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アート鑑賞と地域学習(聖隷クリストファー中・高等学校)

この記事では、ベネッセアートサイト直島が学校や団体、企業の様々な目的やテーマに応じて実施した、2022年度の教育プログラムについてお伝えします。

プログラム概要

80名弱と人数規模が大きいプログラムだったので、個人で対話型鑑賞に取り組めるようなワークシートを用意。個々人の気付きをワークシートを使って言語化し、それを共有し合う時間を設けることで作品の見方や視野を広げられるようにした。

■開催日時
2022年12月6日(火)
■参加者
生徒78名+教員3名+添乗員1名
■対象
高校2年生
■問い合わせ日
2022年6月24日(金)
2022年10月7日(金)事前レクチャー
■認知経路
ウェブ問い合わせ

当日使用した作品鑑賞ワークシート

スケジュール

9:42   宮浦港着
10:00 4グループに分かれて島内周遊
    ①ベネッセハウスミュージアム
    ②本村(家プロジェクト、ANDO MUSEUMを交互に鑑賞)
    ※昼食後、午前中の振り返り
15:30 自由時間@宮浦港周辺(屋外作品、お土産購入)
16:02 フェリー乗船

特徴

プログラムの特徴

・人数規模が大きいため、個人で対話型鑑賞に取り組めるようワークシートを用意。
・気付いたことを共有すべく、昼食後にワークシートの内容を何名かに発表してもらう時間を設けた。

参加者の反応(ワークシートより)

≪100生きて死ね≫
色とりどりで喜怒哀楽を表しているように感じた。感情を表現するのは難しいが大切、というメッセージが込められていると思った。

≪ベティ≫
顔を見せず後ろを向いているところから、どんな顔をしているのか気になった。気になったことなどは考えてみることが大事なんだと思った

≪エコー・エコー Ⅲ≫
プロペラの柄が色々な場面を切り取ったように見えたところから、色々な人、こと、もの、出来事が1つになって世界が回っていると感じた。世界がまわっていくにはたくさんのことが1つになる必要があると思った。

≪カンブリア紀≫
絵の中の生物や今の海との違いから、昔の生物が生き生きと過ごしているような印象を受けた。環境問題に対する思いが込められていると思った。

企画担当者からの評価(教員)

■満足度

5 / 5 点

■再利用意向

5 / 5 点

・従来の美術鑑賞では、一つの作品をじっくり鑑賞し、その思いを読み取ることまでできませんでしたが、今回はワークショップを通してじっくりと向き合い、またそれを他者と共有することで、より深みのある鑑賞ができた。

・アートが美術館の中に行儀良く並んでいるのではなく、島中の様々なところに点在し、かつ観るものの心に映るメッセージを読み解くというプログラムによって、生徒はもちろんのこと、教員も様々な視点からものを観て、感じて、考えるという活動ができた。

・短時間ながらも大変充実したプログラムを組んでいただいたが、もう少し滞在時間を増やせると、もっと充実した学びができたのではないかと思う。

まとめ・考察

・積極的に取り組む生徒が多く、ワークシートを使いながら作品の細部までよく観察していた。
・ワークシートは作品を観て考えたことを言語化する上で効果的。個人で取り組んだ内容を一部ではあるが他の人と共有し合うことで、次の鑑賞体験の深化にも繋がるように感じた。(大黒)

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