのだと
そう思えない国。
ものすごい国に生まれてしまったもんだと思いました。
もちろん人によるとは思いますが、
すでに私にもこの思想が根を張りかけていることが
それをより強く実感させました。

事件は最悪です。動機も無論、同情の余地なしです。
ただ、誰も優生思想を完全には否定しきれない。
彼の考えがほんの一ミリも分からないと、言い切れない。
最悪なことにそれに気づいてしまう、
私にとってはそういう時間でした。
常に抗い続けるしかないと思っています。

私は日常的に障がいのある子どもと関わっています。
彼らに幸せな気持ちにしてもらったことなんか
数えきれないくらいあります。
ただ、それを思い出して抗おうとすることは
思想を否定することにはならないと思いました。
人を幸せにすることに価値を置こうとしている時点で
同じではないかと思いました。
生産性とか、誰かに何かを与えることができるとか、
だから、そういうのなしに考えるんだってば、と
こすってもこすっても、なかなか落ちないけれど、
日々、抗い続けます。

私はただ若いだけの人間ですから、
まだまだどんな思想も取り入れられるだけの
頭の柔らかさだけが自慢です。
コンクリートが固まらないうちに、
彼らと長く関われてよかったと、本気で思います。
とりあえず早く原作買って、年内に読むぞ!

以上です。ありがとうございました。

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