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★【打撃】(ストライク)ゾーン別の打撃

ストライクゾーンは大きく9種類に分類されます。

図は右打者になります。
ストライクゾーンの定義は、打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた
水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限 となります。

この9種類のゾーンにはそれぞれ適切な打ち方があるので、これを頭に置いて練習を行なうと打撃の上達が早くなります。

特に一般的に”打つのが難しい”と言われるのが
      インコース(内角)・アウトコース(外角)低め
になります。ゾーン別の打ち方を習得することで、打つのが難しいゾーンを苦手にしない準備もできるようになります。


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インコース(内角)

(右打者の場合)

内角は体に近いストライクゾーンになるため、強い力でボールを打ち長打しやすいコースです。
当然相手から見ると内角は失投すると長打を打たれる可能性が高いため、内角が得意な打者にはより慎重な配球になります。

内角を打つためには、他のコースとは違う特殊な技術が必要になります。

腕の使い方がポイント

内角を打つには ”腕の使い方” が重要になります。
バットが遠回りして出る”ドアスイング”のような腕の使い方だと内角は打てません。体の軸からバットが離れずコンパクトなスイングになる腕の使い方を意識し、内角打ちの練習を行ないます。
内角を打つ腕の使い方が出来るようになると、それ以外のコースもうまく打つことができるようになります。

ボールの内側を打つ意識

投手が投げるボールに対し”ボールの内側”を打つイメージで打ちに行くと、内角が打ちやすくなります(逆にボールの外側を打ちにいくと、バットが遠回りすドアスイングになってしまう)。
内側を打つイメージして打ちにいくと、バットのヘッドがギリギリまで投手方向を向かず力をためることができます。また腕をたたんで振るようになるためインサイドからバットが出るスイング軌道になります。
ボールの内側を打つイメージのときは、体の重心が背中側にかからないよう注意が必要です(背中側に体重がかかると、腰が引けたようなスイングになってしまう)。

内角高め

(右打者の場合)

顔に最も近いボールで、球がホップする錯覚が起きやすいコースです。
カットで逃げたり当てに行く打撃が難しく必然的に強振することになるため、ミートポイントを前に持っていかないと差し込まれてしまう可能性が高くなります。
 ● 上体を投手方向へ突っ込まない。
     上体を突っ込みボールを迎えに行くと両腕が窮屈になり、
     差し込まれます。
     内角高めと判断したら、その場で軸を回転して打つイメージ
     で打ちに行きます。
 ● 脇を締めてヘッドを立てる
     内角高めは脇が開きやすく、グリップが上がってしまいます。
     グリップが上がると打ちに行くときヘッドを下げるため、
     弱いスイングになってしまいます。
     脇を締めヘッドを立てて、ボールを上から強く叩くように
     スイングします。

内角低め

(右打者の場合)

上から叩く意識が強すぎると上半身の力で打つようになってしまい、力み過ぎてボールを切ったような打球になってしまう場合が多くなります。
 ● 下半身主導でスイングする
     下半身のパワーをうまく使い、ボールを拾うようなイメージで
     打ちに行きます。

内角打ちの練習

≪ティーバッティング≫
通常は構えた方向の斜め前からトスされたボールを打ちますが、内角の練習をする場合はトスが来る方向を向いて構えます。トスは内角のボール球くらいに投げてもらい、そのボールを引っ張ってネットに打ちます。
この練習で意識することは、
 ● ボールの内側を打つイメージを持つ
 ● 背中側に体重がいかないようする
ことです。
きれいなトップスピンの強い打球を打てるようになれば、内角打ちがうまくなっている証拠です。
     ※ トスするボールは柔らかいボールを使ったほうが安全です。
≪壁の前で素振り≫
壁の前20㎝くらいにあえて立ち、バットが壁に当たらないように素振りをします。内角を打つための腕の抜き方・使い方を覚えることができます。
ただし、悪いクセがつかないよう正しい形で行なうこと・壁だとケガをする可能性があるのでネットの前等行なう場所を考えること が注意点です。

真ん中

(右打者の場合)

センター返し

「打撃の基本はセンター返し」と言われるのは、その方向の打球が最もボールとバットが真正面で衝突し反発力が上がるため、打球速度が上がる・飛距離が出る方向になる からです。

投球とバットが直角に当たるのが、真正面に衝突した状態
投球の軌道とスイング軌道が同じ角度で当たるのが、真正面に衝突した状態

打球速度も速くなり飛距離が上がれば、安打になる確率は上がります。

この他にもセンター方向を意識することで、
 ● ヘッドの返りが早くなることを防ぐ
 ● 変化球への対応がしやすくなる
 ● 外角のボール球にバットを止めることができる
メリットがあります。

