★【選手育成】"考える力"をつける
野球は他のスポーツと比べてルールが複雑になっています。また、プレー間の”間”が長く常に動いているわけではない(止まっている時間が多い)ため、その時間をどう使うか?がプレーの成否・チームの勝敗に大きな影響を与えます。
直感でプレーできることも重要ですが、”考える力”を身につけ”間”の時間で考えてプレーをすることができるとプレーの質を高めることができます。また監督の指示を待つだけでなく、自分自身で判断してプレーできるようになります。
普段の練習の中でも考えて取り組むことで、より早く質が高い技術を身につけることができます。自分で考えて取り組んだことが練習の成果として現れれば、その方が達成感も大きく野球の取り組む姿勢をより上げることができます。
考える野球をするために
”考える野球”をすることは、より高いレベルの野球をしチームの目標を達成する上で重要な武器となりますが、簡単にできるものではありません。
”野球を知る”
考えることができるようにするためにはまず、
ルールを覚える ・ 野球を基本を覚える 等、
野球を知る必要があります。
ルールや基本を知ることで、試合では置かれた状況でベストなプレーをするにはどうしたら良いか? 考えて導き出すことができるようになります。
”指示通りに動く”からレベルアップする
野球はルール・動きが複雑なこともあり始めは1から教えられた通りプレーしますが、いつまでもこの状態にプレーすると”自分で考える”意識が薄くなってしまいます。
”指示通りに動く”から”自分で考えて動く”ことを意識することで、野球における頭の使い方を覚え選手としてレベルアップ出来るようになります。
試合の中での”考える力”
この状況では何をするか?考えるクセ付けをする
考える力をつけプレーするようになるためには、チームとして出る指示に対しその内容を受けるだけでなく”自分であればこの状況で何をするか?”を常に考える意識(クセ)をつけることがポイントになります。野球の技術同様、考えることもトレーニングが必要です。
この考える意識は、試合のときだけでやろうとしてもなかなかできません。普段の練習から意識を持って取り組むと、より早く身につけることができます。指導者から教わったことをやるだけでなく、言われたことをヒントにした上でもうワンランクアップの工夫をし、さらに上を目指すように考えていくことが選手としてレベルアップをするポイントになります。
※ 練習のタイムスケジュールの中に、考えて自分で課題に取り組む時間を設けることで高校生も自然に考えるようになります。
状況に合わせてプレーする、”自分のベスト”にこだわらない
試合では自分のベストプレーを出すことを常に意識して行ないますが、それだけでは必ずしも良い結果とならないケースも多くあります。
(打者のケース 例)
● 1塁に足の速い走者がいてさまざまな作戦を仕掛けるチャンスに
初球を簡単に打ってアウトになってしまう。
● 3塁に走者がいてゴロを転がせば1点入る状況で、
フライを打ち上げてしまう。
(投手のケース 例)
● 自分のベストボールが直球であるために、
相手打者が明らかに直球狙いでもこだわって投げて打たれてしまう。
おかれた状況で“考える”ことができると、それが自分のベストプレーでなくてもその状況ではベストな選択として違うプレーすることができるようになります。
試合では、自分のベストを出すことよりもチームとして勝つこと・良い結果を残すことが何よりも重要で、そのために何をすべきかを考える力が必要になります。
※ 特に考えることが必要な守備位置
守備位置の中で特に考えることが重要になるのは、
捕手・二塁手・遊撃手 になります。
捕手 … 守備の9人の中で1人だけ違う方向を向き、
グラウンド全体を見ることができる
二塁手・遊撃手 … 試合中に関わるプレーや
動きのバリエーションが他守備位置より多い
この3つのポジションがベンチの意図を理解してプレーできると、チームとして機能した守備をすることができます。
練習の中での”考える力”
考えたことは現実になる
野球を上達する目的は立てた目標を達成するためであり、そのためにはある程度負荷がかかる厳しい練習が必要になります。
その目標はチームとして掲げる1年間の目標がありますが、そのほかに各選手が個人の目標を持っている場合が多いです。
(例) ホームランを打つ・140kmを投げる・NPBに入る
また目標を達成するために必要なものとしては、厳しい練習のほかに
練習方法の工夫 努力の継続 体力・筋力UP(トレーニング)
等ありますが、その前提として”思考力(考え方・思い)が必要になります。考え方が正しい方向を向いていることが、目標を現実にする(正しい道を通る)ポイントになるからです。
考え方が練習を変える例
(例1)
トレーニングをすることは、野球が上達する上で
大切であることは誰でも知っている(わかっている)。
↓
毎日負荷の強いトレーニングを行なうことで
今よりも野球が上達することは間違いない。
↓
現実には、多くの選手が毎日トレーニングができない。
しかし、トップ選手は毎日行なうことができる。
↓
トップ選手は、毎日続けることが当たり前だと思っている。
何よりもトレーニングの優先順位が高くなっている。
普通の選手は、トレーニングが つらい・みんなやっていない
自分も毎日続けなくても良いのでは?を考えてしまう。
(例2)
打撃力を上げるためには、毎日欠かさず素振りをすることが
重要なことはわかっているが、行動することは難しい。
↓
行動できない理由は、”目標を達成したい!”という思い・熱量が
足りないため練習に対する優先順位が低いからである。
↓
”何としても目標を達成する!”という熱量に上がると、
練習に対する優先順位が高くなる。
(良い練習方法を知っていても、思い・熱量がないと意味がない)
どのような練習・トレーニングも、それを”当たり前のように続ける”思考が継続するポイントになり目標を現実にする要素となります。
考え方が変わる → 行動が変わる →
習慣が変わる → 結果が変わる
ということです。
思考とは優先順位のことになるので、他生活全般のあらゆることと比較しても野球の優先順位を上げていくことが「結果」は変える原動力となります。
自分を客観的に見て、効果のある練習を考える
考えることができるようになると、自分を客観視することができます。
● 自分の長所・短所は何か? を考える。
● ”長所をさらに伸ばすには?” ”足りない部分を鍛えるには?”
どうすれば良いのか? 考え、練習に取り組む。
このことが、レベルアップする上で重要になります。
(例)
直球は試合で通用するレベルだが、変化球の種類が少ない
↓
直球を磨く練習だけでなく、種々の変化球を試す練習を取り入れる。
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