ありがとうを今の5倍使おう 『5日間で言葉が「思いつかない」「まとまらない」「伝わらない」がなくなる本』

博報堂のスピーチライター「ひきたよしあき」さんが書いた本。
この本は、自分の考えを言語化し、きちんと相手に伝えることができるようになる為の具体的なメソッドを紹介する本です。

この本が面白いのは具体的な登場人物がいて、主人公が先生からメソッドを教えてもらい具体的に仕事に落とし込んでいくストーリー仕立てになっているところです。なので小説を読む感覚でかなりスムーズに読めて、具体的なメソッドの活用法もわかりやすいです。
タイトルに書いてあるように5日間で十分読見み切れる文量ですが、実際に日常でそのメソッドを実践して成果が現れてくるまでにはある程度時間はかかるかと思います。

メソッドは大きく5項目に分類されていています。


1. ボキャブラリーを増やす
2. 考える力をつける
3. 論理的な思考力をつける
4. 相手への伝え方を磨く
5. 言葉に説得力を持たせる

1で使える単語の限界量を増やす、2で単語を文章に、3で文章の組み立て方を、4でその文章を言葉に、5でより相手に伝わる表現力を鍛える
という一連の流れで紹介しています。

すぐに実践できそうなメソッドをいくつか紹介します。

「形容詞を使わずに食レポする」
これは「おいしい」や「甘い」など食べ物の感想で多用される形容詞を使わないで食レポすることでボキャブラリーを増やそうというものです。
例を出すとみかんを食べて「柑橘系の匂いで気持ちがリラックスする」など
「日常の何気ない行動に理由付けする」
理由をつけることで考えがまとまりやすくなり文章化することができるようになります。〜なので〜したという型に当てはめてみる。
「主張を述べる時は、主張1つ理由3つ(トレンド、特性、お得感)を意識」
一つの主張に対して、トレンド、主張する意見の特性、他と比べた時の比較、を交えて組み立てると、筋道がとおり主張が届きやすい。
EX)彼女にこのマフラーをプレゼントしたい。なぜなら今季のトレンドカラーは赤、彼女の持っている毛皮のコートに合う、物はいいが他よりも安い。
「言葉の中で動詞を多用する」
動詞を多く入れることで相手の脳内に実際の行動が具体的に浮かびやすくなる。
EX)朝はヨーグルトを食べよう→朝起きて冷蔵庫を開けヨーグルトをスプーンですくって食べよう。
「私たちという言葉を使って自分ごと化させよう」
「私は」ではなく「私たちは」を使うことで聞いた相手に内容を自分ごと化させ巻き込める。演説などでよく見られる手法。
EX)Yes we can! (私たちはできる!)

上記のようなメソッドがこの本では25個紹介されています。
そして最後に「ありがとうを今の5倍使おう」というメソッドが紹介されています。これはありがとうという言葉には相手の気持ちを和らげてくれるという特性があります。なので最終的にコミュニケーションを円滑にする手段としてありがとうを沢山使おうということを言っています。

これまで沢山の具体的なメソッドを紹介してた著者が最後に基本的な「挨拶」の重要性に立ち戻る、いくら技術を磨こうとも1番大事なことは人間としての基本的なマナーである、と初心に帰りました。






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