センター返しは、インコース(内角)やアウトコース(外角)だとボールとバットの正面衝突しにくいため難しいですが、真ん中であれば比較的容易に角度を合わせることができます。

アウトコース(外角)

(右打者の場合)

外角は体から遠いストライクゾーンになるため、強い力でボールを打ちにくく長打にしにくいコースです。
当然相手から見ると長打を打たれる可能性が低いため、外角への配球は多くなってきます。

意識して外角打ちの練習をする必要がある

外角を逆方向(右打者はセンターよりも右方向、左打者は左方向)へ打って飛距離を出すにはその技術が必要で、普段の練習の中で自由に打撃練習すると”飛ばしたい” ”アピールしたい”と内角中心のボールを引っ張った打球ばかり打ってしまうため、外角を逆方向へ打つ技術を身につけるためには意識を持って打撃練習に取り組むことが重要です。

”当てる”でなく”引っ張る”意識

逆方向に打つ練習の際に注意すべき点は、逆方向だからと”当てるだけ”の打撃にせず”右に引っ張る”意識で強い打球を打ちに行くこと になります。

≪打つポイントを近づける≫
逆方向に強い打球を打つには”打つポイントを近づける”ことが重要になります。ポイントを近づけるとは
、通常のミートポイントよりも捕手寄りでボールを捕らえることです。

ポイントを前にして打つとヘッドが返りバットの先に当たる引っ掛けた打球になるため、三塁側への弱い打球になることが多いです。

また、ポイントを近づけることはこの他にも
 ● ボールの見極めが良くなる
 ● 
(インパクトの角度が良くなり)飛距離が出る
 ● 打球の回転が良くなる
(バックスピン)
効果もあります。

※ インパクトの角度・打球の回転が良くなる理由
   バックスピンがかかった打球を打つためには、体の軸を
   ホームベース方向に傾けすぎないことがポイントになります。
      (軸が傾くとスイング軌道も傾く→スライススピンになる)

   体の傾き抑えスイング軌道が水平になると、インパクトの角度が
   良くなり打球の回転(バックスピン)が良くなります。

≪軸を後ろに残す≫
外角は内角に比べ腕を伸ばしてスイングできるため、軌道が大きくなりその分遠心力が上がります。
スイング軌道の軸は打者の体になりますが、体が前に流れ軸が前にずれると遠心力は弱まります。体の軸を後ろに残す(捕手方向に残す)ことが遠心力を上がり、打球は逆方向でも伸びていきます。

外角高め

(右打者の場合)

 ● 肘を畳んで強く叩く。
     グリップの位置に注意し、脇が開かないように肘を軽く畳んで
     打ちます。はじめから当てに行くようなスイングはせず、
     腰の回転を若干遅らせ軸足に体重を残すイメージで
     ミートポイントまで呼び込み振り抜きます。

外角低め

(右打者の場合)

打者から一番遠いストライクゾーンなので、ボールに力を伝えて打つのが難しいコースになります。
 ● ミートポイントを後ろに十分引きつけスイングする
     ミートポイントを前にすると泳いだスイングになるので、
     十分引きつけパワーを逃がさないようスイングします。

苦手なコースを打つ

どんな打者にも ”得意なコース”と”苦手なコース” があります。
苦手なコースを減らし得意なコースを増やせば打率が高めることができるので、どうすれば良いか?把握しておくことは重要になります。

自分の得意・苦手を把握する

まずは自分の得意なコース・苦手なコースを把握することが重要になります。感覚的に把握するだけでなく、数字(試合での結果)も把握できると客観的に把握できるので良いです。

苦手なコースを打つ練習に注力する

苦手なコースがあるということは打撃フォームにおいて修正すべき点があるはず…ということなので、得意なコースをより伸ばすことよりも苦手なコースを克服するほうに注力して練習を行ないます。

頭で対策方法を理解できても、体が動かなくては意味がありません。繰り返しスイングを行ない反復練習を行なうことで、スイングを改善することができます。
反復練習を行なってもなかなか改善しないときは、アドバイスを求める等第三者の意見を聞く対策を入れてみると良いです(いきなりアドバイスを求める…のは、アドバイスの意味を理解できない等あるため良くない)。

※ 変化球の克服方法も同様

このような考え方は、苦手な変化球がある場合の対策としても同じことが言えます。
具体的な課題を把握しないまま”どうやったら打てるか?”と考えて練習をしていても正しい改善方向に進むとは限らず、また
   ”目線をぶらすな” ”突っ込むな” ”タイミングを合わせろ”
というようなアドバイスを受けてもそれがその打者にとって適切なアドバイスになるとは限りません。


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