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フィルム

先日引っ越しをした。新しい家で生活を始めるのは3年ぶりのこと。

実家を出てまた戻って、家族と一緒に暮らしていた時間が長かったこともあり、一人で生活を始めるのは何だか少し緊張した。

引っ越し自体は人生で何度か経験しているが、いつもあまり良い思い出がなかった。3年前、初めて一人暮らしを始めた時もそう。

あの時は人にこっぴどく裏切られて、何をしている時でも辛かった。荷物を片付けている時も、掃除をしている時も涙が止まらなかったのを今でも覚えている。よくあそこから立ち直れたなと今でも思う。

それに比べて今回はと言うと・・・。

金銭面での不安はあるものの、自分で生活を作っていくことが楽しくて楽しくて仕方がない。何なら家具や雑貨を新調すべくAmazonをくまなく見て漁ったり、今晩のご飯は何を作ろうかと考えている時は相当幸せだ。

今回の引越し後、部屋を整えている時には星野源の「フィルム」をかけた。

サビの歌詞で、

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どんなことも 胸が裂けるほど苦しい 夜が来てもすべて憶えているだろ

声を上げて飛び上がるほどに嬉しい そんな日々がこれから起こるはずだろ

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この言葉が、3年前の自分と今の自分を照らし合わせているようだった。

辛いことの渦中にいた時は、この波がいつ終わるんだろうという思いで本当に心が暗くなっていたけれど、それでも必死に日常を取り戻そうと過ごしていたら、いつの間にかそれは通り過ぎていた。

人に裏切られたことや心から消えない小さな痛みは、いつかは笑い話になるのだろうか。まださすがに笑い飛ばすことはできないけれど。

この曲を聴いていると、まだ慣れない新しい街での暮らしで、これから私はどんな景色を見るんだろうとやっぱりワクワクしてしまう。

「声をあげて飛び上がるほどに嬉しい」 それほどの感情に出会えるようなことが、これからたくさん起こりますように。

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